秋だというのに汗ばむほどの陽気に恵まれた11月12日(土)。2日間にわたり行われた「発酵食品サミットinやまなし」の初日の様子をレポート!
発酵食品サミットは、発酵食品や発酵文化の素晴らしさを発信し、地域の活性化につなげることを目的に毎年開催しています。9回目を迎える今回の会場は山梨県・甲府市でした。
期間中は、発酵に関するセミナーが行われたり、発酵食品を扱う物販や屋台が出店したり、地域の酒蔵やワイナリーが一般公開されたり……、街中が発酵一色に!
では、当日の様子をレポートしましょう。
究極の健康スタミナ食も伝授!「発酵で健康」をテーマに小泉先生が講演
初日にはオープニングセレモニーが行われ、その後、「発酵で健康」をテーマに、東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生の講演会が行われました。会場に到着すると1階席はすでに満席! 2階席から講演を聴くことに。
発酵食品の初心者にも理解できるように、まずは発酵の基本を説明してくださり、「味噌汁を毎日飲む人と飲まない人の胃がん発生率」などの例を挙げながら、発酵食品と免疫力についてわかりやすくお話しくださいました。
「国花は桜と菊、国鳥は雉、国菌は麹菌」など、発酵に関する豆知識も散りばめられていてとても楽しく拝聴しました。
講演の最後には、小泉先生から私たち聴衆にプレゼントとして「究極の健康スタミナ食」を教えてくださいました! それは…
味噌汁+豆腐+納豆+油揚げ=究極の健康スタミナ食!
たんぱく質の含有量は、和牛肉で17~19%ですが、大豆も負けず劣らず16~18%! しかも、コレステロールの心配がなく、腸内環境が整えられる発酵食品が使われているわけですから、まさに究極の健康スタミナ食ですね。
地元の美味しいものが勢揃い!「やまなし美味しい甲斐」のブースを巡る
小泉先生の講演後は……、地元の美味しいものが食べたい! というわけで、物産展が集まる「よっちゃばれ広場」へ。まずは、山梨県の農政アドバイザーでもある小泉先生が監修する「やまなし美味しい甲斐」の方々のブースを巡ってみました。
甲州地どり
『甲州地どり組合』のブースへ。甲州地どりは放し飼いで元気に動き回っているから歯ごたえがあり、味わい深い肉質になるそう。甲州ワインのおつまみにしようと、ワインもろみ漬け、チキンリエット、スモークチキンを購入。その晩、早速いただきましたが、いやな臭みがまったくなく、いかにも鶏らしい旨みが楽しめて、ワインが進んでしまいました。
「こうふくマルシェに焼き鳥があるよ!」と教えていただき隣のエリアに移動すると、食欲をそそる匂いが……。早速、焼き鳥を試食させていただくと、しっかり歯ごたえがあって、噛むほどに旨みが溢れてきます。
甲斐の黒にんにく
試食コーナーに真っ黒い物体を発見! 「黒にんにくです。フルーツみたいですよ」と、『農業生産法人株式会社I JAPAN』のブースの方。半信半疑でいただきました。食べてみると、フルーツのような上品な甘さにびっくり! 聞けば、糖度は30度以上あるのだそう。桃で13~18度、ぶどうで15~20度の糖度ですからいかに甘いか!
この黒にんにくは一定の温度・湿度のもとで約1カ月間発酵させて作るそう。発酵させることで、生のにんにくと比べて、抗酸化力は10倍に、アミノ酸量は2~7倍になるそう! しかも、臭みのもと「アリシン」も「S-アリルシステイン」に変化しているので臭いも気にならないんです。
甲州地酒粕味噌漬
山梨県産の甲州富士桜ポークを、オリジナルの甲州地酒粕味噌床に仕込んだ『専匠』の「甲州地酒粕味噌漬け」。酒粕味噌床は、県内8つの酒蔵の酒粕と甲州味噌に、ひえと米麹で発酵させた甘味料“穀糖”を加え、秘伝の製法でブレンドして作るそう!
酒粕や味噌の芳醇な風味でをまとった、旨みたっぷりでジューシーな地豚は絶品でした。
田家たむらのキムチ
干したスケトウダラでダシをとり、アミの塩辛やイワシの魚醤で作った自家製ダレと3種類の唐辛子で漬けこんだ本格キムチ。防腐剤、着色料は一切不使用。「おいておくと乳酸発酵が進むので、その変化も楽しんでみてください」と『田家たむら』の田村さん。
旨みがギュッと凝縮していて、唐辛子も尖った辛さではなく、まろやかで優しい味わいのキムチでした。小泉先生が「これぞ本物のキムチ」と太鼓判を押されていたのも頷けます。
天空かぼちゃのプリン
ぶどう棚で栽培する、『マル北農園』の甲州天空かぼちゃ。かつて山梨では、ぶどう棚の間を利用してかぼちゃを作る風景がよく見られたそうで、「地域の特産として復活させたい」と栽培を再開されたそうです。吊るすことで糖度がアップして美味しくなるとのこと。
そんな、甲州天空かぼちゃで作ったのがこのプリン。かぼちゃのほっこり感と素材そのものの甘さが感じられます。
富士山のお花畑
洋菓子店「Abend(アーヴェント)と地元・富士吉田の花農家・佐藤さんのコラボレーション企画『富士山すみれパティスリー』のブースには、食べられるお花・エディルフラワーを使った可愛らしいお菓子「富士山のお花畑」がありました。香料、着色料・保存料を一切使わずに作った焼き菓子で、ビオラやカモミールがあしらわれています。サクッとした歯触りで、中はふんわり。口に入れると、ほのかに華やかな香りが鼻に抜けます。
発酵について学んだり、発酵食品を美味しく食べたり……、発酵尽くしの1日はまだまだ続きます。続きは後編でお楽しみください!
>【取材レポート】「発酵食品サミットinやまなし」に行ってきました!【後編】
関連リンク、データ
一般社団法人やまなしおいしい甲斐
http://www.oishii-kai.or.jp
発酵食品サミットinやまなし
http://hakkou-yamanashi.com
農事組合法人甲州地どり生産組合
http://www.kosyujidori.com/kosyujidori
農業生産法人株式会社 I JAPAN
http://www.ijapan.co.jp/order/index.php
田家たむらのキムチ
https://www.facebook.com/denkenokimuchi
マル北農園
http://marukitafarm.jimdo.com
富士山すみれパティスリー
https://www.facebook.com/Mt.fujismile