薄くてパリパリ!ビールに合う♡「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ│マダム・フランソワーズのフレンチ発酵ライフ

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フランスの伝統的な発酵レシピや今話題の発酵食品事情などなど、“フランス流・発酵のあるくらし方”をお届けする連載『マダム・フランソワーズのフレンチ発酵ライフ』。発酵食品が大好きなパリ在住のマダム・フランソワーズに、日本でも今すぐ取り入れたい“フレンチ発酵ライフ”のコツを教えてもらいます。

専門店のオープンやビストロのメニューにも…じわじわと注目を集めるタルト・フランベ

フランス生まれのオニオン・タルト「タルト・フランベ(Tarte Flambee)」
フランス生まれのオニオン・タルト「タルト・フランベ(Tarte Flambee)」

第1回目の今回は、フランス生まれのオニオン・タルト「タルト・フランベ(Tarte Flambee)」のレシピをご紹介します。タルト・フランベが看板メニューの、パリ発ブーランジェリー・パティスリー「Maison Landemaine(メゾン・ランドゥメンヌ)」の日本2号店が東京・赤坂にオープンしたり、日本のビストロやワインバーのメニューでも見かけることが多くなったりと、じわじわと注目を集めているタルト・フランベ。

タルト・フランベは、玉ねぎやベーコンを乗せたものが王道

タルト・フランベは、玉ねぎやベーコンを乗せたものが王道
数人で分け合うアペリティフのお供としても人気のタルト・フランベ

ドイツ国境に近い、フランス・アルザス地方の郷土料理であるタルト・フランベは、おいしそうに焦げ目がついた玉ねぎやベーコンを乗せたものがスタンダードなお味。数人で分け合うアペリティフのお供としても人気の一品です。

チーズと生クリームを使わない、ヘルシーな「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ

伝統的なレシピではチーズと生クリームを使いますが、マダム・フランソワーズに教わった今回のレシピでは、それらの代わりに「ヨーグルト」を使っています。よりヘルシーな「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ、ぜひ試してみてくださいね!

庶民に愛される、フランス・アルザス地方の郷土料理、タルト・フランベ

フランス・アルザス地方の風景
フランス・アルザス地方の風景

古くなったパンの上に、自然発酵でできたクリームを塗って、具材を乗せて焼いたのが始まり!?

タルト・フランベは、アルザスで親しまれるフィンガーフード
タルト・フランベは、アルザスで親しまれるフィンガーフード

この料理はむかし、毎日焼きたてのパンを食べられなかった頃のアルザス地方の庶民が、古くなったパンを薄切りにして、その上に自然発酵によって牛乳の上層部にできたクリームを塗り、ベーコンと玉ねぎを乗せて焼いて食べていたのが始まり、などの説があります。その頃、家庭にオーブンなどはなく、2、3週間に1回という頻度で、かまどでパンを焼く習慣だったそう。

高温のかまどでさっと焼いて食べられるタルト・フランベ

タルト・フランベは、パンを焼く前の“おいしいお楽しみ”だった!?
タルト・フランベは、パンを焼く前の“おいしいお楽しみ”だった!?

ちなみに、フランベ(flambee)という言葉は、炎(flame)から生まれた動詞が形容詞になった言葉で、高温で焼く料理だということがわかります。パンを焼くには、かまどに薪を焼べて高温にしてから、適温に保つ必要があるのですが、そのかまどが熱くなった300~400℃くらいの間に、さっと焼いて食べられるこの料理は、パンを焼く前の“おいしいお楽しみ”だったに違いありません。

ピザよりライト感があるパリパリ食感のタルト・フランベは、ビールやワインを片手に

1960年代にイタリアからやってきたピザと共に大人気メニューとなり、今ではライン河沿いのアルザス地方、ドイツのバーデンあたりのご当地料理。楕円、または丸みを帯びた四角い形のタルト・フランベは、木製のまな板のようなプレートに載って熱々が運ばれてきます。
ブラッセリーや、ヴィンストゥブ(ワインバー)では、タルト・フランベを囲んで、ビールやワインを片手に楽しそうに飲んでいるグループをよく見かけます。ランチにも丁度良い、ピザよりライト感がある、アルザスのフィンガー・フードです。

薄くてパリパリ!ビールに合う♡チーズを使わない「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ

チーズを使わない「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ
アルザス地方の気さくな郷土料理、タルト・フランベ

アルザス地方の伝統的なレシピは、フレッシュなチーズ、フロマージュ・ブランと、同量の生クリームを混ぜて使いますが、今回マダム・フランソワーズが紹介するレシピは、日本でも手に入りやすいヨーグルトを使います。
ヨーグルトはご存知のように、牛乳に乳酸菌を加えた発酵食品で、カロリーも控えめにもなりますから、マダムのお気に入りなんですって !

