二十四節気レシピ

2018年01月20日

冬の土用がうなぎの旬!?「大寒」にこそ養生食を:発酵ワクワク大使の二十四節気のお話

東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんに、「小寒(しょうかん)」について聞きました。


2018年の二十四節気「大寒(たいかん)」はいつ?

2018年の「大寒」は1月20日です

大寒の雪景色

1年で最も寒い、冬の土用。春への準備の心がけを

寒さも極まって参りました。大いに寒いと書いて「大寒」。インフルエンザの流行や、そのための学級閉鎖なども多い時候です。
ですが、寒さのピークを越えれば、徐々に暖かい春に近きます。峠を越えるまであと少しといったところでしょうか。

二十四節気をちょっとおさらい

ここでちょっとだけ二十四節気をおさらいしましょう。

12の「中気(ちゅうき)」+12の「節気(せっき)」=二十四節気

二十四節気とは、1年の春夏秋冬を、12の「節気(せっき)」と12の「中気(ちゅうき)」に分類したものです。

「中気(ちゅうき)」とは?

「中気」とは、二十四節気の偶数番目のものです。
冬至・大寒・雨水・春分・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪の12の時候が中気にあたります。

中気(ちゅうき)の「夏至」と「冬至」の二至(にし)

中気の中でも重要なのが、冬と夏が極みに達する「冬至(北半球では昼が最も短い日)」と「夏至(北半球では昼が最も長い日)」です。この2つの時候は「二至(にし)」と呼ばれます。

中気(ちゅうき)の「春分」と「秋分」の二分(にぶん)

もうひとつ中気の中で重要なのが、「春分」と「秋分」です。この2つは、ともに「昼と夜の長さの等しい日」となります。この2つの時候は「二分(にぶん)」と呼ばれます。

夏至と冬至の「二至(にし)」、春分と秋分の「二分」を合わせて「二至二分(にしにぶん)」

中気の夏至と冬至の「二至」、春分と秋分の「二分」を合わせて「二至二分(にしにぶん)」と呼ばれます。

「節気(せっき)」とは?

「節気」とは、二十四節気の奇数番目のものです。
立春・啓蟄・清明・立夏・芒種・小暑・立秋・白露・寒露・立冬・大雪・小寒の12の時候が節気にあたります。

節気(せっき)の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の四立(しりゅう)

その中でも重要なのが、季節の始まりを表わす「立春」「立夏」「立秋」「立冬」です。この4つの時候は「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

「二至二分(にしにぶん)」と「四立(しりゅう)」を合わせて「八節(はっせつ)」

中気の二至二分(夏至・冬至・春分・秋分)と節気の四立(立春・立夏・立秋・立冬)を合わせて「八節(はっせつ)」と飛ばれます。


「土用(どよう)」とは?

節気の四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前の18日間は「土用(どよう)」と呼ばれます。春夏秋冬それぞれの季節が始まる前の準備期間に充てるのがふさわしいとされます。
うなぎをいただく「夏の土用」は有名です。

「節分(せつぶん)」とは?

節気の四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前の土用の最終日(土用明け)は「節分」と呼ばれ、「季“節”を“分”ける日」とされます。
立春前日の冬の節分は、豆まきなど悪鬼を払う行事として有名です。

「大寒」は冬の土用の真っただ中

大寒の大雪

2018年、冬の「土用の入り」は1月17日、土用の明けが2月3日

宇宙船地球号、太陽黄経の運行は、小寒→大寒→立春と続きます。
暦に馴染みのある方なら、立春前の18日間は冬の土用、と自然なリズムに乗れているかと思います。夏のダイナミックなリズムとは違い、春の開きを前にした小さな胎動のようなリズムが感じられますね。

2018年の「冬の節分」は2月3日です

節分 恵方巻と豆

冬の土用の最終日(土用明け)にあたる冬の節分は、4つの節分の中でも最もフォーカスされていますね。
2018年の立春は2月4日なので、その前日の2月3日が今年の冬の節分です。

冬の節分に飲みたい『福茶(ふくちゃ)』

冬の節分は、鬼は外!福は内!と豆をまいたり、恵方巻きにかぶりついたり、『福茶』という縁起物のお茶を飲んだりする風習があります。
福茶とは、梅干しや塩昆布、豆まきに使った豆を三粒ほど入れたお茶です。1年の無病息災をお祈りしながら飲むと良いでしょう。

冬の節分には豆がいっぱい!

