醸し人

2016年10月01日

日本の発酵食をニューヨークから発信!誰もが理想とする「ホリスティック」とは【後編】

経験豊富なシェフであると同時に、ホリスティック・ヘルス・コーチとして様々な「食と健康」を追求している浅沼秀二さん。通称Jayさんとして、世界の大都市ニューヨークから日本の発酵食を紹介し続けています。
今回は、haccolaでも「ニューヨーク発!ホリスティックシェフJayさんの発酵レシピ」を連載中のJayさんにお話を伺いました。

THE FOURTH STAR_日本の発酵食をニューヨークから発信!誰もが理想とする「ホリスティック」とは【前編】:haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」
THE FOURTH STAR より (2002年発行)
~~秀二(ひでじ)は新しく加わったクルーのひとり。今はスープを担当している。彼は以前ソーホーにあるHonmura-an(東京の手打ち蕎麦屋の老舗「本むら庵」のニューヨーク支店)というレストランで料理長を務めていた。そのときニューヨークタイムズから3つ星を授与されている。当時ニューヨークでも数少ない3つ星に選ばれたことはレストラン業界を驚嘆させた。
また、ダニエル(フレンチの大御所)はこれまで多くのセレブに料理を作ってきたが、秀二はダライ・ラマに作った経験を持つ。ニューヨークにてチベット・ファウンデーション・ディナーが開催された際、指折りの有名シェフたちが腕を振るった中で、ダライ・ラマに提供することができたのは秀二たったひとりであった。そのとき彼の作った料理は味噌汁。彼は現在フレンチの勉強のためダニエルで働いており、料理のテクニックは非の打ち所がない。~~

ニューヨークで、ホリスティック・ヘルス・コーチとして「食と健康」を伝えているシェフ、Jayさん。彼が発信する日本の伝統食「発酵食品」は、世界でどんな可能性を秘めているのでしょうか。
前編に続きJayさんに聞いてみました。

「発酵食=体に良い」は世界の常識なのか。

グリーンマーケットの発酵食品_日本の発酵食をニューヨークから発信!誰もが理想とする「ホリスティック」とは【前編】:haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」

プロの料理人時代にフランス在住の時期もあるJayさん。また、今でも機会があれば世界の各地で「食と人との繋がり」を探し求めているそうで、世界各国における発酵食にも精通しています。

日本食レストランの存在が珍しくなくなった現代ですが、パリやニューヨークで「発酵食品」と言われたときに、的確なイメージができる人はまだ少ないと言います。
しかしそれでも「発酵食品は、人類を心から魅了して止まない食品です」と言い切るJayさん。一体その心は?

「数多くあるフランス料理のなかでもっとも美味しいものは何かと聞かれたら、”パン”と “チーズ”と “ワイン”と答えるフランス人は多い。もちろんこの3つはニューヨークのほとんどのレストランでもメニューに載っていますし、もはや国籍は関係なく、焼きたてのバゲットに熟成したチーズ、そして美味いワインを日常的に好む人はとても多い。そしてこの3つとも、そう、発酵食品ですね。」

確かにその通りですね。では、発酵して作られた食べ物が「体に良い」と意識している人も多いのでしょうか。

「気にしてない人の方が多いでしょう。発酵は知っているが、”微生物たちが無数に生きている”という考え方に結びつく人は少ないと思います」

トレンドが早いニューヨークでも??

「そうですね。しかしそんな中でもここ数年では、『プロバイオティック』という言葉をヨーグルト容器などに見ることが増えました。」

probiotic = 整腸作用。
このヨーグルトを食べると善玉菌によって腸内環境が整いますよ、と謳う商品が売られているということは、発酵食品と健康にも注目が集まり始めているんですね。

菌たちに愛情を!手作りのオーガニック納豆。

セントラルパーク_ニューヨーク:haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」

焼きたてのバゲットとチーズ、そして炊きたてのご飯に乗せた納豆を「ソウルフード」と呼ぶJayさんにとって、そもそも発酵の魅力とはどんなことでしょうか。

「発酵することで、食材の持つ風味や味を導き出すところです。そのままでも美味しい食材ですが、発酵することで人を虜にしてしまうほどの魅力が出てくる。まさに”醸し出す”という言葉がぴったりです」

さらに発酵する前と後では、同じ食材でも栄養価が高まり、消化も良くなると言われています。
例えば大豆の煮豆。その消化率は68%と言われていますが、対して納豆の消化率は85%というデータ(※)があります。
煮豆だけを一度に80gも一度に食べたらお腹がふくれますが、納豆1パックだったらツルツルと流れるように食べることができるのも、発酵による魔法だったというわけですね。

Jayさんが多湿の日本を離れ、ニューヨークで高品質の納豆を安定して作り上げるまで、実に970回のチャレンジをしたといいます。その期間はなんと7年というから、その情熱には頭が下がります。

「何もわからないところから研究を始めましたが、発酵というものがいかに自分の思い通りにならないかと思い知らされました。」

「菌は生き物です。愛情を注いで意思の疎通ができるくらいにならないと菌は心を開いてくれないと思うのです。もっと心が通い合うようになりたいです。」

これほどまでにJayさんの情熱と愛情で作り上げられた納豆や味噌、塩麹などの商品はブログで紹介されており、ニューヨークにお住まいの方に支持されています。

また、Jayさんはhaccoraでも「ニューヨーク発!ホリスティックシェフJayさんの発酵レシピ」を連載中です!
どれもシンプルなプロセスでありながら「さすがプロのシェフ!」と唸りたくなるほどオリジナリティーが高いものばかりで、ホームパーティーなどにも最適です。

日本の発酵食が世界を救う日。

フラッシングメドウズ・コロナパーク_ニューヨーク:haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」

世界中の「一流」や「本物」が集まる街、ニューヨーク。
そこでJayさんが発信している伝統食は、日本発祥の文化そのものでありながら、世界共通の「おいしい」と「健康」を兼ね備えたスーパーフード。

世界がもっと発酵の追求を求めたとき、マンハッタンの三つ星レストランでも納豆が食べられるのかもしれません。

(※)全国納豆協同組合連合会納豆PRセンター

日本の発酵食をニューヨークから発信!誰もが理想とする「ホリスティック」とは【前編】

やなぎさわ まどか

やなぎさわ まどか

フリーライター/ 通訳翻訳コーディネーター。10代後半から20代前半の海外生活後、英会話学校のマネージメントやコンサルティング企業に勤務。2011年3月の震災を機に、兼ねてから興味のあった農的な暮らしへの移行を求めて退職。現在はフリーランスにてライターやマネージメントの活動をしつつ、自然との繋がりを深める暮らしの実践中。心はいつでも旅人のままであり、自由と安定のバランスを模索する日々。 Instagram

関連タグ

この協力者の他の記事を見る

このライターの詳細へ

最新記事

もっと見る

SERIES 連載

More

CATEGORIES カテゴリー