大雪:発酵ワクワク大使の二十四節気のお話

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東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんに、「大雪(たいせつ)」について聞きました。


2017年の二十四節気「大雪(たいせつ)」はいつ?

2017年の「大雪」は12月7日です

冬の植物

曇天の雪、気は陰に極まりゆく。

いよいよ真冬の様相を呈してまいりました。
一年を一円として捉える『太陽系時空間地図 地球暦』という円形カレンダーでは、時計の12時から6時までの縦のラインは「日照時間」を表しています。

6時を指した時計

6時の位置は「冬至」。北半球では一年で最も太陽の力が弱まる陰の極みが「冬至」であり、冬至のひとつ前の時候、「大雪」は極陰に向かっていきます。

「大雪」は、早めの新酒が出来上がり、酒屋に杉玉が出始める時期

杉玉

冬の収穫物である米、豆、そばなどの穀類も、新誉祭(※)を経た今時分になると栄養分も熟成され、おいしさが増していきます。

(※)新誉祭:にいなめさい。稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する古くからの祭儀。明治以降は11月23日に固定され、現在この日は「勤労感謝の日」とされている。

立冬あたりから始まった酒造りも、早いものはそろそろ出来上がり、その合図に酒屋では杉玉が飾られ始めるころでしょう。
新酒を祝うボジョレーヌーボー解禁日の祝宴があるので、日本酒の新酒を祝う祝宴日というのもどこかであるのかもしれませんね。縁のある蔵や地元の蔵の方々とともに、「実り」と「醸し」という自然と人との調和を感謝し、祝い合うのもいいですね。

「大雪(たいせつ)」に気を付けるべきこと

「大雪」は、黒い食べ物、貝類、クルミなどで補腎につとめて

生カキ

冬は、山野でも草木は枯れ、越冬できなかった獣も朽ち果て、人も「腎」の気が弱まり、死が意識される季節でもあります。
腎の気が弱まると、老化が進み、免疫力が下がり、抜け毛や白髪も増え、肌のハリも失われてしまいます。
よって、冬は備えることが最も大事だと言えるでしょう。
滋養のある山野の根菜(根菜の食物繊維は腸の善玉菌にとってのご馳走です)や、黒い食べ物、海のミネラル豊富な貝類などをいただき、補腎につとめましょう。
また、クルミも腎を補う食材で、油分が体を潤し、脳の潤滑油となります。クルミと黒豆味噌と甘酒を練り合わせたくるみ味噌と蒸し野菜の組み合わせもおすすめです。

「大雪」は、粘膜を潤す食養生(柚子、ハチミツ、ネギ、大根、レンコン)などで風邪を予防して

蜂蜜をすくっているところ

空気はなおも冷たく乾き、万病のもととなる風邪の菌もその字の通り乾いた風に乗り邪気をはらんで運ばれてきます。
乾いた粘膜から風邪の菌は体内に入りこもうとするので、粘膜を潤す食養生、ゆず、ハチミツ、ネギ、大根、レンコン、カキを意識して摂るといいでしょう。

「大雪」は、煎り玄米入りの白湯「湯斗(ゆとう)」が目覚めを助ける

玄米

朝起きてこわばった体にはなんといっても白湯。
就寝前、魔法瓶に湯と煎り玄米を入れて枕元に置いておけば、朝には良い香りの「湯斗(ゆとう)」と呼ばれる玄米茶のルーツでもある白湯の出来上がり。そのほのかな香りと滋味のある風味が、目覚めを助けてくれます。
ハッコラ的には麹を入れるのもおすすめです。

そして、朝目覚めたら、自然の風の音やお気に入りの音楽とともに、丹田やコアマッスル、腎を意識して腰をゆっくり回します。すると、腎に気も回るので、一日の始まりにピッタリです。

「冬至」の柚子湯に使う柚子は、「大雪」の内に準備を

柚子がなる木

さて次は、一年も締めくくりの時候である冬至です。
冬至の柚子湯に使う柚子は、この大雪の内に用意をしておきましょう。庭に柚子の木がある豊かな人は、その豊かさを庭のない方におすそ分けすると、より豊かな年の瀬が過ごせることでしょう。

【大雪】に食べたい発酵レシピ『塩麹鱈(たら)のかぶら蒸し すんき漬けあんかけ』

発酵ワクワク大使・鈴木さんがお届けする今回のレシピは、『塩麹鱈(たら)のかぶら蒸し すんき漬けあんかけ(レシピページにリンク)』です。

塩麹鱈(たら)のかぶら蒸し すんき漬けあんかけ


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