家族の健康のために立ち上がった“発酵かあさん”こと、主婦マンガ家・加藤マユミ先生の発酵食品実践コミック『発酵かあさん』、もう読まれましたか?
この本には、誰でも実践できる手作り発酵食品レシピの数々が漫画でわかりやすく描かれています。
今回は、加藤マユミ先生に、発酵食品を手作りするにあたってのアドバイスやご自身の発酵ライフについてお話をお伺いしました。発酵食品を手作りしている方、これから手作りしたい方必読のインタビューです!
『発酵かあさん』ってどんな漫画?
『発酵かあさん』の読みどころ、活用しどころを加藤先生にお聞きしました。
誰でも気軽に発酵食品を作ってみてほしい
「『発酵かあさん』は発酵食品にあまり馴染みのない初心者の方が気軽に手作りを始められる入門書です。まずは何でもいいので作って味わってみてほしいので、面倒なことは抜きにして、手軽に挑戦できるように配慮しました。
この“誰でも軽く始められる”というポイントはすごく重要で、ひとりでも多くの人が実際に作ってみることによって、発酵食品は広がり、受け継がれていくのだと思っています。
また、発酵食品に慣れ親しんだ方には、基本の振り返りや新たな気づきとなるお役に立つことができるとうれしいです」。(加藤先生)
お気に入りのレシピは「レーズン入り発酵バター」
「『発酵かあさん』で紹介しているレシピの中でもお気に入りは「レーズン入り発酵バター」です。周りの反応をみても、これを作ってみたい、食べてみたいという方がたくさんいました。実際、手軽に作れてとても美味しいです!」。(加藤先生)
発酵食品との出会い
発酵食品を食べるだけではなく、実際にご自身でお作りになって漫画になさっている加藤先生。どのようなきっかけで「食べる」→「作る」となられたのでしょうか?
他にないグルメ漫画を「発酵食品」で実現
「食べることが好きで料理も好きなので、グルメ漫画を描いてみたいと思っていました。でも、グルメ漫画はいろんなジャンルのものが出尽くしていたので、『まだ誰も描いていないのは発酵食品だ!』と思い立って、それから実際に作って漫画にしてみようと思ったのがキッカケです。
発酵食品を調べてみて、ヨーグルトを手作りするのが手軽で簡単そう、と最初に作り始め、それから段々といろんな発酵食品を作るようになっていきました」。(加藤先生)
発酵食品作りで、困ったこと・難しかったこと・失敗したこと
加藤先生が発酵食品を手作りなさっている中で、「ここがイチバン苦労した」、「これは毎回やりづらかった」、「よかれと思って失敗してしまった」こととは?
発酵は生きた菌頼み! 毎回同じ出来上がりにはならない
「発酵とは生きた菌頼みなので、毎回同じようにいかないという点が苦労しました。
たとえば、同じ材料で仕込んでも、その時の気温や空気中に飛んでいる菌、材料についている菌は毎回違います。その違いによって発酵は変化し、いつも必ず同じようには成功しません。
それを一番実感するのは『天然酵母パン』です。何回も作っていますが、毎回発酵具合は違うし、毎回出来が違います。それが面白いところでもあるのですが…(笑)」。(加藤先生)
ぬか床は苦労の連続
「よかれと思ってやってみたことが裏目に出てしまったのがぬか床ですね。
少しニオってきたので、酒粕や米麹などを入れて発酵を促し、元気なぬか床になってもらおうとしたのですが、逆に入れすぎたようで違ったニオイがしてきました…。
どんな発酵食品を作るときでもそうだと思うのですが、元になる“種菌”は多すぎてもよくないようですね」。(加藤先生)
手作りの発酵食品、これがあると便利!なアイテム
加藤先生が「これはよく使った」、「これがあったからこそうまくできた」と言える道具やツールはどんなものでしょうか?
手作り発酵食品に欠かせない炊飯器
「ズバリ、炊飯器です。自宅にはヨーグルトメーカーがないので、保温したいときに活躍しました。でも、炊飯器だと細かい温度調節ができないので、ヨーグルトーメーカーがあれば心強いんだろうな、とは思っています」。(加藤先生)
手作りした発酵食品の管理と保存
出来上がるのに時間がかかる発酵食品も多くあります。その管理や保存について、加藤先生はどのようになさっているのでしょうか?
何度も作って、発酵のプロセスを経験することが大切
「天然酵母パン以外はそんなに神経質にならなくても大丈夫だと思います。でも、天然酵母パンは発酵時間が季節によって全然違うので、久しぶりに作ってみたら予想外に発酵に時間がかかってしまい、仕込みが真夜中になったりする場合も…。
それはさすがに辛いので、夜寝る前に生地を冷蔵庫の野菜室へ移しておいて、朝起きてすぐ仕込んだこともありますが、発酵し過ぎてしまったようでうまくいかない場合が多かったですね。
なので、発酵食品を作るときには、前回の発酵時間から逆算してスタートするようにしています。こればかりは経験がモノを言います。何回もやってみるしかありませんね(笑)」。(加藤先生)
発酵食品を自宅で手作り、ご家族の反応は?
