【土用とは?】発酵ワクワク大使の雑節のお話

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東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんに、「土用(どよう)」について聞きました。

✓発酵ワクワク大使の【土用】に食べたい発酵レシピ!
『薬膳醤油糀』


雑節「土用(どよう)」(2017年7月19日)とは

薬膳醤油糀

暑さで体力が奪われる、夏の土用の養生食

夏至の陽光に温められることから約1ヵ月。土に蓄えられた熱はピークを迎えます。
冬に大寒があるように、夏には大暑という節気があります。
コンクリートに蓄熱された東京の町は、街全体が岩盤浴のよう。
下手をすると命にも関わる真夏の体調維持。熱を冷ますだけでなく、しっかりと滋養強壮をはかりたいものです。

「大暑(たいしょ)」(2017年7月73日)の3日ほど前から、「立秋(りっしゅん)」前の土用の時期に入ります。

「土用(どよう)」のおさらい

毎度毎度の土用をおさらいいたします。

立秋とは、夏のピークの次の日

立春・立夏・立秋・立冬とは、次の季節が立ち上がりはじめる時候です。
つまり、季節の頂点に達した次の日ということであり、立秋とは、夏のピークの次の日です。
立秋の2017年8月7日まで、夏の盛りが昇りつめていきます。

夏の盛りを乗り切るため、その前の18日間に土用という準備期間が設けられています。
土用の期間は、大きく動いていたずらに体力を消耗せずに、体力温存を心掛けましょう。

土用は、滋味あるものをいただき、体力を養う

土を用いると書いて土用。
滋味あふれるものをいただき、体力を養いましょう。
土用のうなぎは有名ですが、お隣の韓国では土用に参鶏湯を食べる文化があります。
また甘酒は、消化能力が落ちる今の時期に熱々のものを頂くのが、江戸時代の文化として根付いていました。

夏だからといって冷たいものを取りすぎると、お腹の温度が下がり、善玉菌も元気がなくなり、いくら精のつくものを頂いても、消化吸収できずに流れて行ってしまいます。
そんな時期だからこそ、温かく消化の良いものを頂きたいものですね。

土用には、「土用しじみ」

土用には、「土用しじみ」

しかし、うだるような暑さに、熱いものばかり取っていられないのも人情。
そんな時は貝類もオススメです。
海は全ての生物を生み出した命の根本。その海から栄養素を頂き育ったのが貝類。
亜鉛や鉄などのミネラルが豊富で、漁師さん曰く貝は精力剤だそうです。

特にあわびは栄養価も高く昔から珍重されていますので、発酵居酒屋5ではアワビのメニューをお出ししていますが、ご家庭では難しいかもしれませんね。

そんなときは、庶民に広く愛される貝、しじみを頂きましょう。
「土用しじみ」も、最近はよく聞かれますね。

そのしじみを、漢方と糀を使った醤油漬けにしました。
その美味しくて滋養あふれる醤油も、山芋というこれまた滋味あふれるトロロの味付けに使って頂きます。

黒い食べ物は、東洋医学の考え方では、腎を強める作用があります。
腎とは西洋医学の腎臓とは少し範囲が違い、泌尿器、生殖器など人の体の要である丹田、まさに、人の生命力を司る重要な機能です。

腎は精であり、人を支え、神に通ず。
すべて、「じん」という言霊を宿しています。

精根尽き果て夏バテする前に、ジンを養いましょう!

【土用】に食べたい発酵レシピ『薬膳醤油糀』

薬膳醤油糀

発酵ワクワク大使・鈴木さんがお届けする今回のレシピは、『薬膳醤油糀(レシピページにリンク)』です。

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