米ぬかパック・入浴剤・洗剤・温浴パッド・酵素浴…食べる以外の米ぬか活用法│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.6

11.4K

「ぬか漬け」や「ぬか床」など、発酵食品に欠かせない存在の米ぬか。「やさしい米ぬか講座」の第6回目では、食べる以外の米ぬかの活用法について、東京は浅草橋にある老舗のお米屋さん「吉田屋」の5代目であり、五ツ星お米マイスター&お米アドバイザーの小林健志先生に教えていただきました。当記事では、米ぬかの食べる以外のメリットや、米ぬかパック・米ぬか入浴剤・米ぬか洗剤・米ぬか温浴パッドの作り方や使い方、効果をご紹介します。また、米ぬかの温浴効果や今話題の米ぬか酵素浴(発酵風呂)とはどのようなものなのか、そのメリットについてもチェックしてみました。

米ぬかパック・入浴剤・洗剤・温浴パッド…食べる以外の米ぬか活用法│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.6
米ぬかパック・入浴剤・洗剤・温浴パッド…食べる以外の米ぬか活用法│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.6

✔関連記事
ぬか床だけじゃない!お米屋さんに聞いた、おいしい&キレイになる「米ぬか」の使い方
米ぬかの歴史│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.1
お米屋さんが教える「本当においしいご飯の炊き方」│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.2
米ぬかの栄養素とは?│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.3
炒りぬかの作り方・使い方から、煎り糠の保存法・アレンジレシピまで│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.4
失敗しない!ぬか床の作り方や足しぬかの方法、ぬか漬けアレンジレシピ│五つ星お米マイスターのやさしい米ぬか講座 vol.5


おいしいだけじゃない! 米ぬかの食べる以外のメリットは?

米ぬかには自然由来のビタミンやミネラル、油分など、さまざまな成分が含まれています。
近年では化粧品などに「米ぬか成分配合」というような表記がされていたりもしていますね。昔は銭湯でも米ぬかが配られていたと言いますから、米ぬかの有用性は古くから注目されていたことがわかります。
これからお話することについて、読者のみなさまにお願いがあるのですが、「お米アレルギー」をお持ちの方は肌に合わない場合がありますのでご注意ください。

米ぬかパックの作り方・使い方・効果

米ぬかパックの作り方・使い方・効果
米ぬかパックの作り方・使い方・効果(画像はイメージです)

米ぬかの美肌作用が期待できる米ぬかパックの作り方・使い方・効果をご紹介します。

米ぬかパックの作り方

私のオススメする米ぬかパックは実にシンプルです。しかし、一般的な米ぬかを使用すると肌を傷つける可能性がありますので、米ぬかパックには「白ぬか」または「化粧ぬか」を用いてください。

「白ぬか」または「化粧ぬか」とは?

まず、ぬかの説明をいたしますね。
ぬかとは、お米の種子の皮と胚芽の部分のこと。玄米同士をすり合わせて落ちたぬかを風で飛ばして精米すると、1割がぬか、9割が白米にわかれます。
このときにできたぬかは、「炒りぬか」や「ぬか床」用として使います。ふかふかしていてよく水分を吸うのが特徴で、一般的な米ぬかと呼ばれるものはこちらになります。
「白ぬか」や「化粧ぬか」は、1度目の精米の後に再度精米したのちにとれるぬかです。2度目の精米でとれるぬかなので、きめ細かく希少な米ぬかとなります。今回の米ぬかパックに使用していただきたいのは、こちらの「白ぬか」や「化粧ぬか」です。
材料は白ぬかとお湯だけ! 白ぬかをお湯で練って泥パックのように使用します。

米ぬかパックの使い方

1. 白ぬかを必要量だけ用意します。
2. 簡単に流せるように浴室で白ぬかにお湯を合わせてペースト状にします。
3. 泥パックの要領でお顔に塗ります。
4. 5分ほど経過したらお湯で洗い流します。

白ぬかとお湯だけでできる米ぬかパックです。もしも目の中に入ったとしても。刺激になるようなものは入っていませんので、簡単に洗い流すことができます。
目の際までパックをしても安心なのですが、もし目の中に入って痛みが続く場合は、我慢せずにお医者様にご相談ください。

