東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんに、「秋分(しゅうぶん)」について聞きました。
✔ついつい手を合わせてしまうような、そんなお椀です。
南瓜とつくねの菊花あんかけ お彼岸の夕陽仕立て
2017年の二十四節気「秋分(しゅうぶん)」はいつ?
2017年の「秋分」は9月23日です
彼岸に沈む夕日へと手を合わせ、想い人と心を合わせる。
秋分おめでとうございます!
みなさまと、この吉日が迎えられて、この上なく幸せでございます。
世界の暦を見渡すと、春分から始まるものも多く、
その春分からぐるっと半周まわったこの日が、一年の折り返し地点とも言えます。
「秋分」は、次の春分までの準備期間の始まり
精力的に表現し活動していた上半期。
秋分から次の春分までの下半期は、準備の時期ともいえます。
秋分から冬至までは実りを収穫し冬に備え、冬至から春分までは外で活動する機会も減るため、次の上半期に表現するものの準備をする。
そして、また春分という吉日中の吉日から、種が芽吹くように、新しいモノ、コトを発表していく。
北半球における、生物のバイオリズムは、この様な太陽の動きと連動しています。
南半球だと季節は逆になります。
この太陽の動きを把握して予定立てるために、私達は暦を使っているとも言えます。
自然の動きを捉え、その循環の中に身を置くことで、自然と一体化し、変化に耐え得る健康心体が得られると考えています。
秋分の日は秋のお彼岸
また、秋分は秋のお彼岸とよばれ、国民の祝日を定める法律にも、
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」
日とされています。
春分は、
「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」
日とされています。
私、発酵わくわく大使が一年で一番好きな節気が秋分です。
私達が活動するイマジン盆踊り部は、
「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」
事を大事にしておりまして、
今年ははるか西方、パリ郊外のお城にてお彼岸の踊りを奉納させていただきます。
秋分は、1年の黄昏時
秋分の黄昏時、はるか西方浄土に沈む夕陽を眺めると、ノスタルジックな気持ちになり、
穏やかな夕陽の光に包まれると、死んだおじいちゃんやおばあちゃんに包まれているような柔らかさを感じ、
背中をそっと押されるように、また新しい一歩を力強く歩める気がします。
一年を1日に例えると、秋分はちょうど黄昏時とも言えますね。
夜の宴を前に、1日の仕事の終わりのひと時の様です。
鎌倉は稲村ガ崎から臨む秋分の夕陽。陽が落ちゆく時、北鎌倉東慶寺の住職に読経をあげていただき、
陽が落ちてからはお彼岸の盆踊りを西方浄土からやってきたご先祖様方に奉納いたしました。
沈みゆく夕陽に手を合わせ、日々いただく糧に手を合わせ、
感謝とともに下半期の第一歩を、お天道様にまっすぐ向き合い、歩んで参りましょう。
【秋分】に食べたい発酵レシピ『南瓜とつくねの菊花あんかけ お彼岸の夕陽仕立て』
発酵ワクワク大使・鈴木さんがお届けする今回のレシピは、『南瓜とつくねの菊花あんかけ お彼岸の夕陽仕立て(レシピページにリンク)』です。
夕陽のオレンジをお供え物のような鶏団子をかぼちゃで包み、菊の花の餡をかけました。
ついつい手を合わせてしまうような、そんなお椀です。