手作り

2017年09月05日

ジンジャーバグって知ってる?サンダー・E・キャッツ著書レシピに挑戦

フルーツや野菜を発酵させて作る酵母の中でも、ショウガを発酵させて作る「ジンジャーバグ」。バグって、bug=虫…?! とつい驚きそうになりますが、どうやら元気でシュワシュワと発泡する様子から海外でついた呼び名だそう。ジンジャーバグとは、日本語ではずばり「生姜酵母」を意味します。そんな酵母から作るスッキリとした飲み物のレシピをご紹介しましょう!

すべては「ジンジャーバグ」からはじまる

ジンジャーバグも作り方はとてもシンプル

ドリンクの作り方といっても工程は、ジンジャーバグを作り、ジンジャーバグをスターターとして材料をボトルに入れる、これだけです。
ジンジャーバグだって作り方はとてもシンプル。

なぜなら、世界の発酵食ブームの火付けであるサンダー・E. キャッツさんが「発酵とは、微生物による食品の変容」と教えてくれた通り、栄養価を高めたり、味をよくしたりするのは全て微生物がしてくれるため、私たちはその介添えをするだけ。故に作り方がシンプルなんですね。

米ベストセラー『天然発酵の世界(Wild Fermentation)』の著者であり、発酵界のレジェンド、サンダー・E. キャッツとは?
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それではそのサンダーさんの著書でも紹介されている、ジンジャーバグを作っていきましょう。

ジンジャーバグの作り方

必要なもの(約1リットル)

・ショウガ 5〜8cm程
・砂糖  50g
・ミネラルウォーター 750ml
・容量1リットルほどの蓋つきガラス容器(口が広いと使いやすいです)

手順

1. ガラス容器の中に水を入れ、
2. みじん切り、又はすりおろしたショウガ 小さじ3と砂糖 小さじ3を入れて溶かす。
3. 軽く蓋をして常温のまま保存。
4. 翌日になったら、ショウガ 小さじ1と砂糖 小さじ1を加えて軽く混ぜて溶かす。
5. 軽く蓋をして常温保存。4〜7日間の間、手順4を毎日繰り返す。

そうです、まるでガラス容器の中の微生物に毎日ご飯をあげるように、ショウガと同量の砂糖を入れながら、発酵するまで待つのがジンジャーバグの作り方。

そうです、まるで毎日ご飯をあげるように、ショウガと同量の砂糖を入れながら、プクプクと発泡してくるまで数日間待つのがジンジャーバグの作り方。

     
プクプクと小さな泡が出始めたらジンジャーバグが完成し、飲み物を作るスターターとして準備が整った証拠です。いよいよドリンクを仕込んでみましょう!

とりあえず、ジンジャーエール

とりあえず、ジンジャーエール

炭酸がシュワシュワっと爽やかに広がり、ショウガがほのかにピリリッと効いたジンジャーエール。
サンダーさんの著書「天然発酵の世界」では、”ジンジャービール”という名前で紹介されています。
しかし泡立つ見た目がビールのように見えるものの「アルコールとして味わうには足りません」とも書かれているように、実際はソフトドリンクと定義されています。
ショウガの辛さをキツくしなければお子様たちも楽しめますよ。

ジンジャーエールの作り方

必要なもの(仕上がり目安 1リットル)

※下記ではサンダーさんの著書を参考に、家庭で作りやすい分量にしています
・ショウガ 5〜10cm程(すりおろして50g程。ショウガの味をきつめに仕上げたい場合は80g程でも良い)
・砂糖  50g(甘めがいい場合は80g程まで可)
・ジンジャーバグ 50~60ml(ショウガを茶漉しで漉して液体のみ)
・水 1リットル
・容量1リットル程で密閉可能な保存瓶やボトル(口が狭くなっているボトル型がよい。ペットボトル可)
・鍋、茶漉し、漏斗(じょうご)など

手順

1. 鍋に水を入れて沸騰させたら、砂糖を入れてよく溶かす。
2. ショウガを加えて軽く煮立たせたら、火から上げてよく冷ます。
3. 2が完全に覚めてから、ジンジャーバグを加える。(高温だと発酵しないため必ず冷ましてください)
4. 茶漉しなどで漉しながらや漏斗で保存瓶に入れる。瓶の中は、5cm程の空間を開けること。
5. 蓋をして常温保存。2日間(冬場は長めに)発酵させる。

もっと細かくショウガの繊維を取り除きたい場合はコーヒーフィルターなどを使って濾す
もっと細かくショウガの繊維を取り除きたい場合はコーヒーフィルターなどを使って濾す

ボトルの中で発酵が進むと炭酸ガスが発生し、密閉容器の中で行き場のなくなったガスは液体の中にも入り込むため、飲み物がシュワシュワした炭酸飲料になるのです。
写真のような瓶ではなくペットボトルを使った場合、発酵が進むとボトル全体がガスでぱんぱんに張っていることが感じられるでしょう。
完成した飲み物を開ける際は(瓶でもペットボトルでも同様)、くれぐれもゆっくりと、ガスを抜きながら開けるようにしてください。
また、飲む前に冷蔵庫で1時間ほど冷やすと一層おいしくいただけます。
お好みでレモンやライムを足して爽やかな風味をつけたり、きび砂糖を使って色味を濃くしたり、ご自身の理想のジンジャーエールを見つけてくださいね。
保存は冷蔵庫で、1週間を目安に飲みきりましょう。

