2020年7月22日(水)~8月6日(木)は、二十四節気の「大暑(たいしょ)」にあたります。二十四節気とは、古代中国から伝わった、1年間を約15日間に分けて24等分した暦です。
前回の「小暑(しょうしょ)」は、二十四節気の11番目の節気で、本格的な夏の到来を告げてくれました。今回ご紹介する「大暑」は、小暑の次の節気で、二十四節気の12番目にあたります。大暑とは、どのような時期で、どんな食べものが旬を迎えるのでしょうか? また、大暑にピッタリの発酵レシピとして、冷たいつゆなしそば「醤油麹と鰹節の具だくさん発酵混ぜ冷そば」と、アンチョビを使わない「夏野菜と発酵バーニャカウダソース」、カレーの付け合わせとしても合う「ズッキーニとスパイスの発酵レモン塩炒め」をご紹介します。
大暑(たいしょ)とは
大暑(たいしょ)とは
1年を通して最も暑い時期です。真夏日や熱帯夜が始まるのもこのころ。
ちなみに、日最高気温25℃を超えた日を夏日、30℃を超えた日を真夏日、35℃を超えた日を猛暑日といい、夜間の最低気温が25℃度以上の日を熱帯夜といいます。
太陽の日差しが強くなり、うだるような暑さが続く大暑のころに、昔の人は、軒先に風鈴を下げて音で涼を感じたり、道端に打ち水をしたりなど、日常の中で涼を感じる納涼文化を育んできました。
土用の丑の日
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬直前の約18日間の期間を示す言葉です。昔の暦では日にちを子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の十二支で数えていました。土用の丑の日とは、土用の期間中の丑の日を指しています。
土用は季節の変わり目で、体調を崩しやすい時期でもあります。そこで江戸時代に、精のつくうなぎを食べる風習が広く始まったといわれています。
なぜ、うなぎを食べるのか。それにはまず、万葉集にうなぎが出てくる歌があるから、という説があります。その歌は、「うなぎは夏痩せが期待できて、滋養強壮にもピッタリ」という内容のため、奈良時代には夏のパワーの源としてうなぎが食べられていたようです。
また、土用の丑の日にうなぎが食べられるようになったのは江戸時代といわれています。うなぎの旬は冬であり、夏にうなぎが売れなかったため、丑の日の「う」にちなんでうなぎを食べようというキャンペーンが当たったという説もあります。ちなみに、そのキャンペーンの仕掛け人は、江戸時代の文化人、平賀源内といわれています。
一の丑、二の丑
一の丑、二の丑
十二支で日付をあらわすと、13日目にはまた同じ干支が巡ってきます。土用の期間は18日間程度あるので、そのなかで「土用の丑の日」が2回ある年もあるのです。そんな年は、1度目の丑の日を「一の丑」、2度目の丑の日を「二の丑」と呼んでいます。
そして2020年は、「一の丑」と「二の丑」がある年! 「一の丑」は7月21日(火)、「二の丑」8月2日(日)となり、正々堂々と高級なうなぎを食べられる日が2日もあるいい年です。
大暑の七十二候(二十四節気をさらに3等分したもの)
桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
桐の花が花を咲かせ、丸い実をつけるころ。神聖な木とされる桐は日本国政府の紋章にも使用されている。
土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
熱気と蒸し暑さが増すころ。草木は太陽の光をめいっぱい浴び、青々とした濃い緑に色づく。
大雨時行(たいうときどきふる)
夏はときおり激しい雨が降る。入道雲が湧き上がると暑さが流され、ひとときの清涼をもたらす
大暑の旬のおすすめ養生野菜
トマト、じゅんさい、さやいんげん、おくら、ゴーヤ、ズッキーニ、ピーマン、パプリカ、とうもろこし、キュウリ、にんにく、茄子、みょうが、枝豆、とうがん
醤油麹と鰹節の具だくさん発酵混ぜ冷そば│大暑の二十四節気発酵レシピ
醤油麹と鰹節の具だくさん発酵混ぜ冷そば│大暑の二十四節気発酵レシピ
そばにたくさんの具を乗せてぐるぐるかき混ぜて食べる、夏にぴったりの冷たいつゆなしそばです。お野菜もいっぱい食べられます!
