東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さん。「麹菌に“大”いに“使”われています(笑)」という鈴木さんによる二十四節気に沿った発酵料理のレシピをご紹介します。
今回のレシピ、『稚鮎の甘酒甘露煮、酒粕練り梅添え』は「発酵居酒屋5」さんで召し上がることができます!
5月21日(日)の小満以降の先付けとして提供されますので、ぜひ足を運んでみてくださいね!
二十誌節気「小満」(2017年5月21日)とは
小さな命たちが大いに笑う
小満とは、陽気も高まり、万物に成長の気が満ち始める時候です。
初夏のさわやかな空気が本格的な夏の到来を予感させてくれます。
梅雨入りから夏至という高温多湿な時期が来ると、虫やカビ、細菌類などの微生物たちも活発になってきますので、防虫、除湿、防カビの準備も大事です。
発酵食品も、この時期に仕込むものは仕上がりが早いです。
寒の時期に仕込んだ味噌も、徐々に成長のスピードが速まってきます。
同じく、食中毒をもたらす悪玉菌たちも活発になるので、食材管理、衛生に注意が必要になります。
小さな生き物、菌や微生物にも満ちる命の力。
小さな命の気を感じる事で、細部に神を宿すような良い仕事ができますように。
初夏から旬を迎える鮎。
小さな稚鮎を甘露煮にしました。
甘さを抑えるために甘酒を使い、甘さに対するアクセントとして、酒粕風味の練り梅を箸休めに。
保存が利きますので、多めに作って小満の常備菜にするのもおすすめ。ごはんにもお酒にも合います。
稚鮎の甘酒甘露煮
材料
・稚鮎 40匹
・醤油 300g
・みりん 300g
・お酒 300g
・甘酒 300g
・砂糖 100g
・生姜の千切り(紅生姜ほどの太さ) 100g
・実山椒 3g(生の実山椒なら30g)
作り方
1.鮎を水でよく洗う。内臓の苦味が苦手な人は、包丁でお腹の部分を切り落としてよく洗う。
2.バットにオーブンシートを敷き、重ならないように稚鮎を並べ、鮎のたんぱく質が旨味に変わるように雪糀を降りかけ30分置く。
3.140度のオーブンで12分ほど鮎を焼く。(オーブンなどがない人は省力されても大丈夫です。)
4.鍋に甘酒と鮎以外の調味料、材料を入れ火にかける。
5.鍋が沸いたら鮎をきれいに並べるように入れ、40分ほど弱火で炊く。
6.仕上げに甘酒を入れ、さらに5分ほど炊いたら火を止める。
7.ある程度冷めたら、ザルにあけ、タレと鮎を分けて保存する。
発酵わくわく大使・鈴木さんのワンポイントアドバイス
このタレを再利用したり、煮物の味付けや納豆やトロロのタレに活用しても美味しいです。
酒粕練り梅
材料
・寺田本家 醍醐のしずく酒粕 150g
・練り梅(梅干しをすり鉢であてたもの) 150g
・水 120g
・ハチミツ 60g
作り方
全て混ぜ合わせて出来上がり。
発酵わくわく大使・鈴木さんのワンポイントアドバイス
焼酎とソーダとあわせて、酒粕梅サワーとして呑んでも美味しいです。