【八十八夜】海老と新茶の葛あん仕立て:発酵ワクワク大使の雑節レシピ

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東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さん。「麹菌に“大”いに“使”われています(笑)」という鈴木さんによる二十四節気に沿った発酵料理のレシピをご紹介します。

八十八夜とは?

八十八夜とは?

立春から数えて八十八日目ということであり、遅い霜が降りてしまい蒔いた種がダメになってしまうことを注意するための雑節です。

『夏もちーかづく、はーちじゅうはちや♪』と、日本人なら誰もが聞いたことのある、この節回し。
京都・宇治茶の茶摘み唄をもとに、明治初期にできたそうです。
和歌のような雅で風流な歌も素晴らしいですが、庶民の生活の中で根付いた茶摘み唄や仕込み唄の多くは楽しげなメロディを伴っています。
まさに“作業がはかどる季節の風物詩”として素晴らしいものだと思います。

また、今日の発酵ブームの礎を作った立役者、『自然酒五人娘』でおなじみの酒蔵・寺田本家さんは、冬場の仕込みの時に“もと摺り唄”を唄いながら酒母を仕込んでいます。
みなさま、寺田本家さんの“もと摺り唄”を聞いてみたいと思いませんか?
イマジン盆踊り部のデレクタでもある大使が、寺田本家二十四代目当主・寺田優氏とともに録音した“もと摺り唄”はイマジン盆踊り部2ndアルバム『Roots of 盆 music』に収録されています!

おっと、酒好きの大使は茶摘みだってのにすぐ酒の話になってしまって、あいすみません。
下戸の方々にとってお茶と甘味はなによりの楽しみでありまして、特に新茶というものは、新しモノ・初物が好きな日本人にとって格別の楽しみでもありますね。
今回は、そんなお茶を使ったお料理のご紹介です。

海老と新茶の葛あん仕立て

海老と新茶の葛あん仕立て

材料(4人分)

・海老 お好みの大きさのものをお好みの量で
・塩麹 海老の分量の10%
・新玉ねぎ 1個
・きくらげ 100g
・黄人参 1/4本
・赤パプリカ 1/2個
・新茶 適量
・本葛粉 適量
・塩、ホワイトペッパー 適量

作り方

1. 海老に塩麹を和えて、3時間以上発酵させる。(塩麹の代わりに、3%の雪糀+2%の塩でもOK)
 この下味漬けで、海老の旨味が増し、食感もぷりっとする上、香りも良くなります。大使は1日漬けたものを使います。
2. 野菜を好みの大きさに切る。
3. お茶を濃いめに淹れる。昆布だしをとり、お茶と合わせる。
4. 海老をよく洗い、出がらしの茶葉と塩を入れたお湯でサッと茹で、ざるに空け冷水に取る。
5. 鍋にお茶と野菜を入れ、煮えたら海老を入れ、塩、ホワイトペッパーで味を決める。
6. 葛粉を水で溶き、グツグツ沸いている鍋に回しいれとろみをつける。
7. 急須に残ったお茶っ葉を飾り程度に鍋に入れて完成。

大使のワンポイントアドバイス

海老の独特の匂いを、塩麹と新茶で爽やかな香りに。
初夏の日差しが、色とりどりの鮮やかな世界を照らします。
陰陽五行思想から来る五色の彩りは、目にも鮮やかであるばかりか、栄養バランスの豊かさもあらわしています。

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