材料
茹でて冷水でしめたお蕎麦にのせた具材
・生姜で炒めた茄子(レシピあり)
・きゅうり(千切り)
・オクラ(輪切り)
・いぶりがっこ(千切り)
・わさび茎漬物
・ミニトマト(半分切り)
・醤油麹 大さじ2~
・鰹節 ひとつかみ
・ごま油 ひとまわし
・ごま 少々
・味噌 ひとつまみ
生姜で炒めた茄子
・茄子 1本 縦に細く切る
・生姜 1片 千切り
・鷹の爪 2つ~
・塩麴 大さじ1~
・醤油麹 大さじ1/2~
・ごま油 大さじ1
作り方
1、フライパンに油と鷹の爪と生姜を弱火で香りが出るまで炒める。
2、香りがでたら茄子を入れ、塩麴も入れ茄子に油をまとわせるように混ぜる。
3、醤油麹を入れまぜフタをして茄子に火を通す。
4、火が通ったらごま油をひとまわしして完成。
ポイント
・醤油麹と鰹節、生姜で炒めた茄子が決め手です。あとはお好きな野菜をザクザク切って乗せてください。
・お蕎麦はゆでた後、流水で洗い、氷水で冷やすとキュッと締まります。
・盛り付けのポイントとして同じ色のお野菜(きゅうりとおくら)は対角線に盛り付ける(隣に盛り付けない)
夏野菜と発酵バーニャカウダソース│大暑の二十四節気発酵レシピ
夏野菜と発酵バーニャカウダソース│大暑の二十四節気発酵レシピ
バーニャカウダソースにはアンチョビを使いますが、このレシピはアンチョビナシで作れます! お野菜が無限に食べられるソースです^^
材料
・ニンニク 1つ(7~8片) すべて皮をむく
・お水 少量
・A
豆乳 80ml
味噌 大さじ1 違うタイプのお味噌2種がおすすめ
ナンプラー 大さじ1(醤油でもOK)
・オリーブオイル 大さじ3~
・ブラックペッパー 少々
作り方
夏野菜と発酵バーニャカウダソース│大暑の二十四節気発酵レシピ
1、小さめな鍋に、にんにくとお水を少量入れフタをして、弱火で蒸し煮する。
このときに入れるお水は蒸し煮するときのスチームのためです。火が通ったときに水が飛んでいるのが理想なので、様子を見ながら指し水をすると良いです。
2、にんにくに箸を刺し、火が通っているのを確認できたらAを鍋に入れる
3、ハンドブレンダーでペーストにする。ハンドブレンダーがなければフォークでつぶしてもOK
4、小さなココットに入れてオリーブオイルでひたひたにし、うえからブラックペッパーをかけて完成
ポイント
・野菜のカットのポイントは手でつかんで食べやすいように薄く切る、または細長く切るのがおすすめです。
・今回使用した食材は、ケール、ビーツ(赤、黄)、ズッキーニ、トマト、ピーマン、ヤングコーン(こちらだけグリル、他は生)ですが、他のおすすめ食材は、大根(葉の方の部分)、ニンジン、レタス、キュウリ、キャベツなど
・グリルしたお野菜にも合います
ズッキーニとスパイスの発酵レモン塩炒め│大暑の二十四節気発酵レシピ
ズッキーニとスパイスの発酵レモン塩炒め│大暑の二十四節気発酵レシピ
発酵レモン塩を使ってターメリックで色付けしたズッキーニを炒めました。目にもさわやかな一品です。
材料
・ズッキーニ 1本
・アンチョビ 2尾 フォークでつぶす
・ターメリック 小さじ1
・にんにく 1片 みじん切り
・発酵レモン塩 大さじ1
・塩麴 大さじ1
作り方
1、ズッキーニを輪切りにする
2、ボウルにズッキーニとターメリックを入れ手で揉みこむようにズッキーニとターメリックを合わせる
3、フライパンに油をしき、にんにくとアンチョビの香りを弱火で油にうつす
4、ズッキーニと塩麴と塩レモンを入れ全体を混ぜ合わせる
5、フタをして弱火で火を通して完成
ポイント
ターメリックは油で火を通すと色がより鮮やかになります。ズッキーニは火を通しすぎると食感が失われてしまうので、フタで蒸しながら焼くのが時短にもなりおすすめです。カレーの付け合わせとしても合います^^
大暑は、二十四節気の夏の最後の節気
今回はサッと作れる3品をご紹介しました。
夏の喉の渇きには、食材からの水分補給も重要です。生の野菜や果物が抱えている水分には栄養がたっぷり! 火を通したお野菜もgoodですが、ぜひ生の状態のお野菜を積極的にいただきましょう。
大暑は、二十四節気の夏の最後の節気です。次はいよいよ立秋。今年は生活ががらりと変わった方も多いと思います。2020年も後半に突入しました。みなさまひとりひとりが、今年を良い年にできますよう、力を合わせて行きましょう!