海外

2017年07月04日

発酵通信 in ベトナム【調味料「ニョク・チャム」編】

ベトナムから現地の発酵情報をお届け!
今回は、ベトナムの調味料「ニョク・チャム」について、ベトナム市場に特化したマーケットリサーチ企業『B&Company』社の現地スタッフ、アンさんに教えていただきました。

Q:ニョク・チャムとはどんな調味料なのですか?

A:魚醤(ニョク・マム)ベースと、大豆ベースと2種類ある、ベトナム料理には欠かせない調味料です

ベトナムでは料理に合わせられる調味料は、液体か半液体(ドロッとしてもの)で、風味や香りを加えるために用います。ベトナム料理には欠かせません。
調味料は「ニョク・チャム(万能つけたれ)」と「ニョム・マム(魚醤)」に分けられます。ニョク・チャムは、さらに2種類に分けることができます。

✔ニョク・マム(魚醤)をもっと詳しく知りたい!
発酵通信 in ベトナム【魚醤「ニョク・マム」編】


魚ベースのニョク・チャム:ニョク・マム(魚醤)を使ったニョク・チャム

ニョク・チャムのうち、魚ベースのものは、「ニョク・マム(魚醤)」を水で薄めたものに、酢またはレモン汁、砂糖、唐辛子、ニンニクなどを混ぜたもの。地域によって加えるものは異なり、さまざまな種類があります。

「魚醤」と「魚醤に唐辛子とニンニクを加えた」もの
「魚醤」と「魚醤に唐辛子とニンニクを加えた」もの

大豆ベースのニョク・チャム:「トゥオン(甘味噌)」、「シザウ(たまり醤油)」

大豆ベースものには、「トゥオン(またはトゥオン・バク、トゥオン・バン)」や「シザウ」があります。トゥオンは日本で言うなら「甘味噌」で、シザウは「たまり醤油」のようなものです。
トゥオンは、昔から親しまれてきた伝統的な調味料で、お米、大豆、コーンやピーナツを発酵させたものです。シザウは、中華料理の影響を受けて広まりました。

トゥオン(甘味噌)
トゥオン(甘味噌)

シザウ(醤油)
シザウ(醤油)

ニョク・マム(魚醤)とは

ニョク・マム(魚醤)は、濃く、よりドロっとしたものもあり、イワシなど、さまざまな小魚から作られる魚ベースの調味料です。

ニョク・マム(魚醤)でいただくエビのグリル
ニョク・マム(魚醤)でいただくエビのグリル

✔ニョク・マム(魚醤)の伝統的な作り方や種類、産地などをご紹介!
発酵通信 in ベトナム【魚醤「ニョク・マム」編】


唐辛子を使った調味料「ớt chưng」

これらの調味料以外にも、ベトナムではさまざまな調味料を使います。例えば、唐辛子を使った「ớt chưng」はベトナム中部、フエの名物です。ランソンの名物「Bánh cuốn」は、酢を使ったソースでいただきます。

フエの名物「ớt chưng」
フエの名物「ớt chưng」

ランソンの名物「Bánh cuốn」
ランソンの名物「Bánh cuốn」

Q:ニョク・チャムの食べ方を教えてください

A:ベトナムでは、ソースは料理ごとにさまざまな種類があり、ピッタリのものが添えられます

ベトナム料理にとって調味料は、料理の「魂」のようなものです。ソースがなければ、料理を楽しむことはできません。
ベトナムでは、ソースは料理ごとにさまざまな種類があり、ピッタリのものが添えられます。例えば、焼いた、あるいは蒸した鴨肉はニンニク醤油を、蒸した鴨肉や揚げた魚、茹でた魚、茹でた牛肉などにはジンジャーソースを、焼いたり、蒸した鶏肉は塩コショウとレモンの葉を合わせたものでいただきます。