米ぬかパックの効果

天然由来の豊富なビタミンやミネラル、油分が含まれていますのでお肌もしっとり。実際に使用されたお客様の中には「お肌が白くなった!」という方もいらっしゃいます。
実は毎日白ぬかに触っている私も「手がキレイ」とよく褒められることがあります。「ぬか床を作っている人は手がキレイ」という話をよく聞きますが、やはり米ぬかのパワーなのでしょうね。

米ぬか入浴剤の作り方・使い方・効果

米ぬか入浴剤の作り方・使い方・効果
米ぬか入浴剤の作り方・使い方・効果(画像はイメージです)

米ぬかさえあれば気軽にできる、米ぬか入浴剤の作り方・使い方・効果をご紹介します。

米ぬか入浴剤の作り方

入浴剤と言いますか、私のオススメする浴槽での米ぬかの使い方も非常にシンプルです。
必要なものは、ガーゼもしくはハンカチ、米ぬかだけです! ちなみに入浴剤には、一般的な米ぬかを使用していただいて大丈夫です。

米ぬか入浴剤の使い方

1. ガーゼやハンカチで一握りの米ぬかを包みます。この時、米ぬかが隙間から出てこないように、しっかりと縛ってください。
2. 浴槽の追い炊き機能をOFFに! 追い炊きすると、配管に米ぬかが付着することも想定されますので、米ぬか入浴剤を使用した際は衛生上追い炊きOFFを推奨させて頂きます。
3. 包んだ米ぬかと一緒に浴槽に入り、包んだ米ぬかをお湯の中でよく揉んでください。
4. ぬかの成分が溶け出てきたハンカチなどで体を軽くこすってもいいですね。
5. 使用後は放置せずに、必ず浴槽をキレイに洗ってください。放置すると栄養豊富な米ぬか成分の影響で雑菌などが繁殖してしまう恐れがありますので、注意しましょう。

米ぬか入浴剤の効果

米ぬかパックと概ね同じ効能ですが、全身にも期待でることが素晴らしいですね。
全身しっとり。効果はもちろん個人差がありますが、実感できない方は数日間続けるか、米ぬかの量を増やしてみてください。
保湿効果をプラスするためにコップ1杯程度の日本酒を入れる方もいらっしゃいます。小さなお子様のいらっしゃる方は、ご自分だけ入浴されるときにお試しくださいね。

米ぬか温浴パッドの作り方・使い方・効果

米ぬかを使って温浴パッドを作ることもできます。こちらでは、米ぬか温浴パッドの作り方・使い方・効果をご紹介します。

米ぬかの温浴効果って?

米ぬかを加熱すると湿気と熱が出てきます。体を温めると言っても表皮だけ温めるのではあまり意味がなく、ゆっくり・じっくりとやさしい温かさを体の芯まで伝えることが大切です。
「米ぬか温浴パッド」は煎りぬかを布袋に入れた温湿布のようなもので、お米マイスター全国ネットワークの「うき!うき!米ぬか生活」でも作り方や使い方が紹介されています。電子レンジでチンして温めてから使用するのですが、肩や腰などコリやダルさを感じるところに優しく乗せて温めると、とても心地いいですよ。

米ぬか温浴パッドの作り方

1. 通気が良く、熱に強い素材で袋を作ります。大きさは使用したい場所に合わせてくださいね。
2. 玄米200g、煎りぬか150g、粗塩50gを混ぜて1の袋に入れます。ぬかを煎るときに、ハーブなどを入れると香りも楽しむことができます。
3. 袋の口を縫って、中身が出ないようにします。
4. 3をカバーするような肌触りのいい素材の袋に入れたり、タオルやガーゼで包んで使用します。

米ぬか温浴パッドの使い方

温浴パッドをタッパーなどの耐熱容器や耐熱ビニール袋に入れて、600Wの電子レンジで1.5分加熱します。その後、取り出して体を温めます。
加熱し過ぎるとやけどの原因にもなるので注意してください。熱すぎる場合は、タオルなどでさらに包んで使用しましょう。疾患がある場所には使うのを控えてくださいね。

米ぬか温浴パッドの効果

カイロやホットタオルのようにダイレクトに温まるものも便利だし気持ちがいいのですが、米ぬか温浴パッドはやさしくじんわりと体を温めてくれるので、温浴効果はもちろんリラックス効果も期待できますね。

今話題の米ぬか酵素浴(発酵風呂)ってどんなもの?

