ウナギの”継ぎ足しタレ”、なぜおいしくて長持ち?【教えて!小泉武夫先生】

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発酵食品やその食文化における第一人者として日本でもっとも有名な小泉武夫先生。月光仮面ならぬ「発酵仮面」という異名も持つ小泉先生に、発酵食品について教えていただきました!

ウナギの継ぎ足しタレ、なぜおいしくて長持ち?【教えて!小泉武夫先生】

Q:飲食店で「タレをつぎ足して使っているからおいしい、かつ、長持ちする」と言われますが、発酵と何か関係があるのでしょうか?

A:ウナギのタレが腐らないのは発酵のせいではありません。

発酵しているタレの話か、そうでないのかで違います。
例えば、ウナギのタレなどは、ウナギをつけ焼きしたり、ハケでタレを付けるときに、うなぎの旨味がタレの中に入って風味が作られています。発酵ではありません。

腐りにくいのは毎日使っていることと、塩や醤油が使われているためです。さらに焼いたときに付いた焦げから煙の成分であるフェノール成分が入っています。燻製にしたら腐らないように作用する成分と同じものが入っているのです。

ものを腐らせない方法

ものを腐らせない方法は大きく4つあります。

1.乾燥

1つめは乾燥。水分がないところには微生物は来ません。

2.塩分

2つめは塩。塩分があると生命体は出ていきます。

3.発酵

3つめは発酵。発酵すると他の微生物が来なくなります。
牛乳は腐敗菌がつくと腐ってしまいますが、乳酸菌が来てヨーグルトになるとほぼ腐りません。
私はトルコのクルド族の170年前のチーズを食べたことがあります。日本のなれ鮓も同じです。

4.燻煙(くんえん)

4つ目は燻すこと。煙をかけると、煙の防腐成分がついて菌が来なくなる。焼き鳥やうなぎのタレは、煙の成分が入っているから防腐できるのです。

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