ニョク・マム(魚醤)ベースのニョク・チャムは、地域ごとに大きな違いがあり、加えるものも異なります

ニョク・マム(魚醤)ベースのニョク・チャムは、地域ごとに大きな違いがあり、加えるものも異なります

北部では、ニョク・マム(魚醤)を水で薄め、酢、レモン、砂糖、にんにく、唐辛子、時には生姜も加えます。南部では、ココナッツジュースがしばしば砂糖の代わりに使われます。ココナツジュースを半分になるまで煮込み、ライムと砂糖を加えたものを料理に甘みを足すために添えます。南部の調味料は北部より甘みが強いのが特徴です。
北部や南部とも異なり、中部地方はニョク・マム(魚醤)を水で薄めないで、そのまま使うことが多く、レモンや砂糖を加える程度です。

✔万能調味料、ニョク・マム(魚醤)の歴史と文化を知る
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唐辛子もベトナムの調味料には欠かせません。これも地域ごとに使い方が異なります

唐辛子もベトナムの調味料には欠かせません

北部では、リング状にスライスします。中部では、辛さを生かすために砕きます。南部では、調味料にスパイシーさと赤みを加え、風味豊かなものにするためにすりつぶして使います。

B&Companyのアンさんに聞いた、お気に入りのニョク・チャムレシピ

ニョム・マム(魚醤)をそのまま使う料理

ベトナムの家庭やレストランで一般的な料理です。バジルのような調味料を使わずに野菜や肉を茹でて、調味料をつけていただきます。

ニョム・マム(魚醤)をそのまま使った料理
ニョム・マム(魚醤)をそのまま使った料理

唐辛子やコショウを加えたニョク・チャムを使った料理

茹でた野菜に添えたり、フォーなどの麺類に加えたり、特に茹でた豚肉やきのこ類、魚に添えられる魚ベースのソースに加えます。

唐辛子やコショウを加えたニョク・チャムを使った料理
唐辛子やコショウを加えたニョク・チャムを使った料理

唐辛子とニンニクを加えたニョク・チャムを使った料理

家庭での料理では最も一般的な調理料です。新鮮な野菜や茹で野菜、春巻き、麺類、バインセオ(ベトナム風お好み焼き)などに使われます。

唐辛子とニンニクを加えたニョク・チャムを使った料理
唐辛子とニンニクを加えたニョク・チャムを使った料理

唐辛子とニンニク、ライムを加えたニョク・チャムを使った料理
唐辛子とニンニク、ライムを加えたニョク・チャムを使った料理

その他、
✔生姜を加えたニョク・チャム:しっかりとした風味のある料理、例えば、焼いたナマズや魚のフライ、茹でた鴨のムネ肉、かたつむり料理などに添えられます。
✔タマリンドを加えたニョク・チャム:南部でよく使われます。うなぎのフライや、うなぎのオムレツ、魚のフライなどに添えられます。
✔パイナップルを加えたニョク・チャム:中部でよく使われます。牛肉の7品コースや、魚料理に添えられます。

パパイヤと酢を加えたニョク・チャムを使った料理
パパイヤと酢を加えたニョク・チャムを使った料理

唐辛子とシトロネラ(香草の一種)を加えたニョク・チャムを使った料理
唐辛子とシトロネラ(香草の一種)を加えたニョク・チャムを使った料理

Q:風変りなニョク・チャムなどはございますか?

北部から南部までベトナム中に特別な、あるいは変わった食材を加えたニョク・チャムがあります

これほど種類があるのは、世界中を見てもベトナムだけです。

【北部】
✔マム・トン:エビに塩を加えて発酵させたもので、濃い紫色と独特の香りを持つ。白ワインやレモン汁を加えて、特徴的な香りを抑えて使うこともあります。
✔マム・カイ:主に北部沿岸に生息するカニを使ったもの。緑色と茶色の中間のような色で、「マム・トン」より風味が豊か。おいしいが、クセも強いです。

マム・トン
マム・トン

【中部】
✔マム・カー/マム・ネム:マム・カーは魚に塩を加えて発酵させたもの。マム・カーにいろいろな香草や佐藤を加えて、香りをつけたものがマム・ネム。
✔マムズオック:小エビを使ったもの。マム・トムとは色も味もまったく異なる。ピンクや赤に近い色だが、クセは強くない。
✔マムトムチュア:エビの塩辛。新鮮なエビで作られる。生姜や唐辛子が加えられ、甘酸っぱい味がする。マム・トンよりもクセはない。茹でた肉に合わせることが多い。