冬の節分に豆を重用するのは、「魔(ま)」を「滅(め)」っするところから由来しているとする説もあります。まめまめしく春の芽吹きへの準備をすること、タンパク質という血肉をつくる滋養が豊富な豆で心身の英気を補うこと、そんなところから来ているのかもしれませんね。そして、どれも福を願うものばかり。
季節の分かれ目であり、新しい年の始まりでもある冬の節分。「今年も、今年こそは! 良い年でありますように」と願う人の心と、寒い冬を乗り越えるための気を奮わせてくれますね。

2018年は、2月4日に「立春」、2月16日に「旧正月」が訪れる

旧正月

2018年の今年は、2月4日に「立春」という新しい春の始まりを迎えます。また、新しい始まりの節目「旧正月」もこの頃に訪れます。
旧暦の年明け「旧正月」は、冬至から2回目の新月の日とされています。
太陽の暦である二十四節気と、月の暦である朔弦望(さくげんぼう)とは毎年すれ違いながら時を重ねていきます。だいたい、大寒から立春の間の新月に旧正月がやってくるようになっています。
今年の旧正月は2月16日です。中国や台湾などでは年末年始のお休みの時期なので、現地へのご旅行を考えている方や、現地にご友人がいらっしゃる方は、「春節(旧暦の元旦)」という文化を心に留めておくと良いでしょう。
ざっと、小寒→冬の土用→大寒→節分→立春→旧正月、といった時系列をご紹介しました。
立春と旧正月については次回お話しするとして、今回のメインのお話、大寒・冬の土用に戻ります。

うなぎがおいしいのは、夏の土用ではなく冬の土用!?

うな重

冬の土用の食養生を考えると、うなぎの旬は、本来うなぎに脂が乗っているこの時期です。夏にうなぎが売れないため、江戸時代の多彩な文化人・平賀源内さんによって、夏の土用のキャンペーンとして土用の丑の日のうなぎが定着したと言われています。
冬の土用の食養生は、うなぎの他にも、さといもやレンコン、ニンジン、大根などの根菜類があります。また、山野の野草の根はさらに滋味深いものです。多年草の葉が落ち、新しい芽吹きの春に向けて山の養分をその身に蓄えているやまいも(漢方では山薬とよばれるほど栄養豊富)、ウコギ科の朝鮮人参、エゾウコギ、蔓人参(ツルニンジン)などの山根も良いでしょう。蔓人参は何十年ものの大株もあり、医食同源の大陸の国々では数百万円の高値で取引されることもあるそうです。
風邪でのどや鼻の調子が悪くなるこの時期は、喉鼻に良いとされるレンコンもオススメです。大根を葛粉のでんぷんで固めた大根餅を金柑のシロップで甘くおやつのようにいただくのも良いでしょう。

冬の土用は、心の養生こそが最も大事

ここまでは、心身のうち「身」の部分の土用養生についてお話しいたしました。ここからは「心」についてお話します。
冬の土用は、心の養生こそが最も大事なのではないかと考えております。1年を陰と陽に分けると、活動的な春分から夏至、そして秋分までの上半期が、肉体的に活動的な「陽の時期」。一方、秋分から冬至、春分までの下半期は、肉体的には「陰の時期」といえるでしょう。
しかし、体は活発ではありませんが、そのぶん、精神的な活動に適した時期ではないかと思います。自然界の動物も巣穴に籠るように、人間もまた家に籠り、来たる上半期のために、思案、思索を重ね、仕込みを続けることが大切です。

みなさまは、どのような思案に思索を重ね、仕込みをしていかれますでしょうか? 今年はどんな種が芽吹き、育ち、花が咲き、どんな実を結ぶのか。今年の冬の土用はそんなことを意識しながら、節分に豆を蒔くのも良いでしょう。みなさま方に福が多からんことをお祈り申し上げます。福は内!

【大寒】に食べたい発酵レシピ『ラムと下仁田ネギの酒粕シチュー』

発酵ワクワク大使・鈴木さんがお届けする今回のレシピは、『ラムと下仁田ネギの酒粕シチュー(レシピページにリンク)』です。

ラムと下仁田ネギの酒粕シチュー


鈴木大輝

鈴木大輝

1979年、鎌倉に生まれ育つ。幼少期より韓国人の祖父母にキムチ作り、鶏の締め方など手ほどきを受け、20代の頃にタイ、ラオス、インド、ネパールなどへバックパッカー料理修行に出た旅の果てに、地元鎌倉で「発酵コリアンカフェもわ」を開店。5年の期間満了後、カフェカンパニー㈱から依頼を受け、表参道に「発酵居酒屋5」をプロデュース。料理教室、講演、イベント出店、メニュー開発、飲食店プロデュース仕事に「発酵」という命の循環を意識することで、健康的でワクワクした生活を提案しています。また、「先祖代々子々孫々、世界に平和の輪を作ろう」をテーマに、唄い手、楽隊、踊り子総勢30名からなる、「イマジン盆踊り部」という祝祭空間クリエイティブチームにて、日夜おめでたい空間作りをしています。イマジン盆踊り部 発酵大使のわくわく見聞録 発酵居酒屋5 yukikoji

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