2021年10月8~10月22日、二十四節気の「寒露」にあたります。二十四節気(にじゅうしせっき)とは古代中国から伝わったもので、春夏秋冬の季節をさらに約15日間ずつ分けた暦です。 前回の節気である「秋分(しゅうぶん)」では、本格的な秋を迎え、春分まで陽から陰に切り替わる季節を迎えました。
今回紹介する「寒露(かんろ)」はどのような季節を迎えるのでしょうか? 旬食材を使った発酵レシピとともに、寒露の季節を感じてみましょう。
今回は、旬を迎えるきのこをたっぷり使った「乳酸菌きのこ」と、そのアレンジレシピ「乳酸菌きのこと玉子のすっぱいスープ」をご紹介します。
乳酸菌きのことは
乳酸菌きのことは、湯通ししたきのこを塩水に漬け、乳酸発酵させたものです。火を通しているのでそのまま食べることもできるうえ、炒め物などにも使える万能発酵常備菜です。スープは白濁していて少しトロミがあり、旨味を豊富に含み、乳酸菌による酸味があります。
発酵が進みすぎると味が落ちてしまうので、1か月ほどで使い切りましょう。 乳酸菌は火を通しても腸内細菌、善玉菌の餌になりますので、加熱する料理に使用しても問題ありません。
乳酸菌きのこの作り方・レシピ
材料
・保存瓶 煮沸消毒かアルコール消毒をしておく
・お好きなきのこ4~5種類 500g
・お水 600ml
・塩 大さじ1
・にんにく 1片(皮を剥いて半割にし、芯をとる)
・赤トウガラシ 少々(なくても〇)
作り方
1、お好みのきのこ類を500g、一口大にカットする。(今回はしめじ、まいたけ、椎茸、えのきを使用)
2、きのこを1分間サッと湯通しする。(湯通ししたお湯は、出汁を含んでいるのでお味噌汁などに使いましょう)
3、ボウルに水と塩を入れ、よく混ぜて塩を溶かしておく
4、瓶に湯通しして湯をよく切ったきのこを入れ、にんにく、唐辛子を加え、3の塩水をそそぐ
5、フタをしたら常温のまま3日間、直射日光を避けた場所で保管する。1日1回下からかき混ぜる。
6、3日後に完成。 冷蔵保存に切り替える。
写真のように表面に産膜酵母が張ることがあるので、キッチンペーパーでぬぐい取る。(産膜酵母は体に害はありませんが、味が落ちるので取り除きます。)
産膜酵母を取り除いたあとの完成形がこちら
白濁し、香りと酸味があります。以降冷蔵保存に切り替えます。
ポイント
冷蔵保存で1か月以内が美味しくいただける期間ですから、この間に食べきりましょう。冷蔵保存以降は混ぜる必要はありません。
もし産膜酵母が張ったら、またキッチンペーパーなどで取り除いてください。
乳酸菌を多く含むので、汁ごといただけます。火を通しているので、そのままお召し上がりください。
おすすめの食べ方
・オリーブオイルと塩麴とあえて冷製の一品として
・オリーブオイル、にんにく、塩麴を加えてブレンダーで撹拌して発酵きのこドレッシングに
・スープに汁ごと加え、軽く火を通して乳酸菌スープに
・醤油とみりんと発酵きのこを汁ごと煮詰めて、手作りなめたけに
・豆腐に発酵きのこ、鰹節とネギをたっぷりかけて発酵冷ややっこに
・フライパンに唐辛子とニンニクを炒めて、発酵きのこを加えてペペロンチーノに
とにかく万能なので、工夫次第でどんな料理にでも使うことができます!
「乳酸菌きのこと玉子のすっぱいスープ」の作り方│乳酸菌きのこのアレンジレシピ
酸辣湯風、サッとできて旨味たっぷりのスープです!
材料
・乳酸菌きのこ 200g(汁ごと)
・玉ねぎ 1/2玉 大き目のみじん切り
・お水 500ml
・塩麴 大さじ2
・にんにく 1片 みじん切り
・唐辛子 少々
・玉子 2つ
・ごま油 少々
・ごま 少々
・ニラ 飾る程度
作り方
1、鍋ににんにくと唐辛子を炒め香りを出す
2、鍋に玉ねぎを加えよく炒める
3、乳酸菌きのことお水を加え、塩麴を入れ、ひと煮立ちさせる
4、味見をして、塩で味を整えたら、強火にして溶き玉子を回しかける
5、玉子に火が通ったら器に盛り付け、ごま油とごま、刻んだニラをかけて完成
寒露(かんろ)とは
2021年10月8~10月22日は寒露です。日が暮れるのが早くなり、空の色や虫の声に、より一層秋を感じる季節。夜は肌寒くなります。自然の景色、山も豊かに色づき、収穫の秋のピークを迎えるのもこの頃。
今年は10月20日に秋の土用に入ります。(11月6日まで)
季節の変わり目、夏の疲れが出やすい時期といわれています。普段よりも滋養食をとるよう努め、これから迎える冬に向けて体を整えていきましょう。
寒露の七十二候(しちじゅうにこう)
二十四節気の一節気をさらに約5日ごとにわけて、気象や動植物などの変化や季節の移り変わりを告げてくれるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
鴻雁来(こうがん、きたる)
雁(ガン)が北から渡ってくるころ
菊花開(きくのはな、ひらく)
菊の花が咲き始め、各地で菊の展示や品評会が行われるころ
蟋蟀在戸(きりぎりす、とにあり)
鈴のような声でキリギリスが鳴き始めるころ
寒露の旬野菜
はしり(市場に出回りはじめたもの、初物)
ごぼう、やまといも、ゆり根、下仁田ネギ、ほうれん草、ねぎ、かぶ、サツマイモ、春菊、白菜、ワサビ
さかり(おいしくて栄養価も高く、価格も安定)
ルッコラ、チンゲン菜、マツタケ、かぼちゃ、レンコン、海老芋、ぎんなん、ニンジン、ヤーコン
なごり(旬の終わりかけ、コクや深みを楽しむ)
レタス、きゅうり、ミョウガ、新生姜、里芋
寒露の旬食材
くだもの
国産ライム、シークワーサー、文旦、みかん、なし、柿、ザクロ、いちじく、アケビ、リンゴ、キウイ、ぶどう、青パパイヤ、スターフルーツ、ぎんなん、栗
魚介
あさり、つぶ貝、アオリイカ、スルメイカ、エビ、シャコ、サンマ、イワシ、ニシン、カツオ、ボラ、マガレイ
手軽に作れる発酵きのこで秋の日々を健やかに
今回は乳酸菌きのこをご紹介しました。いろいろな発酵ものを季節ごとに仕込んでいますが、今回ご紹介した乳酸菌きのこは本当に万能です。通年仕込むこともできる、おすすめの発酵常備菜です。
秋から冬、春にかけての期間は、内側へのエネルギーに意識が向く季節といわれています。滋養を高め、夏の発散の季節向けて蓄えるという期間です。自分の活力になるような食事を心掛けていきたいですね。
そして今月20日からは土用入り、ゆったり気楽に過ごすのが吉とされています。不安を感じる日もまだ続きそうですが、体の疲れをとり、エネルギーを高めておくのが一番の健康法です。体調管理に気をつけて、秋を過ごしてまいりましょう!