乳酸菌

2017年03月21日

明日から取り入れたい3つの発酵習慣。長野県木曽町「はっこうのがっこう」レポート

長野県木曽町「はっこうのがっこう」1日目が終了し、2日目は「すんき」などの木曽の地域資源を科学的に研究し、その資源を活かした地場産業を足がかりとするために立ち上げられた「木曽町地域資源研究所」の見学からスタートしました。

すんき食べ比べや全国の発酵食品が勢ぞろい!

研究所は旧帝室林野局庁舎を改修して利用されていて、非常にモダンで素敵な建物でした。

研究所は旧帝室林野局庁舎を改修して利用されていて、非常にモダンで素敵な建物でした。
また、遠心機や菌を大量培養するための機械などが置かれている部屋は、営林局の蔵だったそうです。

遠心機や菌を大量培養するための機械などが置かれている部屋は営林局の蔵だった場所でした。
床がピンクで天井がグリーンのかわいらしい色合いは、すんきをイメージしているのだとか

見学の後は、前日に仕込んだすんきの食べ比べ。同じ場所、同じ作り方で作ったすんきは、それぞれ全く違う味に。

見学の後は、前日に仕込んだすんきの食べ比べ。

そしてその後はまたまた発酵フルコースのお時間です。2日目は全国の発酵食品を味わいました。

オススメの発酵メニューベスト3!:はっこうのがっこう2日目

では2日目のベスト3をご紹介します!

【第1位】長崎の保存食「せん」を使ったろくべえ

「せん」とは?

長崎の保存食「せん」を使ったろくべえ

「せん」は長崎県対馬の伝統的な保存食で醗酵食品であり、サツマイモが原料です。やせた土地でも収穫できるサツマイモは、対馬の飢饉を何度も救ってきました。しかし傷みやすく保存が難しいため、対馬ではサツマイモのでん粉を取って保存食にする方法が考案されたのです。
さつまいもを水洗いし、ザルにあけ、細かく砕き、数日水に漬け、ザルや粗めの袋に入れて天日干しにして発酵させます。その後、良くこね、10センチくらいに丸めてさらに乾燥させます。一度乾燥させたのにさらに水に漬けて戻して、粗めのふるいで漉し、さらに細かいふるいでも漉して、数回水を換えて沈殿させ、沈殿させたものを布に入れて水分を取りますそれを良くこねて、団子状にして保存します。
そのため「せんだんご」とか、団子状のものをちょっとつぶして乾燥させることもあるので「鼻高だんご」と呼ばれることもあります。このものすごい手間をかけたことから「せん」という名前が付いたといういわれもあります。
そんな手間ひまをかけた「せん」が食べられたというだけでも感激すぎて、問答無用に1位に選ばせていただきました。

そしてろくべえというのは、その「せんだんご」にさらに手間をかけて作った麺料理なのです。

ろくべえというのは、その「せんだんご」にさらに手間をかけて作った麺料理

「せんだんご」を臼で粉にし、熱湯で耳たぶ程度の固さに良くこねて、団子にしたものを一度ゆでます。それをさらにこね、沸騰している鍋の上に置いた「ろくべえせぎ」と呼ばれる穴の空いた鉄板から押し出すと、ゆであがって黒い麺になります。これを、メジナや地鶏で取っただしで食べるのが「ろくべえ」なのです。

さつまいもが原料なので、麺はほのかにさつまいもの香りというか味がして、新食感です。これは対馬に行かないと食べられない必食の逸品ですよ。

【第2位】煮いかのうに醤油がけ

海から遠い長野や岐阜、山梨などでは「煮いか」が昔から食べられていました。軽く洗って、切るだけでわさび醤油や生姜醤油で食べられるのでとてもお手軽。昔の人が海がなくてもいかを食するための工夫からはじまった伝統的な料理に時代に思いを馳せながら、そして煮いかといっても茹でたてのいかのように柔らかいことに感激しながらいただきました。
そこにうに醤油という組合わせも最高においしかったです。木曽町のスーパーはもちろん、おそらく長野や岐阜、山梨などのスーパーでも見かけることもあると思うのでぜひ試してみてほしいです。

【第3位】イチローズモルト

2007年以降日本一を幾度も獲得してきたというとても入手困難なウイスキーのイチローズモルト。ずっと気になっていたものだったのでここで出会えてうれしかったです。

イチローズモルトとは?

