発酵食品として気軽に食べたい「わさび漬け」
旅行や出張に行った人からのお土産として「わさび漬け」をもらったことがある人も多いでしょう。「観光地で買う珍味」というイメージがあるためか、「毎日食べるものではない」と思われがちなわさび漬けですが、実は立派な発酵食品であり、簡単に手作りできることをご存じですか?
当記事では、作るのも食べるのも難易度が高そうな発酵食品「わさび漬け」の作り方をご紹介します。また、わさび漬けの健康作用や保存法、賞味期限などもチェックしてみました。
「酒粕」と「生わさび」で、簡単に自家製わさび漬けを手作り!
酒粕と生わさびがあれば、簡単に自家製のわさび漬けができちゃいます! 酒やみりんと練った酒粕に、生わさびを切って混ぜるだけで、手作りのわさび漬けの完成。最近は、スーパーでも生わさびが1年中で回っているので、すぐに入手できそうですね。また、酒粕が味を決めるので、美味しい酒粕が手に入ったら、ぜひ作ってみたい逸品です。
わさび漬けの健康効果
わさび漬けは、わさびの辛み成分や独特の香りのほか、酒粕の健康作用も期待できる健康効果の高い発酵食品です。
抗酸化作用でアンチエイジング
わさびの辛み成分は「アリルイソチオシアネート」といわれ、抗酸化作用がありアンチエイジングが期待できます。また、記憶力や学習能力を改善させる脳細胞の再生効果もみられるそう。
さらに、わさびの「ペルオキシダーゼ」という酵素は、体に入り込んだ異物の解毒を促進するとされ、抗ガン作用なども期待されています。
血液がサラサラで血栓予防作用
わさびに含まれる「アリルイソチオシアネート」は、血液中の血小板の凝集を抑制し、血液凝固を防ぎます。そのため、血液がサラサラになって血栓ができづらくなり、動脈硬化の予防も期待できます。
食中毒の予防
わさびは、食中毒やカビの予防、O-157や腸炎ビブリオ、ブドウ球菌に対しての殺菌作用もあります。また、魚介類などに寄生する線虫に対しての抗虫作用もみられるため、お刺身に添えるなどして昔から利用されているのは、先人の知恵でもあるのですね。
発酵食品の王様・酒粕の健康作用もたっぷり!
酒粕は、ビタミンB2、B6、食物繊維がたくさん含まれてきます。酒粕は、日本酒のもろみを絞った時に残ったもので、発酵に関わった微生物や酵素が生きているため、ゆるやかに発酵し続けています。栄養も豊富で、ビタミンB2は米の13倍、B6は、8倍、食物繊維は約10倍含まれています。
わさび漬けの材料・作り方
【材料】
・わさび(葉、茎、根) 50g
・ねり酒粕 50g
・白味噌 小さじ1/2
・きび糖 小さじ2
・みりん 15cc
・酒 15cc
・塩 1g(わさびを揉むため)
【作り方】
① 生わさびをたわしで洗い泥などの汚れを落とし、葉の付け根も1本ずつ折って丁寧に洗います。
② 根に黒い部分があれば包丁で削ぎ落としてから、フードプロセッサーか包丁で葉や茎・葉を3m位の角に、皮ごと手早くみじん切りにします。
③ みじん切りにしたわさびをビニール袋に入れ、あくを抜くため2%の塩でもみ、冷蔵庫にひと晩おきます。(6時間以上)
④ ねり酒粕をすり鉢に入れて、白味噌、きび糖、みりん、酒を入れてすりこぎでなめらかになるまで練ります。
(味噌によって塩分が変わるので、味をみて塩気が足りなければ塩を足し、甘めが好きなら砂糖を足します。)
⑤ ③のわさびをビニールから出してキッチンペーパーに包み、アクを含んだ水分をギュッと絞り出します。
⑥ ④と⑤をビニール袋に入れてよく混ぜて、なるべく空気に触れないように密封容器に入れ、一晩寝かせて出来上がりです。
※1日置いて、よく味を馴染ませたころが食べごろです。
作るときの注意点
●酒粕にいれる茎の量はそのときの茎の硬さや絞り方によって変わってきますので、お好みのバランスになるよう調節して下さい。
●わさびはみじん切りした後、塩をして、手早くビニール袋に密封しないと風味が飛びやすくなります。
●出来上がったわさび漬が辛すぎる場合、少しふたを開けておくとマイルドになります
賞味期限、保存法
●酒かすは本来長期保存が可能ですが、生わさびを使っていますので、水分が出てしまいます。出来上がったわさび漬は密封しチルド室で保存して、3~5日で食べきりましょう。
●冷凍保存も可能です。2ヶ月は美味しくいただけます。
(解凍は冷蔵庫にて自然解凍し、少し混ぜてからいただきます)