2019年、福岡県糸島市ではじめて行われた発酵イベント「発酵フェス糸島vol.1」は2日間に渡り、予想を超えたご来場者を呼び、素晴らしいイベントとなりました。(詳細は「九州の発酵が勢ぞろいした活気あふれる2日間「発酵フェス糸島vol.1」」)
あれから約半年、同イベントの実行委員長・かねやまたかこさんが、塩と発酵の店「かもすてらす」をオープンされると聞き、お話を伺いました。
新店舗「かもすてらす」は趣のある古民家風の外観
新規オープンおめでとうございます。福岡県糸島市の塩と発酵の店「かもすてらす」について教えてください。
以前からわたしは、体に有益な菌たちを活用したファスティングを「甘酒ファスティング施設『セルラボ糸島』」という場所でご提供しています。
甘酒や納豆、味噌や醤油などこだわりの発酵調味料を使って準備食をご用意したり、玄米菌や納豆菌といった体に良い菌も使って、食事だけではなくスキンケアにも活かすなど、菌を活用する学びのカリキュラムもご用意し、ファスティング期間を有意義にお過ごしいただくようにしています。わたし自身が菌や発酵といったものに助けられてきた実践者であるからこそ、お伝えできることがあると思っています。
塩と発酵の店「かもすてらす」店内
その一方で、現実には生きた発酵食品ほど手に入りにくかったり、ファスティングにご参加くださったお客様もなかなか買えないからと言って食の改善が継続しにくい方が多いことを残念に感じていました。
しかし、多くの方にサポートいただいて今年の4月に「発酵フェス糸島」を開催した際、発酵食を求めてご来場くださる方の多さに、需要の高さを感じました。そこで、本物の調味料がいつでも手に入りやすい環境づくりをしたいという思いが強まり、今回のお店「かもすてらす」に至ります。
せっかくなら直接、生産者さんから取り寄せて販売することなどにもこだわって品選びをしました。もちろん「セルラボ糸島」でファスティングされた後にも安心してお使いいただけるものばかりを揃えましたので、両店が、より多くの方の健康づくりに役立てていただけると思っています。
「発酵美人パン」と「明太フランス」
収穫後48時間以内にコールドプレスした、
フレッシュなポリフェノールたっぷりの「CoRicco」さんのオリーブオイル
ブラジル自然栽培プラヴィダカカオと種子島無農薬黒糖のみで作られた
「ミノリ・アン」さんのハンドメイドチョコレート
ただ、あまり難しく捉える必要はなく、気軽にお立ち寄りいただきたいと思っています。発酵や健康について、興味はあるけど日々なかなか情報が追いつかないなど、思いに反してこだわりきれない人も多くいると思いますので、そういう方こそ気軽に立ち寄って、何かピンときたものを手にしていただけたら嬉しいですね。実際わたしの身近にも、小さいお子さんがいるからこだわりたい、とか、ご自身やパートナーの健康に気をつけたい、といった潜在的な思いは強くあるものの、現実はみんなすごく忙しくて、自分自身のやりたいことこそどんどん後回しになるものですよね。
発酵が好きな人や健康になりたい人はもちろんですが、「なんとなく」というくらいの方にこそ来ていただけたらと思っています。
これからどんな展開を迎えるのか、大きな可能性を秘めた場所になりそう
「かもすてらす」という名前もすてきですね。
「醸して照らす」場所になれたら、という願いを込めました。以前「発酵は最終的に光に変わる」という考え方を聞いたことがあり、ならばその光を身にまとい、周囲を照らすことができたら、と考えました。さらにそんな光の存在がたくさんいたら、日本も地球ももっともっと良い場所になるのではないかとの思いから生まれた店名です。
そもそも発酵調味料も、ただの調味料という考え方ではなく、それが自分の体をつくる素材になっているという考え方を広めたいんです。お醤油もお塩も、食事のたびに小皿に取り出して、その時に使いきれなかったら捨てる人も多いかもしれないのですが、体をつくる材料だと思ったらその習慣も変わると思うんです。そのとき使う分だけ大切にするし、もしも余ったら次の調理に活かす。ココナッツオイルだってスプーンに残った分を洗い流す前に肌に塗るとか、はちみつや甘酒も、皮膚の炎症を抑える使い方だってできるものです。料理に使うだけの調味料、という狭義な枠組みは一旦忘れて、もっと身近で、広く私たちのためになるものだと考えてもらえたら、無駄にする人は減り、資源も大切にされると思います。
糸島産だいだい果汁をたっぷりと絞り込み熟成させた「マツフジ醤油」さんの「ぽんずしょうゆ」。
鍋物はもちろん、サラダ、焼魚などにも
福岡県嘉麻(かま)市「うまし・杜」さんの「小次郎柿酢」は、
無農薬・無肥料の自然におまかせで栽培された柿を伝統の静置発酵により長い時間と手間をかけて作られた柿酢。
発酵後90日間熟成という現代のお酢づくりではほとんどみられなくなった伝統の手法が守り抜かれている
そうしたユーザーの心持ちは、生産者への信頼に繋がるんです。生産者さんが日々の作業を続けられる安心感、広い意味で言えば、作り手の生活を照らす光の存在になれる。これもまた、醸したものによって、その人の体も心も、光が満ちることなんじゃないかと信じています。
塩と発酵の店「かもすてらす」
開店後はどんな予定が決まっていますか?
週末を中心に、ゲスト講師をお呼びしたワークショップを開催していく予定です。発酵や健康に特化した学びを少しずつ積み重ねていく場ですので、どんな方も参加しやすい場作りを考えています。それと、糸島市内で行われる予定のマルシェやフェスにも出店したいと思っていますし、また2020年の4月には「発酵フェス糸島」の2回目が開催できるよう今から準備も始めています。随時SNSなどで発信していきますので、どうぞ「かもすてらす」の今後にご期待ください。
「初心者でも安心【失敗知らずのぬか床作りワークショップ】」、「日本酒×発酵おつまみを楽しむ会」、
「東洋医学の原理を知ろう&経絡調整簡単セルフケアワークショップ」などが開催予定
ショップデータ
塩と発酵の店「かもすてらす」
〒819-1626 福岡県糸島市二丈波呂748(map)
電話 050−1033−6618
(ウェブサイトは近日公開予定)
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