今話題の米ぬか酵素浴(発酵風呂)ってどんなもの?
今話題の米ぬか酵素浴(発酵風呂)ってどんなもの?

私はまだ体験していませんが、仕組みとしては、米ぬかについている微生物が米ぬかの有機物を分解したとき、すなわち米ぬかが発酵したときに発酵熱が発生するんですね。浴槽にたっぷりと入れられた米ぬかの中に体ごと浸かって、その熱で温浴をするのが米ぬか酵素浴(発酵風呂)と言われています。
米ぬかが発酵して出す自然熱での温浴のため、熱源を使用しませんのでとてもエコなエネルギーだと言えます。
私の地元の学校では、主事さんが落ち葉を集めて米ぬかで発酵肥料を作られていますが、それはちょっと熱いくらいに発酵熱を帯びていましたね。その学校の桜には発酵肥料が使われており、主事さんの努力の甲斐もあって毎年元気に咲いています。

米ぬか酵素浴(発酵風呂)のメリットは?

発酵熱は微生物が有機物を分解する限り持続しますので、米ぬか酵素浴(発酵風呂)に浸かると体の芯までゆっくりと温めることが可能です。米ぬかに体を横たえるのでとても柔らかい感触でしょうし、リラックス効果も期待できますね。また、米ぬかに含まれる各種成分もお肌に良いものばかりですから、記事を書きながら、私も体験してみたくなってきました…!

米ぬか洗剤の作り方・使い方・効果

米ぬか洗剤の作り方・使い方・効果
米ぬか洗剤の作り方・使い方・効果

キャンプやBBQなどで予洗いの洗剤としても使える米ぬか洗剤。野外での洗剤の使用を控えたいときは、米ぬかとお水で汚れは十分に落ちます。今回はご自宅でも使っていただける、より洗浄力がアップした米ぬか洗剤についてご説明しますね。

米ぬか洗剤の作り方

米ぬか洗剤の作り方をご紹介しましょう。

材料

・水 300cc(精製水)
・重曹 10g
・米ぬか 100g

作り方

1. 大きめの深い鍋に水を沸騰させます。
2. 沸騰したら重曹を加えます。
3. 沸騰した泡が小さくなってきたら、米ぬかを少しずつ加えて混ぜていきます。
4. 焦がさないように10分ほど混ぜると完成です。
5. 粗熱をとり、冷めたら密閉できる容器に移して固めてください。

米ぬか洗剤の使い方

冷蔵庫での保管で1週間以内に使用してください。泡立ちはしませんが、石鹸として使えます。
私は化学洗剤使用禁止のBBQ場やキャンプ場で軽く使用して、帰ってからちゃんと道具を洗うようにしています。
以前、台東区の「モノマチ」というイベントでワークショップをしましたが、実際に使ってみた方々が「手がしっとりしてる!」「本当に石鹸で洗ったみたいにサッパリしますね」と嬉しいお声も頂けました。
近年では米ぬかは昔の人々の知恵に加え、現代の科学も合わさることで様々な有用性が見出されています。しかも、お米を精米するときに出る副産物なので、とてもエコな材料と言えます。
是非、皆様のライフスタイルに合わせて楽しんでみてください。

小林先生オススメ! 今食べたいお米は「北海道中空知産ななつぼし」

小林先生オススメ! 今食べたいお米は「北海道中空知産ななつぼし」
小林先生オススメ! 今食べたいお米は「北海道中空知産ななつぼし

私が今食べたいオススメのお米は「北海道中空知産ななつぼし」です! しっかりとお米の甘みを感じつつも、ササニシキに近い控えめな粘り。
お寿司屋さんでも使って頂いていますが、シャリほぐれが良い。
ご家庭ですと、お茶漬け・卵かけご飯でも必要以上にご飯同士がくっ付き合わずにサラッと美味しく頂けます。以前、アサリの炊き込みご飯を作ったときに使いましたが、そのままでも、だし茶漬けにしても大満足の美味しさでした。

吉田屋オンラインショップで「北海道中空知産ななつぼし」を詳しく見る>>

東京・浅草橋の老舗米屋「吉田屋」

吉田屋

吉田屋オフィシャルサイト
吉田屋ショップサイト
吉田屋Facebook
住所:東京都台東区浅草橋 1-22-13
電話番号:03-3851-5484

Close
Copyright © haccola. All Rights Reserved.
Close