東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんによる二十四節気に沿った発酵料理のレシピをご紹介します。
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乳酸発酵の賜物、水キムチ
水気のないザワークラウトの様な乳酸発酵キャベツが最近流行っていましたね。
韓国で夏場に作られる水キムチも、この乳酸発酵の賜物です。米の研ぎ汁や、麺の茹で汁など、普段は捨ててしまうものの中にわずかに残されたデンプンを余さず使う。もうすぐ90歳になろうかという元気な僕のおばあちゃんから伝わるレシピです。
お米の研ぎ汁を沸かして、研ぎ汁の中のデンプンをα化(糊化)させ、甘みが出たら、塩、砂糖、にんにく、しょうが、青唐辛子で味付けをして、その中に好みの野菜を入れて、夏場なら一晩ないしは丸一日常温で発酵させて、乳酸菌の酸味がでたら、冷蔵保存します。
この発酵したおつゆが肝要でして、この乳酸菌たっぷりのおつゆを頂くために、水キムチとは作られるそうです。この水キムチのおつゆと、お出しを合わせたスープで、冷麺を作ります。(韓国では牛の骨がポピュラーですが、日本のカツオ出汁でも美味しいです。)
今回は、水キムチと冷麺の両方のレシピを紹介します。
香味野菜とトマトの乳酸水キムチ&冷麺
材料
・ミニトマト 適量(湯むきしておきます)
・好みのお野菜 適量(食べやすい大きさの千切りに)
・お米のとぎ汁や麺のゆで汁 適量(保存容器の容量の6割ぐらい)
・塩 適量(お吸い物くらいの塩分濃度に仕上げます)
・塩麹 お米のとぎ汁や麺のゆで汁1リットルあたり大さじ1
・砂糖 塩と同量
・にんにく お米のとぎ汁や麺のゆで汁1リットルあたり一欠片(ちょっとだけ潰す)
・厚めのしょうがスライス にんにくの倍程度
・青唐辛子 お米のとぎ汁や麺のゆで汁2リットルあたり1本(香りが出るように軽く潰す)
作り方
1. お米のとぎ汁は、一番最初に研いだ水は汚れが多いので捨てて、2回目や3回目に研いだ研ぎ汁を取っておく。
2. 研ぎ汁を鍋で沸かし、沸いたらアクを引き、叩いて割れ目が入ったニンニクと青唐辛子、厚めに切った生姜、塩、砂糖を入れる。
3. 塩加減はスープやお吸い物として飲んで丁度いいくらいにする。
4. 2の温度が50度くらいになったら塩麹と好みの野菜を入れて、夏なら一晩置くと酸味が立って来るので、酸味が出たら冷蔵庫で保存する。
★ とぎ汁から野菜がはみ出ないように量を調節すること。
そうめんカボチャや葛切りを冷麺に
「発酵居酒屋5(ゴ)」では、八百屋さんがその日その日に旬の野菜を勧めてくれるので毎日野菜が変わりますが、香味野菜は、三つ葉とミョウガ、大葉あたりが人気です。そうめんカボチャと呼ばれる、茹でると果肉が金の糸の様になる金糸瓜も人気です。キャベツや白菜と青柚子などの野菜でも美味しいですよ。
この水キムチのおつゆと、かつお出汁を半々で割り、薄口醤油の潮で味付けすると、冷麺のスープになります。麺は金糸瓜でもそうめんでも、葛切りでも美味しいです。本場の韓国では、蕎麦とでんぷんが合わせた麺で頂きます。是非ともおつゆまで頂いて、お腹の隅々まで菌が届くと良いですね。
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