日本酒

2018年03月25日

発酵ワクワク大使・鈴木大輝氏と行く!寺田本家の蔵見学ワークショップレポート【前編】

ハッコラでも二十四節気レシピを連載している発酵ワクワク大使・鈴木大輝さんの案内で、2018年2月11日(日)に「寺田本家の蔵見学」が開催されました。発酵尽くしの1日ツアーの模様を2回に渡りレポートします。

発酵ワクワク大使・鈴木大輝氏と行く!寺田本家の蔵見学ワークショップレポート【後編】
お楽しみの持ち寄り発酵ランチタイムは、そそられる発酵食品満載の発酵づくし昼食♪


「みなとみらいごはん部」の課外授業は、千葉県香取郡神崎町の「発酵の里 こうざき」へ

横浜・みなとみらいのシェアスペースで開催されている、みなとみらいの食と人をつなぐ「みなとみらいごはん部」。その部活動内で、発酵ワクワク大使であり、「発酵居酒屋5」の料理長でもある鈴木大輝さんが、毎月1回講師を務めているのが「みなとみらい発酵部」です。発酵に興味のある参加者さんたちと、かぶら寿司や麹、キムチ作りなどのワークショップを開催しており、今回は第二期の卒業回として、課外授業が開催されました。

『香取』の30〜40日目のもろみを、柄杓から直に回し飲み

千葉県神崎町の酒蔵「寺田本家」24代目の寺田優さんをたずねて

場所は、みなとみらいを飛び出し、千葉県の「寺田本家」です。無農薬・無添加・生酛(きもと)作りという自然酒造りの第一人者である「寺田本家」の24代目を務める寺田優さんは、鈴木さんの発酵仲間でもあり、「みなとみらい発酵部」第一期の最終回に寺田さんがみなとみらいで講師をしたこともあります。そんな発酵がつなぐご縁から今回の課外授業が決定したそうです。

千葉県神崎町の酒蔵「寺田本家」24代目の寺田優<をたずねて

千葉県神崎町、発酵の町で発酵スポットを巡る発酵ツアーへいざ出陣!

部員の皆さんもこの日を楽しみにしていたようで、持ち寄りランチで食べる手作りの発酵料理を片手に、千葉県・下総神崎駅に集合しました。
千葉県香取郡神崎町は、発酵の町としても有名で、今回の課外授業も寺田本家さんだけではなく、さまざまな発酵スポットを巡る、発酵ツアーになっていたのでした。

寺田本家の酒蔵見学は、“普通じゃない”!

寺田本家に到着すると、まずは蔵を改造した広々とした部屋でひと休み。お茶とともに出された「仕込み水」は、日本酒を仕込む際に使う水で、酒蔵内の井戸水を汲んでいるそうです。雑味のまったくないすっきりとした味は、都内からの移動の疲れを優しくほぐしてくれます。

寺田本家の仕込み水

参加者は「発酵に興味がある」「発酵食品が好き」という共通点はありながらも、小さなお子さんから受験間近の学生さん、主婦、サラリーマンなど老若男女さまざま。総勢30人弱の大所帯です。

寺田本家の見学者

創業340年、寺田本家の自然酒は「本当の“百薬の長”となる日本酒を造ろう」という想いから現在に至る

全員が揃ったところで、最初に寺田さんが、寺田本家の歴史と寺田本家の日本酒の特徴についてお話しをしてくださいました。寺田本家の歴史は長く、創業340年!ですが、ずっと現在のような独特の日本酒づくりをしていたわけではなく、30年前に先代が「飲んだ人が元気になるような、本当の“百薬の長”となる日本酒を造ろう」と強い意志で、製造の方向転換をしたことから、現在の自然酒づくりが始まったそうです。

寺田本家・寺田勝さんと、発酵ワクワク大使の鈴木大輝さん
寺田本家・寺田勝さん(左)と、発酵ワクワク大使の鈴木大輝さん(右)

