1月23日(火)に「木桶職人復活プロジェクト」に参加されていた、「足立醸造株式会社」工場長の足立裕(あだち ゆたか)さんにお話をうかがいました。
「足立醸造株式会社」工場長 足立裕さん ※足立醸造株式会社Facebookページより
足立醸造株式会社さんのご紹介
創業当時より受け継がれる吉野杉の木桶で熟成された、足立醸造の醤油・味噌
兵庫県奥播州で130年以上、安心でおいしい醤油・味噌を製造している蔵元『足立醸造』。足立醸造のこだわりは、「国産、有機原料を使用した製品づくり」、「完全自社製造」、「創業当時より受け継がれている吉野杉の木桶での熟成」です。
また、足立醸造は、地産地消にいち早く取り組み、数少ない有機JAS認証蔵としても知られており、2013年7月には本格的にEUへの輸出を開始しました。
足立醸造株式会社さんの投稿 2017年9月22日(金)
足立醸造は、小麦や大豆を処理するところから自社工場で製造している数少ない醤油メーカー
「約80%以上の醤油メーカーが大手企業に醤油をつくってもらう“委託製造”で醤油をつくっています。そんな中、足立醸造は小麦や大豆を処理するところから自社工場で製造している数少ない醤油メーカーです。安全な原材料を使用することはもちろん、最初から最後まで手をかけて醤油、味噌を製造することにポリシーをもっています。味は食べていただければ納得していただけると思います」(足立さん)。
「足立醸造株式会社」工場長 足立裕さんにお話を伺いました
醤油屋に生まれた私にとって、木桶のある風景は当たり前の光景。しかし、それは一般的ではないことを知る
※足立醸造株式会社Facebookページより
「木桶職人復活プロジェクトへの参加は今年で4年目になります。ヤマロク醤油さんの取り組みは同じ木桶を扱う同業者として本当に頭が下がります。
醤油屋に生まれた私にとって、木桶のある風景は日常で当たり前の光景でした。大学を出て実家に就職、業界を知って初めて、“木桶で醸す醤油は一般的ではない”ことを知りました。そして、木桶職人がいなくなるので木桶がなくなるかもしれない、ということも。
危機を感じていたころに、ヤマロク醤油さんの『木桶職人復活プロジェクト』を知りました。ヤマロク醤油五代目の山本康夫さんにお誘いいただいて、2015年からこのプロジェクトに参加させてもらっています」(足立さん)。
プロジェクト参加者が、各自のフィールドで木桶文化継承のために活動。木桶の輪は、着実に全国へ広がっている
「木桶職人復活プロジェクトで小豆島に行くと、同じ目的を持った仲間にたくさん出会えます。醤油蔵元、日本酒蔵元、木桶職人、販売店、デザイナー、料理研究家、大学教授など…。そんな方たちと、1年に1度、小豆島という地に集合し、みんなで木桶造りに熱くなります。そして、みんなが各地へ帰り、それぞれのフィールドで木桶文化の復活に向けて活動を行う。この木桶の輪は、着実に全国へ広がっていると思います。」
足立さん(左)と「おかんの糀」小林よしみさん(右)
木桶を処分する蔵元が多い中、足立醸造は少しずつ木桶を増やしている
「足立醸造でも、“木桶仕込み”という自社の取り組みを一般消費者に伝える活動をしています。また、木桶を処分する蔵元が多い中、弊社は少しずつですが、増やしています。昨年は『木桶職人復活プロジェクト in 兵庫』として味噌製造用の木桶を新調しました。」
「秋の黒豆まつり+みりんと醤油の会+木桶職人復活プロジェクトin兵庫」の様子 ※足立醸造Facebookページより
足立醸造株式会社さんの投稿 2017年10月25日(水)
木桶と日々戯れ、格闘する毎日は、一醸造家として、とても“面白い”
木桶は日本の伝統的な発酵容器です。そして、ただ伝統があるというだけではなく、日々木桶を使っている醸造家の立場から見ると、木桶は“面白い”です。木桶それぞれに特徴があり、癖があります。そんな癖のある木桶と日々戯れ、格闘する毎日は、一醸造家として、とても“面白い”。
そんな木桶を、自分たちの子供や孫の代にまで残すために、地道ではありますが、木桶文化復活への活動を続けていきます。
足立醸造株式会社さんの投稿 2018年1月25日(木)
足立醸造
足立醸造オフィシャルサイト
足立醸造オンラインショップ
足立醸造Facebookページ
醤油職人インタビュー
【木桶職人復活プロジェクト】醸し人・繋ぎ人12名インタビューを読む
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