ジンジャーバグは永遠に繋ぐことができる

ジンジャーエールを作ったことで少なくなったジンジャーバグですが、また最初と同じように、目減りした分のお水、ショウガと砂糖を小さじ1程度足しておけば数日でまた活発な動きをしてくれます。
逆に「しばらくお休みしたい」と思ったら冷蔵庫へ。発酵がゆっくり進むので、使うときは砂糖を足して半日〜1日のあいだ常温に出すことで起こせばまた引き続き使えます。

今回は最初に仕込んだ残りのジンジャーバグを使って、もう少し他の炭酸飲料も作ってみましょう。

100%ジュースを使った微炭酸ドリンク

もっとも手軽なのは、100%ジュースを使うことです。りんごやオレンジ、グレープなど、100%のフルーツジュースをジンジャーバグと合わせるだけ。ジュースには炭酸ガスを発生させるのに十分な甘みが含まれているため、他に必要な材料もなくとっても簡単に出来あがります。

手順(仕上がり目安 500ml)

1. ジンジャーエール作った時と同じ容量で、ジンジャーバグ(液体のみ)100ml前後を用意する。
2. 漏斗を使って上記1を保存瓶に入れる
3. お好きな100%ジュースを保存瓶に注ぐ。5cm程の空間を開けること。
4. 蓋をして一晩(冬場はもう1日)常温保存。

りんごジュースを使った微炭酸ドリンク。爽やかで、お子さんから大人まで幅広く喜んでいただけます
りんごジュースを使った微炭酸ドリンク。爽やかで、お子さんから大人まで幅広く喜んでいただけます

果実をそのまま使って

もしくは果実をそのまま使うこともオススメ。夏の柑橘類やスイカ、秋は柿やベリー類など、季節の果実があったらほんの2〜3切れをドリンク用にしてみましょう。少し多めのジンジャーバグとお水に、果実を入れるだけです。

手順(仕上がり目安 500ml)

1. ジンジャーエール作った時と同じ容量で、ジンジャーバグ(液体のみ)200ml前後を用意する。
2. 漏斗を使って上記1を保存瓶に入れる
3. お好きな果実を保存瓶に入れ(口が狭いので小さく切ると良い)ミネラルウォーターを注ぐ。上から5cm程の空間をとること。
4. 蓋をして一晩(冬場はもう1日)常温保存。

ピンクのグレープフルーツ 2〜3房はこんなにきれいな色のドリンクに
ピンクのグレープフルーツ 2〜3房はこんなにきれいな色のドリンクに

スイカ1口サイズ×2個だけでこんなにシュワシュワ
スイカ1口サイズ×2個だけでこんなにシュワシュワ

糖質が足りない材料のときは砂糖やドライフルーツを入れても

ここまで作るとお気付きのように、これらの炭酸飲料は、ジンジャーバグがさらに発酵できるだけの糖質が加わることで炭酸ガスが出るというシンプルなメカニズム。糖質分が多いと炭酸もキツくなり、逆に少なければおだやかな炭酸に仕上がります。
以前ご紹介したウォーターケフィアのフレーバリング同様に、うまく利用すればジンジャーバグでも様々なお好みの味が作れます。

糖質が足りない材料のときは砂糖やドライフルーツを入れても

梅シロップ(写真左)(仕上がり目安 500ml)

初夏の季節、梅がたくさん手に入って梅シロップを作った方はぜひ!ジンジャーバグ 約200mlと梅シロップ 約50ml、ミネラルウォーター 200〜250mlをボトルに注いで一晩常温保存。

ドライマンゴー(写真中央)(仕上がり目安 500ml)

お土産にいただいたり、お菓子作り用のドライフルーツがあれば、10gほどをボトルに入れて、ジンジャーバグ 約200mlとミネラルウォーター 200〜250mlをボトルに注ぎ、一晩常温保存。

ミントウォーター(写真右)(仕上がり目安 500ml)

お庭やベランダのフレッシュなハーブ、またはドライでも。汚れを落としたミント適量をボトルに入れて、糖質(ドライフルーツや砂糖)15〜20g、ジンジャーバグ 約200mlとミネラルウォーター 200〜250mlをボトルに注ぎ、一晩常温保存。

まるで実験!家庭で気軽に楽しめるのが発酵の醍醐味

どの発酵食も同じですが、自作してみると、完成までの時間の長さが印象に残ると思います。
発酵食は、思いついてからすぐに完成したりはしません。ファストフードとは真逆の「スローフード」であることに気づかされます。
それはまさにサンダー氏の言葉のまま、発酵が微生物によってもたらされるものだと感じる瞬間といえるでしょう。

なかでもジンジャーバグは特に、細かい泡が四方に動いて消え動いて消えしているため、微生物のなせる技がとってもわかりやすい発酵食品といえます。
どうぞお子様やご家族と一緒に発酵食を作る楽しみを感じてみてください。

天然発酵の世界
レジェンド、サンダー・E. キャッツ著「天然発酵の世界」

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やなぎさわ まどか

やなぎさわ まどか

フリーライター/ 通訳翻訳コーディネーター/ 農家見習い 10代後半から20代前半の海外生活後、英会話学校のマネージメントやコンサルティング企業に勤務。2011年3月の震災を機に、兼ねてから興味のあった農的な暮らしへの移行を求めて退職。現在はフリーランスにてライターやマネージメントの活動をしつつ、自然との繋がりを深める暮らしの実践中。心はいつでも旅人のままであり、自由と安定のバランスを模索する日々。 Instagram

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