「坂口工務店」代表 小豆島町議会議員 坂口直人さん【木桶職人復活プロジェクト】

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ヤマロク醤油の山本康夫さんとともに「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げた、坂口工務店代表 小豆島町議会議員 坂口直人(さかぐち なおと)さんにお話を伺いました。

坂口工務店代表 小豆島町議会議員 坂口直人さん
坂口工務店代表 小豆島町議会議員 坂口直人さん

「やらへん?(山本さん)」、「ええよ(坂口さん)」。木桶職人復活プロジェクトはここから始まった

木桶職人復活プロジェクト製作風景

小豆島で坂口工務店を営み、小豆島町議会議員として活動しています。
ヤマロク醤油の五代目、山本康夫さんとは中学からの同級生で、野球も一緒にやっていた幼なじみ。木桶造りは、山本さんに「やらへん?」と声をかけられて、「ええよ」とふたつ返事でした。あいつが言ったら、私は「NO」はないですよ、「やるか、するか」のどっちかです(笑)。

山本さんと坂口さん、2人の後輩の三宅さんと3人で“最後の桶屋”に弟子入り

最初は2012年の1月、山本さんと、後輩の三宅さんと私との3人で、“最後の桶屋さん”と言われる大阪府堺市の桶屋に弟子入りしました。期間も短く、“全工程をどうやるか”しか教われなかったので、あとは小豆島に戻って自分たちで考え抜いて造り続けるのみです。そして2年後の2013年9月20日、ついに新桶が自分たちの手によって完成しました。その木桶は、今ヤマロク醤油の蔵できちっと醤油を育んでいます。

木桶に使用する木材は銘木・奈良の吉野杉を使用。木桶文化の継承と吉野杉の発展のため、共に取り組む

木桶を造るのは、毎年年末から1月に行うこのプロジェクトの期間中です。木桶に使用する木材がしっかり乾燥する時期であることと、ヤマロク醤油が比較的融通が利く時期でもあるので、毎年この時期に木桶を造っています。

木桶の木材は、古来より船の材料としても使われて来た銘木・奈良の吉野杉を使用しています。吉野杉は、毎年、吉野中央木材株式会社さんから納めてもらっています。吉野中央木材さんもプロジェクトの手伝いに来てくれて、木桶文化の継承と吉野杉の発展のため、共に取り組んでいる同士のような感じだと思っています。

木桶職人復活プロジェクトでのラーメンの昼食
木桶職人復活プロジェクトに参加された、「麺や七彩」店主、
株式会社アール・エー・アール取締役の阪田博昭さんたちによる手造りラーメンの昼食

醤油の郷・小豆島が、“木桶のプラットフォーム”になる

小豆島風景

今年は新桶を6本造るのですが、過去最高の本数です。昨年の12月半ばくらいから準備を始めました。プロジェクト期間中に桶を組み上げるのですが、その前の準備が本当に大変で…。体がボロボロです(笑)。
しかしその甲斐もあってか、小豆島は“木桶のプラットフォーム”になっていると感じています。国内に現在3,000~4,000本残っていると言われる大杉樽のうち、小豆島には1000本以上が残っており、狭い地域にこれだけ醤油蔵が密集している地域は他に類を見ません。

「木桶職人復活プロジェクト」に集って得たものを持ち帰り、1年後またここに集合する、これぞ地方創生の場

そんな小豆島で行われるこのプロジェクトには、醸造家や木桶職人、食品関係者など様々な人が参加しています。みんながここで集まって得たものをそれぞれに持ちかえって、1年後またここに集結する、こんなに素晴らしいことってないでしょう? これぞ地方創生だと、私は思っています。

今後は、さらに小豆島のみなさんと一丸となって、木桶で小豆島を盛り上げていきたい

木桶職人復活プロジェクト製作風景

また、これだけ大きな木桶を造っているのは、大阪府堺市の桶屋さんとこのプロジェクトだけ。日本の和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも記憶に新しいですが、このサイズの木桶があったからこそ、今の和食文化があると言っても過言ではありません
このプロジェクトには、国内はもちろん、海外からの参加者も多く、ワールドワイドになってきている実感があります。今後は、さらに小豆島のみなさんと一丸となって、木桶で小豆島を盛り上げていきたいですね。

坂口工務店

坂口工務店

関連リンク

吉野中央木材株式会社

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