東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんによる二十四節気に沿った発酵料理のレシピをご紹介します。
今回のレシピ、『ラムと下仁田ネギの酒粕シチュー』は、1月20日(土)の「大寒(たいかん)」からの先付けとして「発酵居酒屋5」さんで召し上がることができます! ぜひ足を運んでみてくださいね!
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大寒はもちろん、冬の土用は、体温を上げる熱性の食べ物を
「大寒」、字面も寒々しいですね。
そのぶん、いただく食べ物は大いに温まる“大温”なもので体温を上げて参りましょう。
東洋医学や食養生的な考え方では、食材の性質が人の体温に影響を与えるとされています。体を温める物の中で、特にその力が強いものを熱性といい、冬の土用は熱性の食べ物をいただくことを意識すると良いでしょう。
体温を上げる熱性の食べ物とは?
熱性の食べ物、野菜では「ネギ」がオススメ
体温を上げる熱性の食べ物、野菜ではネギが一番なじみやすく、効果も高いと思います。
八百屋さんでも、葉が青々と美味しそうな泥ネギも出回り、下仁田ネギは火を通すとトロッとした食感となり、いかにも体を温め、喉の乾燥を潤してくれそうです。
熱性の食べ物、お肉では「羊の肉(ラム・マトン)」がNO.1!
お肉では、羊の肉がいちばん熱性であるとされています。私自身の感性では、イノシシの肉も熱性を感じますね。
酒粕は最強の発酵食品
酒造りの真っ最中であるこの時期、酒蔵でもスーパーでも酒粕がたくさん出回っていて、個人的に、酒粕は最強の発酵食品だと思っています。
人類が食べる食料のうち、実に20%をも占めるのがお米だそうです。その世界一のスーパーフードであるお米が、麹菌、酵母菌、乳酸菌などの様々な菌類や、何万種類にも及ぶであろう様々な酵素で醸されて、もろみの状態のお酒になり、それが絞られお酒と酒粕に分かれます。活きている菌や酵素は、お酒の液体よりもこの酒粕の中にこそ残っています。酒粕は腸内の環境を整えてくれるばかりか、体をも大いに温めてもくれます。
熱性の食べ物、「ネギ」と「羊肉(ラム)」+最強の発酵食品「酒粕」を合わせたシチュー
ネギ、羊、酒粕を合わせて炊いて、シチューに仕立てた『下仁田ネギと塩麹ラムの酒粕シチュー』で、体と腸内を大いに温めて、冬の土用も大いに発酵してまいりましょう。
『ラムと下仁田ネギの酒粕シチュー』レシピ
材料
・羊肉(子羊肉のラムだとクセが少ない) 500g
・下仁田ネギ 3本
・トロミを足すためのための根菜(ジャガイモ、ニンジン、レンコン、大根、里芋など) お好みの量で
・酒粕 150g
・出汁 1,500cc
・おろしショウガ 30g(お好みでにんにく15gほど)
・白味噌 50g
・塩 適量
作り方
1: ラムは重さの10%ほどの塩麹で1日漬け込む。
※かたまり肉の場合は3日ほど漬け込むか、1時間ほど弱火で炊いて冷ましたあとに手で裂いてほぐし身に。そのほぐし身を塩麹で揉み込んで1時間ほどおいて下味をつける。その際の茹で汁を出汁にする。鰹節や昆布と炊くとさらにおいしいくなる
2: 鍋に炒めるための油を敷き、ラムを入れ炒める。
※少し焦がすとメイラード反応で旨味が出るが、仕上がりの色が褐色になる
3: さらに、小さく切った根菜、ショウガを炒め、香りが出たら出汁を入れて、具材に火が通るまでじっくり煮る。
4: 煮汁に酒粕を溶かし込む。
※味噌を溶くザルやミキサーなどを使うと便利
5: 下仁田ネギを入れ5分ほど煮る。
※長い時間煮ると煮崩れるので注意
6: 塩、こしょう、白味噌で味を整えて、出来上がり。お好みで、クミン、カルダモン、山椒、コリアンダーなどのスパイスを低温の油でじっくり抽出したテンパリングオイルをかけていただくのもよいでしょう。
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