啓蟄(けいちつ)の二十四節気発酵レシピ│旬の養生野菜たっぷり!「春の発酵いなりずし」と「ウドとネギのぬた」

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2020年3月5日~3月19日は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」にあたります。二十四節気とは、古代中国から伝わった、1年間を約15日間に分けて24等分した暦です。
前回の「雨水(うすい)」は、二十四節気の二番目の節気で、草木が芽吹き始める時期を告げてくれました。今回ご紹介する「啓蟄」は、雨水の次の節気で、二十四節気の三番目にあたります。啓蟄とは、どのような時期で、どんな食べ物が旬を迎えるのでしょうか? 啓蟄におすすめ養生野菜を使った発酵レシピと合わせてご紹介します。

啓蟄発酵レシピ①:春の発酵いなりずし
啓蟄発酵レシピ①:春の発酵いなりずし

啓蟄(けいちつ)とは

啓蟄とは、土壌の温度が上がってきて、冬の間、寒さをしのいでいた虫や植物たちが、いよいよ活発に動き出す季節です。
春一番が吹き、「木の芽起こし」と呼ばれる春の雨が降って、まずは、植物の温かい根の部分に隠れていたさまざまな虫たちが、元気になってくるでしょう。そして、地中の動植物たちも活発に活動を始めます。
よもぎ、つくしも芽を出し始める頃で、1年を通しての行事や農作業の始まりにふさわしい季節となります。
それに伴い、私たちの肉体も活発になり、朝の目覚めが早く、昼もいきいきと活動しやすい時期になります。

つくしも芽を出し始める頃、啓蟄
つくしも芽を出し始める頃、啓蟄

啓蟄(けいちつ)の旬野菜

この頃の旬のお野菜は、苦みを含むものが多く出回ります。ふきのとうやウドなどの山菜は、体の毒素を外に出す効能があります。春ならではの苦味を楽しみながら、冬の間にため込んだ余分なものを排出して、体を整えていきましょう!

啓蟄におすすめの旬の養生野菜

よもぎ、落花生、カリフラワー、ふきのとう、せり、玉ねぎ、もやし、生姜、せり、ウド、ふき、タラの芽、こごみ、ワラビ、ブロッコリー、キャベツ、水菜、セロリ

啓蟄の時期におすすめの料理・伝統食・行事食

啓蟄の時期におすすめの料理・伝統食・行事食
啓蟄の時期におすすめの料理・伝統食・行事食

啓蟄におすすめの季節の食事にはどのようなものがあるのでしょうか。

お事汁(おことじる)

この季節に収穫できる根菜(あずき、くわい、にんじん、大根、ごぼう、さといも)6種の食材で作った汁物で、旧暦12月8日、2月8日の「事八日」(ことようか)に、無病息災を祈って食べられていたようです。
古くから、2月8日と12月8日は、事を始めたり納めたりする「事八日(ことようか)」と呼ばれ、針供養を始め、様々な行事が行われてきました。この事八日の2日間は、「事始め・事納め」とも言われ、神様をお祭りする日でもあります。
そんな日にいただくお事汁は、旬の野菜たっぷりで、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富。春を迎えるために体の準備を整えるのにぴったりのメニューといえるでしょう。

山菜料理

この時期に取れる山菜をたくさん使った山菜料理には、デトックス作用も。春に備えて心も体も身軽でいるために、啓蟄の時期には山菜料理を積極的にいただきましょう。

精進料理

2020年3月17日~23日の期間、春分の日を中日として前後3日を含む計7日間は春のお彼岸です。お彼岸には、お肉やお魚を使わない精進料理を食べる風習があります。精進料理は、野菜や山菜だけで作られるため、下準備や調理に手間暇がかかります。お彼岸に精進料理を食べるのは、「手間暇かけて精進料理を作ることが、現世での修行になる」という意味合いがあるのだそうです。

