今こそもう一歩、奥へ。麹を知るにはこの1冊でOK!なかじさんの「麹本」をチェックしよう

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なかじさんの最新刊『麹本 KOJI for LIFE』
『麹本 KOJI for LIFE』

麹文化研究家・なかじさんの最新刊『麹本 KOJI for LIFE』

haccolaでは度々にわたりご登場いただいている、麹文化研究家・なかじさんの最新刊『麹本 KOJI for LIFE』は、麹を初めて知るにも、おさらいするにも、みんなにぴったりの1冊です。


なかじさんはかつて千葉県の酒蔵・寺田本家で蔵人として酒造りに関わった実績をもち、現在は、麹文化研究家として国内外での発酵・麹のセミナーを展開。オンラインサロン「なかじの麹の学校サロン」も主宰するなど、発酵に関する発信を広く続けています。

なかじの麹の学校サロン
オンラインサロン「なかじの麹の学校サロン

予想と期待を大きく上回るうれしい驚き

なかじさんの過去の書籍を全て愛読してきたひとりとしては、「いよいよ満を持して、麹のつくり方か!」と出版を楽しみにすると同時に、プロの指導法についていけるかしら?と勝手な緊張でどきどきと本を開きました。するとなんとこの本、本格的な麹の作り方を、一般家庭のキッチンでもつくれるメソッドに変換された内容でした。しかもその“塩梅(あんばい)”がちょうど良いのです。

「職人がつくるもの」と「一般家庭の自家製」は、環境条件のあまりにも大きな違いや、道具の違い、そして、仕込む量の違いや、つくり手の経験値など、いろんな側面において想像以上に大きな違いがあるものです。そのため、「家庭でできる」とうたいながらも難易度が高かったり、逆にあまりにも簡素化され“ふんわりした”説明に寄ってしまうなど、こうしたメソッド化はなかなか難しさを伴うのですが、なかじさんはきっと、過去のご経験から両方の良い面と、新しいニーズのどちらも感じてきたのかなと想像しました。ちょうどいい塩梅で、「むつかしいことがわかりやすく、やさしいことをふかく」解説してくれています。

*小説家・井上ひさしさんの名言「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」「劇団こまつ座」発行『the座』(1989)より

家庭でつくるからには、なるべく特別な道具は使わないようにするという配慮がされた麹造りのツールたち。
家庭でつくるからには、なるべく特別な道具は使わないようにするという配慮がされた麹造りのツールたち。

限られたページに最大限込められた叡智

また、本書を手にして驚いたことがあと2つありました。まずは本のコンパクトさ。てっきり教本のような姿をイメージしていましたが、実際には薄くて軽く、バッグの中に入れやすいものです。(内容はしっかりと教本ですが)

もうひとつは、全編が日本語と英語のバイリンガル対応になっていることです。

全編が日本語と英語のバイリンガル対応。
全編が日本語と英語のバイリンガル対応。

麹は近年、海外でも星付きレストランのシェフなどから支持され、麹=Kojiとして英語になるほど発酵ファンが増加傾向にあります。なかじさんも海外でのセミナー開催などを通して、今の潮流を肌で実感されたのでしょう。この素晴らしい教えが英語でも出版されることに、世界中から歓喜の声が聞こえ出しそうな気がします。


今こそ、つくる経験を増やすとき

本書を読み進めていくと「麹づくりしたい!」という純粋な感情がふつふつと沸き起こる人も少なくないはず。ここに書かれているディレクションに沿って進めれば自分にもおいしい麹がつくれそう、という好奇心でそわそわする気持ちは、遠くいにしえの先人たちを思うようなものかもしれません。

奇しくも本書の発売と時を同じくして、新型コロナウィルス感染拡大防止のために自宅での自粛を求められている今、ひとりで、もしくは家族と一緒に、麹という命の集合体を見守る3日間を過ごすのはいかがでしょうか。

この一冊がきっと、世界の誰かの「生きる」価値観を変えることでしょう。

香りで麹の出来を確認するなかじさん。
香りで麹の出来を確認するなかじさん。

『麹本 KOJI for LIFE』

『麹本 KOJI for LIFE』
『麹本 KOJI for LIFE』

購入 田舎の本屋さんAmazon楽天ブックス
著者 なかじ
定価 1,430円 (税込)
出版 農山漁村文化協会(農文協)

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