「三宅工務店」代表 三宅真一さん【木桶職人復活プロジェクト】

157

ヤマロク醤油の山本康夫さんとともに「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げた、三宅工務店代表の三宅真一(みやけ しんいち)さんにお話をうかがいました。

三宅工務店代表 三宅真一さん
三宅工務店代表 三宅真一さん

「木桶造るけど、やる?(山本さん)」、「え、ほんまに?(三宅さん)」。木桶職人復活プロジェクトはここから始まった

小豆島で三宅工務店の代表として大工をやっています。
ヤマロク醤油の五代目、山本康夫さんの妹さんと自分が同級生で、山本さんのことは昔からよく知っていました。山本さんから、「木桶造るけど、やる?」と声がかかったときは、最初は「え? 何を言いよん? ほんまにやるん?」と戸惑いましたけれど(笑)。まずは山本さんと、山本さんの同級生の坂口さんと自分の3人で、大阪府堺市の木桶屋さんに修行に行きました。

大工として家を建てるときは水平垂直が基本、でも木桶は曲線の組み合わせ。それが新鮮だった

木桶職人復活プロジェクトヤマロク醤油製作風景

普段から大工をしているので、家を建てるときは垂直水平が基本中の基本。でも、木桶は直線ではなく曲線の組み合わせです。家を建てるのと同様に木を扱うものの、木桶造りは大工としてはありえないことをするんです。自分としては初めてのことだったので、新鮮でしたね。でも実は、そのときもまだ「ほんまにするんかな…?」なんて思っていたんですけどね(笑)。

木桶造りに正解はない。そこが難しくもあり、面白いところ

三宅真一さん

木桶造りを習ってからは、自分たちで何個も造って試行錯誤しました。造る木桶の精度は上がってきていると思うのですが、木桶造りには正解がありません。木桶の寿命は100~150年、その間には必ず修繕が必要になってきます。こう造れば絶対に大丈夫、という造り方はないので、そこが難しくもあり、面白いところだと思います。

普段は違う仕事をしている者同士が集まって、みんなで木桶を造ることが、楽しみであり喜び

木桶職人復活プロジェクトに参加している、「きしな屋」の岸菜賢一さんと
木桶職人復活プロジェクトに参加している「きしな屋」の岸菜賢一(左)さんと三宅さん(右)

このプロジェクトに参加している方の中には、初めて木桶を造る、という方もいらっしゃいます。でもみなさんとても熱心なので、すぐに上手になりますよ。
普段は違う仕事をしている人たちが、プロジェクトの期間中にここに集まって、やったことのない木桶造りをする。それが楽しいんだと思います。自分も、みなさんに木桶造りを教えるのがとても楽しいですし、頼ってくれるのはうれしいですね。

毎年、年末年始の木桶職人復活プロジェクトの時期は、自分の仕事は少しゆるめて、木桶造りに集中します。2012年から木桶を造っていますが、今でもワクワクしながら作業現場に出かけています。

三宅工務店

三宅工務店

【木桶職人復活プロジェクト】醸し人・繋ぎ人12名インタビューを読む

≪この記事のトップページに戻る『おいしい発酵食品は、木桶文化のおかげさま【木桶職人復活プロジェクト】醸し人・繋ぎ人12名インタビュー!』

Close
Copyright © haccola. All Rights Reserved.
Close