マムトムチュア
マムトムチュア

【南部】
✔マム・ルオイ(チャーヴィン省):ゴカイから作られる。特に、グエン朝の伝統料理。
✔マム・カー:雷魚など、様々な魚から作られる。メコンデルタにある港湾都市チャウドックの名産。フォーと並んで一般的な麺「ブン」とよく合わされる。
✔マム・タイ:雷魚の内蔵やぶつ切りに、パパイヤ、砂糖、香草を加えて作られる。様々な料理に使われるが、ブンや緑の野菜、茹でた肉、ライスペーパーと一緒に食べるとおいしい。

マム・ラク
マム・ラク

Q:ニョク・チャムに関するベトナムの面白いエピソードや言い伝えなどがありましたら教えてください

A:「ニョク・チャム アイス(Nuoc cham Ice Block)が人気です

調味料とアイスクリームを組み合わせたもの。オーストラリアのシェフが、今まで誰も考えたことのなかったこの2つを組み合わせました。
ニョク・チャムはずっと調理料として料理に添えられてきましたが、今ではデザートとして独立した料理になりました。ほぼチョク・ニャムと同じようなものを、製氷皿に注ぎ、凍らせます。アイスになったニョク・チャムに、皆、ビックリしました。この料理は、人気の料理番組「MasterChef Australia」シーズン8の人気レシピ、トップ5に入りました。

B&Company

B&Company

「B&Company」は、ベトナム市場に特化したマーケットリサーチ企業です
「ベトナムで自社の商品やサービスを広めたい!」といった企業・個人の方々を “市場調査・現地パートナー探索・規制調査” 等を通じてサポートしています。

「B&Company」ならではの市場調査とは?
例えば、「ベトナムで味噌を販売したい」といった場合、“ベトナム人は味噌を食べる習慣があるのか?”、“ベトナムの味噌は日本の物と違うのか?”、“どの程度・頻度で、どこで購入するのか?価格帯はいくらくらいなのか?”、“輸出販売(現地で製造販売)する場合は、どのような手続きが必要なのか?”等、様々な情報を集め、事業として成立するかどうかの検討が必要となります。B&Companyは、強力なベトナム内外のネットワークを駆使し、リアルな現地情報を元に市場調査を行う会社です。

「B&Company」の強み
ベトナムに現地法人を構え9年超、様々な業種分野で100件以上の実績を持つマーケットリサーチ企業です。市場調査やコンサルティング、ビジネスサポート等のサービスはもちろん、f/s調査から法人設立までワンストップで支援しています。特に市場調査に関しては、B2B、B2C共に豊富な経験を持ち、予算・目的に応じた最適な調査設計が可能です。オンラインでのアンケートシステムを自社保有し、オフライン調査と組み合わせて、安価かつ効果的な調査を実施しています。

WEBSITEFacebooktwitter(B&Company代表による投稿)
問い合わせ: (mail) info@b-company.jp / (Tel) 03-5829-4006

参考

https://tranbathoaimdphd.wordpress.com/2016/10/26/can-phan-biet-nuoc-mam-voi-nuoc-cham/
http://gocnhosantruong.com/doi-song-xa-hoi/gia-chanh/1394-d-c-dao-nu-c-ch-m-vi-t-nam
http://www.nuocmamviet.com/tan-man/276-huong-vi-nuoc-mam-ba-mien-phan-iii.html
http://www.foods4betterhealth.com/5-most-popular-masterchef-australia-season-8-recipes-29679

B&Company

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「B&Company」は、ベトナム市場に特化したマーケットリサーチ企業です。「ベトナムで自社の商品やサービスを広めたい!」といった企業・個人の方々を “市場調査・現地パートナー探索・規制調査” 等を通じてサポートしています。WEBSITEFacebooktwitter(B&Company代表による投稿) / 問い合わせ: (mail) info@b-company.jp or (Tel) 03-5829-4006

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