材料:「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ

「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピの材料
塩、コショウをしたヨーグルトをタルト生地に伸ばしてから、ナツメグ少々、玉ねぎ、ベーコンを乗せていく

・250g程度のタルト生地(あるいは直径32cmの型を使う場合と同量のブリゼ生地)
・玉ねぎ 大1.5個(あるいは中2個)
・ベーコン 100g
・ナチュラルヨーグルト 125gx3個
・塩、コショウ、ナツメグ 少々

作り方:「ヨーグルトのタルト・フランベ」レシピ

1. ヨーグルトの水切りをする

ヨーグルトは必ずナチュラルを。マダム・フランソワーズは、新鮮な牛乳を使ってできているノルマンディー地方の農家製を使います。

タルト・フランベに使うヨーグルトは必ずナチュラルを
今回使ったノルマンディー地方の農家でできたナチュラルヨーグルト

ヨーグルトを小瓶から出して、木綿の布巾(もちろん、ハンカチーフ、紙製のコーヒーフィルターでも)をひいたザルに乗せます。

ヨーグルトの水切り
ザルの中に敷いたコットンの茶巾にヨーグルトを入れて…

軽く包んだ布巾の上からコーヒーソーサーなどの小皿で蓋をする格好で重しをします。この状態で、冷蔵庫で2時間水切りをします。

ヨーグルトの水切り
茶巾でヨーグルトを包んだ上から、小皿で重しをして冷蔵庫へ

乳清(ホエー)は捨てないで!

ちなみに、この時に滴る乳清(ホエー)は、体に吸収されやすいタンパク質を含む栄養価の高い部分。
捨てずに飲んだり、フルーツジュースに混ぜたり、お料理に使ってください。

2. オーブンに火を入れ、材料を切る

水切りしたヨーグルトが用意できたら、オーブンを300℃くらいの高温にしてスイッチオン。
その間に、玉ねぎは繊維にそって薄切り。ベーコンは短冊切りにします。

3. タルト生地を広げる

クッキングシートを敷いたオーブンの天板に、タルト生地を薄く手で伸ばしながら広げます。
形は自由ですがマダム・フランソワーズは楕円型がお好みの様子。

4. タルト生地にヨーグルトと具材を乗せる

・水切りしたヨーグルトに塩・コショウして、スプーンの裏で伸ばしながら3に塗ります(トマトソースをピザに塗る要領で)。
・ナツメグを少量削ります。
・2の玉ねぎを乗せて、ベーコンをまんべんなく散らします。

生地の端っこには何も載せないで!

生地の端っこは1cmくらい残しておくと、食べるときに指で摘めますね。

5. オーブンで焼く

4をオーブンに入れて約15~20分焼きます。ベーコンと玉ねぎに少し焦げ目が付いたら出来上がりです。

タルト・フランベのおいしい食べ方

出来上がったタルト・フランベは、ぜひ当地の白ワインと楽しみましょう。

アルザス地方のリースリング(白ワイン)があれば完璧!もちろん、ビールと合わせてもおいしいタルト・フランベ

アルザス・ワインと一緒に食べたい、ヨーグルト味のタルト・フランベ
アルザス・ワインと一緒に食べたい、ヨーグルト味のタルト・フランベ

パールを帯びた薄い麦わら色のローブ(ワインの色)にも映える緑色の軸のワイングラスは、アルザス地方特有のものです。
90パーセント以上が白ワインで、セパージュ(ぶどうの品種)がワインのエチケット(ラベル)に書かれるのも、アルザスワインの特徴です。リースリングはフルーティーで且つ酸味があり、ヨーグルトを使ったタルト・フランベとのマリアージュ(おいしい組み合わせ)は最高です。
また、この地方はワイン王国フランス一のビール生産地でもあるので、タルト・フランベに合わせて、ビールを飲んでいる若者も大勢いますよ。

ベジタリアン仕上げやデザートにも!具材を変えても楽しめるタルト・フランベ

今回紹介したレシピのほか、グイエールチーズ、エメンタールチーズなどを加えたり、ベーコンの代わりにマッシュルームでヴェジタリアン・バージョン、あるいはベーコンの代わりに、お肉の発酵食品であるドライソーセージの薄切りを散らしたり…と、どんなバリエーションでおいしく仕上がります。専門店にいくと、フルーツを乗せたデザート・バージョンもあるそうですよ。

では、ボナ・ペティ(召し上がれ) ! !

関連リンク

Maison Landemaine(メゾン・ランドゥメンヌ)

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