東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんに、「寒露(かんろ)」について聞きました。
✔秋のサンマを、やわらかく、発酵力たっぷりにいただく一皿
【寒露】秋刀魚の甘露煮 塩麹豆腐クリーム添え
2017年の二十四節気「寒露(かんろ)」はいつ?
2017年の「寒露」は10月8日です
寒さ始まる寒露。そして土用へ。
「暑さも寒さも彼岸まで」とよく言われますが、秋分を過ぎると途端に寒くなります。
白露で草花に露がつく頃を経て、露が寒さを醸し出す。そんな時候です。
時系列で言うと、寒露→土用入り→霜降→立冬と続きます。
2017年10月20日から立冬前の土用入り
寒露の終わり3日、霜降の始まる3日前から、立冬前の土用に入ります。2017年の今年は、10月20日からとなります。
秋の恵みをいただき、冬を越える準備をしっかりと始めましょう。
「外邪(がいじゃ)」と呼ばれる6つ邪気「六邪(ろくじゃ)」に気を付けよう
またこの時期は、夏の湿った空気から冬の乾燥した空気に変わる過渡期でもあります。
東洋医学では、肌や口、鼻を介して体内へ入り込む「外邪」と呼ばれる邪気があります。
外邪はいずれも気候に関わっており、「風邪(ふうじゃ)」、「寒邪(かんじゃ)」、「暑邪(しょじゃ)」、「湿邪(しつじゃ)」、「燥邪(そうじゃ)」、「火邪(かじゃ)」の6つに分類され、「六邪」とも呼ばれています。
「寒露(かんろ)」の頃は「風邪(ふうじゃ)」による風邪に注意
寒露の頃は乾燥した「風」が「邪」気を孕むため、風邪に気をつける必要があります。
風邪は万病の元といいますが、風に乗って病原菌やウィルスが主に喉鼻を通して体に入って来ます。
入って来た病原菌と体の免疫システムとの戦いの果てに、免疫システムが劣勢になると病気が発症し、免疫システムは発熱というプロセスを経て、病原菌を焼き殺そうとします。
風邪の予防法
「寒露(かんろ)」の頃に風邪を引かないためには、
1.病原菌が入らないように呼吸環境を整え、
2.喉鼻で留まってる場合はうがいで流し、
3.体に入ってきてしまった時は、免疫システムのパフォーマンスを上げて病原菌の好きにさせない。
ことが肝腎かと、思われます。
具体的には、マスク、うがい、食事ですね。
外食時には、お冷やよりもお白湯を
電車などで目の前の人が咳やくしゃみをしたら、こちらも口をおさえ菌が霧散するまで呼吸を抑える。
うがいも帰宅時だけでなく、外出時、仕事時でも喉鼻に違和感を感じたらすぐにしましょう。
体を冷やすと免疫システムのパフォーマンスも落ちるので、外食時などはお冷やよりもお白湯を頂きましょう。
そこを渋るような店は、お客さんの体の事に考えが及ばないお店なので行かない方が無難です。
僕が料理長をつとめる発酵居酒屋5では、お節介が過ぎるきらいがあるので、お冷やを頼んでも白湯を勧められたり、お酒やマッコリなどもお燗することを勧められます(笑)。
晩秋から冬の始まりを迎える寒露。
忙しい年末を控えるので、体調を整え万全の態勢で臨みましょう。
学びの秋、発酵について楽しくお勉強してみませんか?
「今はじめたい とっておき糀生活の魅力」@朝日カルチャーセンター新宿教室 ※終了しました
余談ですが、10月14日(土)に「糀とともに送る健康生活」と題したお話と、実際に糀と触れ合うお話会を朝日カルチャー新宿校で、披露させて頂きますので、ご興味を持たれたら是非足をお運びくださいませ。
✔2017年10月14日(土)15:30-17:00 ※終了しました
「今はじめたい とっておき糀生活の魅力」@朝日カルチャーセンター新宿教室
みなとみらい発酵部〜漢方鍋を楽しむ -漢方茶づくり-@みなとみらい発酵部
また、発酵好きが集まるサークル「みなとみらい発酵部」では、僕の彩る数々の食卓に漢方茶を提供してくれた「杉本薬局」三代目の杉本格朗くんと、発酵×漢方の研究会を開かせて頂きますので、こちらも合わせてよろしくお願い申し上げます。
✔2017年11月19日(日) 11:00-13:00
みなとみらい発酵部〜漢方鍋を楽しむ -漢方茶づくり-@みなとみらい発酵部
天高く馬肥ゆる秋、みなさまの益々のご健康をお祈り申し上げます!
【寒露】に食べたい発酵レシピ『秋刀魚の甘露煮 塩麹豆腐クリーム添え』
発酵ワクワク大使・鈴木さんがお届けする今回のレシピは、『秋刀魚の甘露煮 塩麹豆腐クリーム添え(レシピページにリンク)』です。