2021年7月22日~8月6日は、二十四節気の「大暑(たいしょ)」にあたります。二十四節気(にじゅうしせっき)とは古代中国から伝わったもので、春夏秋冬の季節をさらに約15日間ずつ分けた暦です。
前回の節気である「小暑(しょうしょ)」では、気温がだんだんと上昇していき、本格的な夏の始まりを迎えました。小暑の次の節気「大暑」は、どのような季節になるのでしょうか?
今回は、夏の土用を控え、消化力が落ちやすいこの時期にぴったりの「ごはんで簡単♪三五八漬け床(さごはちづけどこ)」の作り方とともに、大暑についてご紹介しましょう。合わせて、三五八漬け床を使ったアレンジレシピ「三五八漬け鯛と夏野菜のカルパッチョ」もチェックしてみてくださいね!
三五八漬けとは、福島県、山形県、秋田県の郷土料理で、麹で漬ける漬物のことです。漬床には、塩、麹、米を3:5:8の割合で使うため、三五八漬けと言われています。三五八漬け床は、ぬか床よりも手入れが簡単な漬け床です。この機会にぜひ仕込んでみてください!
「ごはんで簡単♪三五八漬け床(さごはちつけどこ)」の作り方・レシピ
三五八漬けとは、塩:麹:蒸米を、3:5:8の割合で混ぜた漬け床のことです。ぬか漬けのように毎日混ぜる必要がなく、手入れが簡単なので漬物初心者の方でも始めやすい漬け床です。
今回ご紹介するのは、白米ごはんで作る方法です。蒸米を準備せずとも作れるレシピです!
材料
・白いごはん 250g
・麹 250g
・塩 40g
・ホッカイロ 2つ
・タオル
漬け床の作り方
1、ごはんを蒸すか電子レンジなどで温めて手でかろうじて触れるくらいの温かさにする。
2、ボウルにご飯と麹を入れよくかき混ぜる。ラップをかけ、ホッカイロの上にタオルを敷いて、その上に置いて4時間ほど発酵させる。(直接置くと温度が高すぎるため)
3、(4時間後)少し茶色っぽくなり麹の香りがしてきたら塩を入れる。少し味見をして、ほんのり甘ければ塩を入れてOKです。もし甘くなければ、1時間ずつ延長してください。
塩を加えよく混ぜる。よく混ぜ合わせたら漬け床容器に入れ、3日間発酵熟成させる。
4、(3日後)完成
漬け方
好きな野菜をそのまま入れて、冷蔵庫で半日~1日漬けます。食べるときは、軽く麹をとるくらいでOKです。
お肉やお魚を漬ける場合は、袋に大さじ2ほどの三五八漬けの元を入れて漬けてください
ポイント&トラブルシューティング
漬け床の水分が増えてきたら乾燥麹を足します。その際小さじ1程度の食塩も足してください。出来上がりの漬け床の味見をしておくと、麹を足したときに足す塩分の量がわかるのでおすすめです。
「ごはんで簡単♪三五八漬け床」のアレンジレシピ「三五八漬け鯛と夏野菜のカルパッチョ」の作り方
三五八漬けした鯛は旨味たっぷり。ぜひお試しください!
材料
・鯛のお刺身
・ズッキーニ 1/2本
・トマト 4個~
・バジルの葉 少々
・オリーブオイル 大さじ2
・レモン汁 大さじ2
作り方
1、ラップに大さじ2の三五八漬け床を塗り、鯛を包んで1日冷蔵庫で寝かしておく。(急ぐ場合は20分でも良い)
2、ズッキーニ、トマトを漬け床に漬けて三五八漬けを作る。ズッキーニは薄い半月切り、トマトは1/4にカットしておく
3、冷蔵庫で寝かしておいた鯛をカットする。
4、鯛とズッキーニとトマトを皿に盛り付け、上からオリーブオイル、レモン汁、バジルの葉を散らして完成
ポイント
麹は軽くぬぐい取る程度で良いです。旨味を含んだ麹と一緒に召し上がってください
大暑(たいしょ)とは
2021年7月22日~8月6日は大暑です。1年を通して暑さがピークに達する季節。日本では、そのうだるような暑さを、打ち水やすだれ、風鈴などで涼やかに暮らす工夫をして過ごしてきました。そして、7月28日には、年に4度ある土用の中でもっとも重要な「土用の丑(うし)の日」を迎えます。
夏の土用
今年の夏の土用は、2021年7月19日(土用入り)から、8月6日(土用明け)までとなります。
土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間のことを指し、季節の変わり目の期間です。土用の中でも、体調に変化が起こりやすい夏の土用が最も重要視されてきました。
よく耳にする「土用の丑の日」とは、土用期間中の日にちを十二支に割り振った「丑(うし)の日」を指します。2021年の夏の「土用の丑の日」は7月28日で、この日に「う」のつく食べ物で養生すると良いとされてきました。
なかでも、うなぎは定番ですが、他にもうどん、梅干し、ウリ系(カボチャ、きゅうり、冬瓜、ゴーヤ)などもおすすめです。
大暑の七十二候(しちじゅうにこう)
二十四節気の一節気をさらに約5日ごとにわけて、気象や動植物などの変化や季節の移り変わりを告げてくれるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
桐始結花(きり、はじめてはなをむすぶ)
桐が天に向かって花を咲かせるころ
土潤溽暑(つち、うるおいてあつし)
熱気と湿気で蒸し暑さが増すころ
大雨時行(たいう、ときどきにふる)
夏には時に激しい雨が降ってきて、ひとときの涼しい時間をもたらす
大暑の旬野菜
はしり(市場に出回りはじめたもの、初物)
さかり(おいしくて栄養価も高く、価格も安定)
さやいんげん、おくら、ゴーヤ―、とうがらし類、ズッキーニ、ピーマン、パプリカ、トウモロコシ、キャベツ、にんにく、きゅうり、みょうが、茄子、枝豆、とうがん
なごり(旬の終わりかけ。コクや深みを楽しむ)
アスパラガス、じゅんさい
小暑の旬食材
くだもの
ブルーベリー、ハスカップ、ラズベリー、さくらんぼ、もも、ネクタリン、イチジク、すもも、メロン、スイカ、ライチ、バナナ、パッションフルーツ、マンゴー
魚介
ホタテ、サザエ、ホヤ、岩ガキ、うに、アワビ、イカ、エビ、シマアジ、かつお、スズキ、はも、ほっけ、あゆ
どんな食材も漬けるだけで美味しくなる!お手入れも簡単な三五八漬け床
今回はどんな野菜やお肉、お魚でも美味しくしてくれる、お手入れも簡単な三五八漬け床をご紹介しました。これさえあれば、余った野菜などを入れておけるので、大変便利です。
いよいよ1年でもっとも暑い季節を迎えました。暑い外気の気温と、クーラーなどで冷えすぎた室温の差で、自律神経も乱れがちになります。つい、楽しい夏の雰囲気に油断しがちになりますが、毎日の発酵食で夏の養生を大切にしてまいりましょう!