イチローズモルトは、埼玉県秩父市にあるベンチャーウイスキー秩父蒸留所で肥土伊知郎氏が作っている国産ウイスキーの中でも非常に貴重・希少な世界に誇れる個性的な国産シングルモルトウイスキーです。
かなりの人気のため入手困難なうえ、近年では肥土伊知郎氏が地元産の大麦を使ったウイスキーにチャレンジしているそうなので、第三位にさせていただきました。

2日目の甘味御膳には、鹿児島県奄美大島のミキという米をさつめいもで発酵させて作られる伝統飲料を使ったゼリーやみりん粕のぜんざい、市田柿を沖縄県伊江島産のラム酒でつけたものなどに舌鼓を打ちました。

それぞれ一つだけでも話が尽きない一品たちが奥田シェフの手によってあっと驚く組み合わせの至福の発酵御膳となって提供されました。

長野県木曽町「はっこうのがっこう」から学んだ、明日から取り入れたい発酵習慣“3つ”

おいしく感激的な発酵食品を使ったメニューの数々と共に、心に残った発酵習慣を3つ、ご紹介させていただきます。

1.感謝して食べましょう

岡田教授は、「微生物の気持ちになって優しい気持ちで発酵食品に接してほしい」と仰っていました。
私たちが身体によい、そしておいしい発酵食品を食べることができるのは、微生物が一生懸命働いた成果をお裾分けいただいているからです。また、先人たちの知恵と伝聞のおかげで、現代の私たちが食べることができています。もちろん作り手の方の努力も忘れてはいけません。
身体によいことはもちろん、微生物に、先人たちに、作り手のみなさんに感謝しながら食べることが大切だなと改めて感じました。

2.発酵に興味を持ち、次の世代に繋げていきましょう

「多くの日本人が発酵に興味を持つことが、日本の素晴らしい発酵食品という文化を守ることになる」と奥田シェフが仰っていました。
全国津々浦々に、まだまだ知らない素晴らしい発酵食品がたくさんあります。興味を持ち、価値を知って、そして買い支えていかなければこの素晴らしい文化は次の世代に繋がらずなくなってしまうこともありえます。今以上に発酵に興味を持って、毎日に取り入れていただけたらうれしいなと思います。

3.作り手の顔を知って、作られている過程を知りましょう

どんな食品を選ぶか?はその人の好みやライフスタイルもあると思いますが、作り手さんや製造過程において“違い”があることを知っておくことは大切なことなんだと思いました。
木曽のすんきも、取り寄せた方から「味がしない」と言われることもあるそうです。しかしすんきは、「塩」が使われておらず、それは木曽が昔からそばに入れたり、かつおぶしと醤油との相性が最高!だからなのです。

まずはこれが気になる!と思ったら試してみる。それは素敵な第一歩だと思います。そして、これはどういう所で、どんな風に、どんな人が作っているんだろう?ということに思いを馳せるとまた違った楽しみもあると思います。
おいしく楽しく、発酵食品をこれからも取り入れていけたらいいなと思います。

はっこうのがっこう

「日本でもっとも美しい村」連合 木曽町:http://utsukushii-mura.jp/kiso/
長野県木曽町:http://www.town-kiso.com/

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まつながなお

まつながなお

大学卒業後、マーケティング会社勤務を経て、フリーランスの料理家として独立。 出張料理、メニュー開発、イベント企画・運営、料理教室などの活動をする一方で、ライターとして飲食店の取材や食に関するコンテンツの執筆も行なっている。

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