鈴木さんいわく「寺田本家さんは発酵ブームの立役者」。寺田さんは15年前に婿入りし、先代の元で一から酒造りを学んだそうです。

菌自体に良い・悪いはなく、全体の環境が整っていることが日本酒づくりとって大事なこと

お話を伺ったあとは酒蔵見学へ。ここで驚かされたのが、全員がコートもマフラーも着けたままの格好で蔵内のすべてを見学できたことです。
「腸内環境も、善玉菌だけじゃなくて、悪玉菌や日和見菌が必要ですよね。日本酒づくりも同じで、菌自体に良い、悪いというのはなくて、全体の環境が整っていることが大事なんです」と寺田さん。自然の力を信じる寺田本家の信条、ここにあり。鈴木さんも「寺田さんの何でも受け入れる広い心は本当にすごいですよね」と、あらためて驚いていらっしゃいました。

寺田本家の日本酒造りではあえて昔の道具を使う、その意味は?

寺田本家の酒蔵

寺田本家の木桶

作業に使う麻の布や大きな木桶はすべて日本の職人の手によるもの。昔から伝わる道具を使うことで、職人の技術を守っていきたいという思いがあるそうです。

製麹室の中は約33度、真夏も蔵人のこの環境で作業を。厳しい環境に酒造りの過酷さを思う

寺田本家の麹室

製麹室の中は約33度。湿度も高く、とても蒸し暑い環境ですが、真夏も蔵人の皆さんはこの環境で作業をするといい、酒造りの過酷さが伝わってきます。

寺田本家の酒母室で完成前の日本酒を味見

麹に蒸した米と水を加えて酵母を作る工程を行う酒母室へ。蔵の中に生息する菌や蔵付き酵母によって「酒母」を造っていきます。寺田本家の純米酒『香取』を造るための32日目の酒母を味見させていただきます。

寺田本家の純米酒『香取』を造るための32日目の酒母を味見

柄杓ですくい、その場で味見。甘さと酸味があり、甘酒やヨーグルトにも似た味わいです。米のざらっとした舌触りと、とろとろとした濃厚さは、酒蔵見学ならではのおいしさでした。

寺田優さんと鈴木大輝さんによる「酛摺り(もとすり)唄」披露!

ここでは、鈴木さんと寺田さんによる「酛摺り(もとすり)唄」の披露も。鈴木さんが参加する「イマジン盆踊り部」が手がけた2ndアルバム『Roots of 盆 music』にも寺田さんの歌は収録されており、ここでもお二人は息ぴったりです。
「ただ単調にかき混ぜるより、タイミングも合うし、お酒の子守唄として唄っています」と話す寺田さんご自身も楽しそう!

寺田優さんと鈴木大輝さんによる「酛摺り(もとすり)唄」披露!

もろみの味見はなんと回し飲み!

もろみ造りのタンクの見学

もっとも驚いたのは、もろみ造りのタンクの見学でした。1つあたり日本酒2,000本が作られるという巨大なタンクが並ぶ足場に、ハシゴを使ってタンクの中を覗き見ると、ふつふつともろみが発酵しているのが見えます。
そして『香取』の30〜40日目のもろみを、柄杓から直に回し飲み!どんな菌をも受け入れる寺田本家でしかありえない試飲タイムです。その美味しさも格別でした。

『香取』の30〜40日目のもろみを、柄杓から直に回し飲み

酒造りのほとんどの工程を寺田さんが丁寧に解説してくださり、酒蔵見学が終了。この後はいよいよお待ちかねの発酵料理と日本酒のマリアージュが楽しめるランチタイムです。

寺田本家の入口

発酵ワクワク大使・鈴木大輝氏と行く!寺田本家の蔵見学ワークショップレポート【後編】
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発酵居酒屋5
寺田本家
みなとみらいごはん部
みなとみらい発酵部
道の駅 発酵の里こうざき
イマジン盆踊り部

やまだ としこ

Yamada Toshiko

フリーライター。 衣食住の生活にまつわる原稿をWEBや雑誌で執筆。特にパンとお菓子の分野は作ることも書くことも得意。

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