2022年4月5日~4月19日、二十四節気の「清明(せいめい)」にあたります。二十四節気(にじゅうしせっき)とは古代中国から伝わったもので、春夏秋冬をさらに約15日間ずつ分けた暦です。
前回の節気である「春分(しゅんぶん)」では、季節の始まりにいちばんふさわしい春分の日を迎え、また新しい1年のスタートを切りました。今回ご紹介する「清明(せいめい)」は実際にはどのような季節を迎えるのでしょうか?
この記事では、今の時期に旬を迎える野菜を使った発酵保存食の作り方・レシピとともに、清明についてご紹介します。今回はそら豆と4つの材料で作る自家製の豆板醤を、ビンを使って作ってみました。自家製豆板醬を使ったアレンジレシピ「旨辛スープ」も合わせてご紹介します。
季節の発酵保存食シリーズ【清明】手作り豆板醤
豆板醤とは、そら豆に唐辛子や食塩を加えて発酵させた、中国の代表的な辛味噌です。そら豆を使うことで独特の香りや旨味が出ます。本場の豆板醤には麹は入っていませんが、今回ご紹介する豆板醤は麹を使って手軽に作れるものです。
材料は4つ、そら豆、コチュカル(辛くない唐辛子)、麹、塩のみです。発酵を促すため、ご自宅の味噌をいれてもいいでしょう。中華料理には欠かせない調味料ですが、普段使いにもおすすめです(使い方はレシピのあとに記載しています)。
「手作り豆板醤」の作り方・レシピ
材料(作りやすい分量・200gほど)
・そら豆 10莢(さや)~
・麹 60g
・塩 30g
・ご自宅の味噌 大さじ1~2
・コチュカル(辛くない唐辛子)12g
※韓国食材店やインターネットでも手に入ります。普通の唐辛子であれば大さじ1~で代用してもかまいません。
下準備
そら豆はさやからとって、蒸し器で5分(または茹でて5分)してあら熱をとり、薄皮を剥いておきます。
そら豆:麹:塩=4:2:1で分量を量り、コチュカルは薄皮を剥いたそら豆の総量の1/10で作ります。そら豆の重さによって、他の材料の分量も変えてください。
作り方
1、すべての材料をボウルに入れ、ハンドブレンダーでまんべんなく混ぜる。ブレンダーがない場合は、ジップロックにそら豆を入れ、指でよくつぶし、そのあとにすべての材料をいれてよく混ぜます。
2、煮沸消毒かアルコール消毒をした瓶に、空気が入らないように詰めていきます。少量ずつスプーンで押し付けながら詰めるとうまくいきます。
3、詰め終わったら、上から腐敗防止に塩(分量外)をふりかけます。瓶の内側についてしまったものは、ティッシュなどで拭ってきれいにしてください(腐敗を防ぐため、できるだけまとめておきます)。
発酵のさせ方
かるくフタをして、真夏なら2週間~、真冬なら1か月~、直射日光を避けた場所で発酵させます。
1か月後の様子
柔らかくなり、いい香りがします。
常温発酵から冷蔵保存に切り替えて、約半年(あるいは1年~)保存できます。常温から冷蔵に切り替えるタイミングは、柔らかくなり香りがよくなったときです。冷蔵庫のなかでも、緩やかに発酵は続きます。
トラブルシューティング
カビが生えることがありますが、そこを取り除き、上からまた塩をかけて保存しましょう。
瓶の内側にできた空気の部分がカビた場合、それを取り除くと食べることができます。
使い方いろいろ
本場の豆板醤は油で炒めて香りを出してから使いますが、今回仕込んだ豆板醤は麹が入っているので焦げやすいです。炒める場合は弱火で、もしくは後から入れることをおすすめします。
・豚肉や野菜と一緒に炒めて旨辛な野菜炒めに
・生の野菜にそのままつけて食べても〇
・スープに溶かし入れると中華風に
・切った野菜にごま油と一緒に和えて、お手軽な中華の前菜に(タコやイカなども合います)
いろんな食べ方でぜひ楽しんでみてください!
アレンジレシピ「自家製豆板醤の旨辛スープ」の作り方・レシピ
材料(2人分)
・豚肉 100g 1口大カット
・まいたけ 1/2房 小さくちぎる
・チンゲン菜 2房 3㎝ざく切り
・ニラ 1束 4㎝カット
・絹とうふ 80g
・水 1ℓ
・生姜 1片 みじん切り
・自家製豆板醤 大さじ1.5
・味噌 大さじ1
・塩麴 大さじ1
・塩 少々
・ごま 大さじ4~ すり鉢ですりおろしておく
・コチュカル 少々
作り方
1、鍋に生姜とオイル(分量外)を入れ、弱めの中火で香りを出す。
2、豚肉、まいたけ、チンゲン菜を炒める。旨味出しに塩麴を加える(焦げやすい場合は差し水をしながら炒める)。
3、材料に火が通ったら水を加え、沸騰したら弱火にし10分ほど煮立たせる。
4、豆板醤、味噌を溶かし入れ、すりおろしたごまを加える。
5、味見をして塩で整えたら、最後に豆腐をスプーンですくっていれ、ニラを入れてさっと火を通し、コチュカルをかけたら完成。
自家製豆板醤さえあれば、簡単に自宅にある野菜でおいしい中華風のスープができます。ぜひお試しください!
清明(せいめい)とは
2022年4月5日~4月19日は清明です。清らかで明るい春の日を感じ、草木が芽吹き始め、鳥や蝶が舞う気持ちのいい季節。4月8日はお釈迦さまの生まれた日で、空から甘露の雨が降ったという言い伝えから、甘茶を飲むお祝いの日である花まつりがあります。
春の土用 4月17日~5月4日
4月17日から土用入りします。土用とは季節の代わり目で養生をし、新しく迎える季節に備える期間です。代わり目にある約18日間を指し、年に4回あります。
春の土用は立夏までを指します。この期間はデトックスを促し、夏に向けて栄養補給をするといいでしょう。おすすめの食材はキャベツ、菜の花、きんかんなどです。
二十四節気 春の暦
初春:立春、雨水(桃の節句)
仲春:啓蟄、春分
晩春:清明(←今ここ)、穀雨(八十八夜)
清明の旬野菜
はしり(市場に出回りはじめたもの、初物)
じゃがいも、さやいんげん、おくら
さかり(おいしくて栄養価も高く、価格も安定)
うるい、明日葉、つくし、タラの芽、クレソン、春キャベツ、ルッコラ、みつば、さやえんどう、ホワイトアスパラガス、アスパラガス、セロリ、山ウド、ふき、レタス、新玉ねぎ、タケノコ、ワラビ、トマト、そら豆、新ごぼう、チンゲン菜
なごり(旬の終わりかけ、コクや深みを楽しむ)
からし菜、ふきのとう
清明の旬食材
くだもの
いちご、びわ、マンゴー、甘夏、デコポン、はっさく
魚介
あさり、はまぐり、シジミ、ホタテ、サザエ、トコブシ、ホタルイカ、アオリイカ、牡丹エビ、しゃこ、きびなご、初カツオ、ハタハタ、ニシン
5番目と6番目の春の暦を迎えました
4月17日から最初の夏の暦である立夏まで、春の土用に入ります。昔の人は暦を健康管理や農作業のめやす、日常生活の羅針盤にしてきました。土用は季節と季節の間、体調や心の変化が起こりやすい時期として、特に養生を必要とする期間になっています。
食べるのも遊ぶのも働くのも、健康な体と心があってこそ。日々の養生はその土台作りです。無理をせず体を労わり、これから来る季節に向けてパワーチャージしてくださいね!