立冬:発酵ワクワク大使の二十四節気のお話

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東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんに、「立冬(りっとう)」について聞きました。

✔ご家庭での大根の下ごしらえは神経質になりすぎなくてOK!
【立冬】ふろふき大根と黒豆みそダレ


2018年の二十四節気「立冬(りっとう)」はいつ?

2018年の「立冬」は11月7日です

立冬の枯れ葉

長い冬のはじまりに。

土用も明けて、立冬に入りました。
ここから初冬がはじまります。
また晩秋と初冬は折り重なり合う時候であり、すぎゆく秋の名残を楽しむ時候でもあります。

そして長い冬のはじまりです。
地球は1年をかけて太陽の周りを回るのですが、その軌道は真円ではなく楕円です。秋分から春分に向かう下半期は、上半期にくらべ軌道の距離が長いのです。
時間にしたら5日間ほど、体感にしたら倍の10日間ほど長く感じます。

実際に冬は長いのです。

冬は養生を心がけよう

人の人生の老年期は冬に例えられる

初冬の雪をまとった緑の葉

春夏秋冬を人の人生に例えるならば、

・春は生まれた命が萌える幼少期
・夏は命が育つ青少年期
・秋は実を結ぶ中壮年期
・冬は命が果てる老年期

となります。
よって、冬は命が消えていく、死が近い季節ともいえるでしょう。

実際に冬は、色も褪せた光景が広がり、生物の影は薄いですね。
冬を乗り越えられずに果てる命もあります。
よって、冬はとにかく命を養生いたしましょう。

冬は「腎」を養うことが肝腎

東洋医学や陰陽五行の考えでは、冬場は「腎」を養うことが肝腎なことだと言われています。
腎とは西洋医学的な「腎臓」よりも大きな概念です。
泌尿器や腎臓だけでなく、生命力そのものを指す場合もあります。

私の薬膳の先生がおっしゃるには、今は、「肝」と「腎」が肝腎な時代だそうです。
体によくない添加物はもはや毒であり、肝機能が解毒の役割を果たしています。
しかし、食材も昔より栄養素が減っていて、「腎」を補う栄養が足りない。
よって「肝」と「腎」を補う食べ物を意識する必要があります。

「腎」を補う食べ物

黒ゴマ、黒豆などの黒い食べ物

黒豆と黒ゴマ

一般的に、黒い食べ物は「腎」を強くすると言われています。

黒い食べ物として、黒ゴマ、黒豆、小豆、きくらげ、黒米、ヒジキなどの海藻類などが挙げられます。
ただ、海藻類は体を冷やす作用もあるので、温めてから食べるなどの工夫をする必要もあります。

中国のことわざで「立冬補冬、補嘴空」というものがあります。
立冬はその時期に収穫されたものを食べて栄養を補給しよう!という意味のようです。

冬場は「腎」を意識して、しっかり養生なさって、新しい春にしっかり芽吹けるように、体をいたわりましょう。

【立冬】に食べたい発酵レシピ『風呂吹き大根と黒豆味噌ダレ』

発酵ワクワク大使・鈴木さんがお届けする今回のレシピは、『ふろふき大根と黒豆みそダレ(レシピページにリンク)』です。

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