当初は、ご家族も手作り発酵食品にあまりご興味をお持ちになられなかったという加藤先生。ご家族の反応がポジティブに変わってきたきっかけはどんなことなのでしょうか?
発酵食品で家族が喜ぶ料理にアレンジ! オススメは『豆乳ヨーグルト』
「基本的に、家族は私の手作り発酵食品を進んで食べたりはしないので(笑)、手を変え品を変え、家族が食べやすい方法を模索しています。
豆乳ヨーグルトは本当に万能で、ホットケーキに混ぜて焼くとふっくらとよく膨らみ、カレーのかくし味に入れてもマイルドになって子どもが食べやすくなります。また、肉や魚を漬けると柔らかく美味しくなるので重宝しています」。(加藤先生)
家族みんなで味噌作りを楽しむ
「家族みんなで味噌を作ったのはとても楽しかったですね。みなさまのご家庭でも、ぜひワイワイと作っていただきたいです。そのほうが家族オリジナルの美味しい味噌になりますし、ステキな思い出になると思います」。(加藤先生)
こんなときに役立った!発酵食品
発酵食品が便利で有能なポイントを加藤先生に聞きました。
発酵食品を活用して、食品の保存性とおいしさをアップ!
「発酵食品の保存性の高さを活かして、お肉やお魚などは買ってすぐに甘酒や塩麹、ヨーグルトなどに漬け込むと、長持ちして美味しくいただけます。また、日が経っても味が落ちるどころか、逆に美味しくなるところもうれしいですね」。(加藤先生)
お気に入りの発酵食品
加藤先生の「マイ・ベスト発酵食品」とは?
体にも肌にもいい『酒粕』
「本著にも出てきましたが、とにかく『酒粕』が大好きで!
食べるのも美味しいですが、オススメは化粧水です。私は酒粕化粧水を手作りするようになってから、基礎化粧品をいっさい買わなくなりました。(もともと凝ってはいませんでしたが、今は何一つ買いません)
手作りの酒粕化粧水だけで、本当に肌がしっとりして乳液いらずに…! お肌がとっても喜んでいます。これは使い心地でもコストの面でも、ぜひみなさまにおすすめしたいです」。(加藤先生)
今、気になっている発酵食品
加藤先生がこれから挑戦してみたい発酵食品とはどのようなものでしょうか?
『黒ニンニク』作りに挑戦してみたい!?
「個人的に気になっている発酵食品は、『黒にんにく』です。食べたこともあるのですが、すごく元気になりそうな味で(笑)。でも、買うととっても高いんです。
手作りするには、一週間以上にんにくを炊飯器に入れておかなければならない上に、すごいニオイを放つと聞きまして、さすがの私も挑戦できないでいます(笑)」。(加藤先生)
加藤先生のこれから
加藤先生の今後のご活動についてうかがいました。
夫で漫画家の横山了一氏とのコラボレーション連載も!
「現在、『めしざんまい』(ぶんか社)という雑誌で、『横山家の食卓』という連載をしています。こちらは『発酵かあさん』とノリが似ていて、横山家でよく食べる料理やおすすめレシピをご紹介するグルメ漫画です。
同じくぶんか社の『本当にあった笑える話』という雑誌で、夫、横山了一とのコラボで「漫画家同士で結婚しました」も連載しています。
また、『withnews』というサイトで『うにゅ子ちゃん』というニュースをテーマにした漫画の連載も始まりました(こちらは原作が夫です)」。(加藤先生)
幅広いご活躍をなさっている加藤先生による発酵食品実践コミック『発酵かあさん』。免疫力を高め、健康促進・維持に欠かせない発酵食品の作り方はもちろんのこと、プチ失敗談や手作りするにあたって気を付けるべきこと、アレンジレシピなども惜しみなく収録されています! 読んでも試しても楽しめる発酵食品実践コミック『発酵かあさん』、ぜひ手に取ってみてくださいね!
コミック詳細
加藤マユミ著『発酵かあさん』(リイド社) 本体926円+税(税込1,000円)
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お話をうかがった人
加藤マユミ
夫婦でそれぞれ漫画家やってる嫁の方。6歳と3歳の兄妹のかあさんでもあります。食いしん坊が高じて料理好きに。料理好きが高じて発酵食品に興味を持つ。現在、いろんな発酵食品に挑戦中。ま、一言でいえばやっぱりただの「食いしん坊」です(笑)。横山家ブログ『きょうの横山家』もよろしくね! 近著に、夫婦ユニットで描いた『飯田橋のふたばちゃん』全2巻発売中! 夫・横山了一の近著は、リイド社webマガジン「トーチweb」で連載した『息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました。』が大好評絶賛発売中!
関連リンク
・『発酵かあさん』
・web comic「リイドカフェ」『発酵かあさん』(試し読みできます)
・ブログ『きょうの横山家』
・加藤マユミ先生twitterアカウント
・『息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました。』
・webマガジン「トーチweb」『息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました。』