啓蟄発酵レシピ①:春の発酵いなりずし

啓蟄発酵レシピ①:春の発酵いなりずし
啓蟄発酵レシピ①:春の発酵いなりずし

いなり寿司のお揚げの材料(8個分)

・油揚げ 4枚
・A
醤油麹 大さじ2
水 200ml~
しょうが 厚切りスライス2枚

いなり寿司のお揚げの作り方

1. 油揚げを半分に切り、破れないようにやさしく内側をはがし、袋状にする。
2. フライパンにAを全て入れ火をつけ、沸騰したら弱火にして10分。
3. 10分たったらひっくり返して5分。(お揚げ全体に味をいきわたらせるため)
4. 煮汁がほぼなくなったら完成。

いなり寿司の酢飯の材料(8個分)

■すし酢
・米酢 100ml
・みりん 20ml
・塩麹 大さじ1

■発酵玄米酢飯
・発酵玄米 1.5合
・すし酢 50ml
・白ゴマ 大さじ2

いなり寿司の酢飯の作り方

1. すし酢の全ての材料を小さい鍋に入れ、みりんのアルコールを飛ばし、酢をやさしく落ち着かせるために沸騰させて完成。
2. すし酢と発酵玄米、白ごまを手早く混ぜて酢飯完成。

いなり寿司に乗せるトッピング

・桜でんぶ(市販のもの)
・塩麴錦糸卵
・まいたけ佃煮
・ラディッシュ
・スプラウト
・紫キャベツのザワークラウト

塩麹錦糸卵の材料

・塩麹錦糸卵 
・玉子 2つ
・塩麴 小さじ1

塩麹錦糸卵の作り方

ふたつの材料をかき混ぜ、うすい丸形の玉子を2枚焼き、細く切る。

まいたけ佃煮の材料

・まいたけ 半株 乱切り
・生姜 1かけ 千切り
・ごま油 大さじ1 
・醤油麹 大さじ1

まいたけ佃煮の作り方

生姜をごま油で炒めて香りを出し、まいたけと醤油麹を入れてさらに炒めて完成。

春の発酵いなりずしの盛り付け方

準備が整ったら、お揚げに酢飯を詰めて、上にトッピングを飾りましょう。
トッピングは大皿にあらかじめ用意しておいて、ご家族、お子様と一緒に盛り付けると、もっと楽しい時間になりそうですね!

啓蟄発酵レシピ②:ウドとネギのぬた

啓蟄発酵レシピ②:ウドとネギのぬた
啓蟄発酵レシピ②:ウドとネギのぬた

「ぬた」とは、高知県の伝統料理とされる、酢味噌和えの料理のこと。ぬたに和える食材として、ネギ、ウドのほかにも、わかめや小松菜、イカやまぐろなどもおすすめです。

材料

・うど 1本
・ねぎ 2本(青い部分を除く)
・A
白みそ 大1
純米酢 大1
塩麹 大1

作り方

1. ネギは青い部分を取り除き、斜めにスライスしていく。
2. フライパンに水大1と塩こうじ大1/2、ネギを入れフタをして蒸して火を入れる。
3. ウドは根から皮をむき、たてに半分切った後斜め切りでスライス。
4. Aの材料を全て混ぜておく
5. ボウルにネギとウドを入れ、Aを全体的に和えて完成。

ポイント

ウドは変色しやすいので、もし翌日に召し上がる場合は、変色防止として、水200mlに酢小さじ1ほどを入れた酢水にさらすのをおすすめします。

啓蟄に、旬の養生野菜を楽しみながら、春を迎えて

桃の節句も過ぎ、いよいよ芽吹きの季節です。3月17日からは、春のお彼岸も控えています。大地の恵みに感謝し、殺生を避けた精進料理をいただいてみてはいかがでしょうか?
山菜などの苦味の野菜も旬を迎えます。この季節にしか味わえない春の味を楽しみながら、迎春に向けて体を整えていきましょう!

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