ブルガリアといえばヨーグルト! ヨーグルトの本場・ブルガリアでは、砂糖を加えて甘いデザートとして食べるよりも、塩で味付けしてお料理に使うことが多いそうです。でも、ヨーグルトを使った料理ってどんなもの?
というわけで、東京・八重洲にある、日本唯一のブルガリア料理専門店「ソフィア」(現:「ブルガリアンダイニング トロヤン」)を訪れました。ここは、本格的なブルガリアの郷土料理が楽しめる、ブルガリア大使館公認のお店です。
店長の重久さん、副店長の深谷綾乃さんにブルガリア料理の特徴や、ブルガリアの食文化などについて詳しくお話を伺いました。
■ヨーグルトづくし!? ブルガリアの定番料理
まずは、ブルガリア郷土料理の定番を4品ご紹介いただきました。
・スネジャンカ
価格:940円(税込)
水気を切ったヨーグルトにキュウリのみじん切りとディルを混ぜ合わせ、クルミをのせた「スネジャンカ」。まるでクリームチーズのように、さっぱり&クリーミーな味わいで、キュウリのシャキシャキ感とディルの爽やかな風味がアクセントになっています。パンや野菜につけていただきます。
「ヨーグルトを水切りしただけでもチーズのようになり美味しいですよ。ザルにガーゼを敷いてヨーグルトを入れて、乾燥しないようにラップをかけて、冷蔵庫で一晩置くだけと簡単です。ぜひ、ご自宅でも作ってみてください」と、重久さん。
・サルミ
価格:1,500円(税込)
ブルガリアのロールキャベツ「サルミ」。熱々のトマト&ヨーグルトのソースでいただきます。こっくりとしていながら、後口はあっさり。
・ソフィア風オムレツ
価格:1,300円(税込)
スペイン風オムレツのように、卵にじゃがいも、ほうれん草、豚肉、玉ねぎなど具をたっぷり混ぜ込んでふんわり焼き上げ、ヨーグルトソースをかけて仕上げた「ソフィア風オムレツ」。ヨーグルトソースはコクがあるのにすっきり軽やかです。
・カヴァルマ
価格:M1,800円/L3,600円(税込)
ヨーグルトは使っていませんが……、ブルガリアの家庭の味といえば「カヴァルマ」! 豚肉とタマネギ、トマト、ピーマンなどの野菜をワインで煮込み、卵をのせてオーブンで焼いています。半熟卵を潰して混ぜながら食べると、卵の甘さとコクが加わり美味!
■食欲増進にぴったり!塩味のヨーグルトスープ「タラトル」の作り方
自宅でもブルガリアのヨーグルト料理を作ってみたい! ということで、重久さんに、簡単に作れるヨーグルトの冷製スープ「タラトル」のレシピを教えていただきました。
「タラトル」の作り方
材料(4人分):
ブルガリアヨーグルト:180g
牛乳:60ml
水:120ml
キュウリ:1/2本
クルミ:5g
ディル:小さじ1
ニンニク:適宜
塩::小さじ1/3
バジルオイル:適宜
1、ブルガリアヨーグルトに、5mm角に切ったキュウリ、細かく刻んだクルミ、すりおろしたニンニクを加え混ぜる。
2、1に水、塩、コショウ、ディルを加え味を調える。
3、2を器に盛り、お好みでバジルソースをかけて完成。
「塩味のヨーグルトスープで、ブルガリアの夏の定番料理なんですよ。さっぱりしているので食欲がない時にもおすすめです。ディルが入っていて食欲増進にも効果的です」と重久さん。
試食させていただくと、ヨーグルトの程よい酸味の中に、クルミの甘さとコク、キュウリの爽やかさ、ディルの風味が効いていて……、クセになりそうな味でした。
■本国から取り寄せた乳酸菌で作るブルガリアヨーグルトを使用
ひとことにヨーグルトといっても、ブルガリアやカスピ海など産地によって特徴が異なります。それもそのはず、地域によって、生息する乳酸菌が違うからです。
「ソフィア」で使っているのは、ブルガリア本国から取り寄せた乳酸菌で作るヨーグルト。食べごたえはしっかりしていながら、まろやかな舌触りで程よい酸味が特徴的です。「日本に来ると菌が変化してしまうため、定期的に菌を取り寄せて作っているんですよ」と深谷さん。本場の味にこだわったヨーグルトを使っているんですね!
ところで、ブルガリアではヨーグルトをどのくらい消費しているのでしょうか?
「1食で1パック分(約500g)くらいのヨーグルトを使っているのではないでしょうか。ブルガリアの家庭では、日本でいう味噌みたいに、冷蔵庫にいつもヨーグルトを常備しています。ただし、ほとんど手作りはしませんね。ブルガリアヨーグルトの菌は温度管理が難しく、家庭で手作りするのは難しいのです」と深谷さんは教えてくれました。
■有名な長寿の町もあるブルガリア!健康の秘訣はヨーグルト?
ブルガリアには、長寿で有名な地域があります。ギリシアとの国境近くの山岳地帯・スモーリャン地方です。この辺りでは、手作りヨーグルトや野菜をふんだんに使った郷土料理が食べられているそうです。
また、ブルガリアでは朝ごはんをしっかり食べて、昼ごはんは軽く、夜ご飯はさらに軽く済ませるのだそう。
長寿の秘訣はヨーグルトと、食のスタイルにあるのかもしれません。
「ソフィア」の店内は、ブルガリアの織物や絵画などが飾られていて異国情緒たっぷり。所々にバラがあしらわれているのも印象的です。でも、なぜバラなの?
「ブルガリアは“バラの国”と呼ばれているんですよ。バルカン山脈の麓にある“バラの谷”で作られる香油は世界シェア45%といわれています」と、深谷さん。
「ワインも名産なんですよ。ブルガリアワインは、マヴルッドという品種ブドウを使っていて、スパイシーでパッキリしていてたくましい味がします。日本ではあまり知られていませんがその歴史は古く、古代トラキア人がつくったのが始まりだと伝わっています」と、重久さん。
ブルガリアの調度品やバラに囲まれて、旅行気分で、本場の郷土料理とブルガリアワインを楽しんでみてはいかがでしょう。
教えてくれた人
ブルガリアンダイニング ソフィア 店長・重久公見さん(右)、副店長・深谷綾乃さん(左)
【店舗情報】
ブルガリアンダイニング ソフィア(現:「ブルガリアンダイニング トロヤン」)
ブルガリアンダイニング トロヤン
住所:東京都中央区銀座一丁目9番5号 ホテルユニゾ銀座一丁目1階
営業時間:7:00~23:00(料理L.O.22時、ドリンクL.O.22時30分)
TEL:03-6264-4844
※上記に移転となりました
〒104-0028
東京都中央区八重洲2-5-12 プレリー八重洲ビル2F
営業時間 11:00~15:00(土・祝11:30~)/17:30~23:00(土・祝~22:00)
※ラストオーダーは閉店の60分前
定休日 日曜
公式サイト http://www.sofia2006.jp