ぬかの継ぎ足し、ニオイ、漬かり過ぎ、保存法…舘野先生直伝!ぬか漬け・漬物の“困った”解決法 その1

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『きちんとおいしく作れる漬け物』の著者であり、料理家で管理栄養士でもある舘野真知子先生。レストラン「六本木農園」の初代シェフを務め、現在は料理家として発酵料理をキーワードに、食の大切さや楽しさを伝える活動をしています。

舘野先生に今回教わるのは、ぬか床を育てる中で直面する“困った”の解決方法。デリケートなぬか床はお世話も大変で、少し環境が変わっただけで調子を崩してしまうため、こまめなメンテナンスが必要です。

舘野先生が教える解決法とはどんなものなのでしょうか? さっそく教わってみました!

舘野先生に今回教わるのは、ぬか床を育てる中で直面する“困った”の解決方法。デリケートなぬか床はお世話も大変で、少し環境が変わっただけで調子を崩してしまうため、こまめなメンテナンスが必要です。

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1:ぬか床の面倒をしばらく見られない!

漬けている野菜を取り出して表面をならし、粗塩を厚く敷いて休ませましょう

継続的なお手入れが必要なぬか床ですが、旅行などで長期間手入れができない場合はどうしたらいいのでしょうか。

「長い間使わないときは漬けている野菜を取り出して、表面をならしてから粗塩を厚く敷いて休ませます。冬なら常温で良いですが、春~秋は冷蔵庫で保管するようにしてください。再開するときは、塩とその下1~2cmのぬかを取り除けば大丈夫です」(舘野先生)。

また、「保存袋に移して冷凍するのもおすすめ」と舘野先生。きちんと環境をつくっておけば長期の留守も安心ですね!

2:忙しくて、毎日ぬかをかき混ぜるのが大変!

毎日かき混ぜなくても大丈夫ですが、週に1回は必ずかき混ぜましょう

ぬか床を毎日かき混ぜるのは大変ですよね。忙しくて手がかけられない時にはどうしたらいいのでしょうか? 

「冷蔵庫で低温保存すると発酵のペースがゆるやかになりますので、毎日かき混ぜなくても大丈夫です。ただし、週に1回は必ずかき混ぜるようにしてください。このとき数時間常温に置いてあげると、発酵菌が活発になって味わいに奥行きがでますよ!」(舘野先生)。

3:ぬか床が少なくなってしまった!

新しいぬか床を継ぎ足してあげれば大丈夫です

ぬかは使うほど減っていくものですが、新しく作り直す必要はありません。「少なくなってきたな」と感じたら継ぎ足してあげれば大丈夫!

「減ってきたら、いりぬか1カップに対して水1/2カップ:塩大さじ1の割合で新しいぬか床を作ります。よく混ぜ合わせてから、継ぎ足してあげれば大丈夫です」(舘野先生)。

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4:ぬか床の保管場所、どこが一番いいのかわからない

キッチンの目につきやすい場所がおススメ。夏場は野菜室も〇です

ぬか床は直射日光が当たらない気温変化が安定しているところが良いとされていますが、「毎日かき混ぜることを考えると、毎日使うキッチンのカウンターなど、目にすきやすいところに置くと良いと思います。気温が高い夏場は発酵が安定するように1日2回かき混ぜるようにしましょう」と舘野先生。

夏場には、野菜室で保存するのもおすすめだそう。「野菜室は温度が低いので発酵の速度は遅くなりますが、雑菌の繁殖も抑えられ、混ぜる回数も時々で良くなります。ただし、常温でしっかりと発酵した糠床を作ってから野菜室へ入れましょう」と続けます。

5:ぬか床の表面が白くなってしまった!

白いものは産膜酵母、カビではないのでかき混ぜてあげて大丈夫です

ぬか床の表面が白くなって、カビだと思い表面のぬかをごっそり削って捨ててしまったりしていませんか? 実はこれ、カビではなく産膜酵母というもので、捨てる必要はないそうです。

「白い部分が底の方にいくように、持ち上げるようにしてかき混ぜてあげれば大丈夫ですよ」(舘野先生)。

6:ヘンな臭いがする!ぬか床がダメになったサインとは?

ポリ袋に入れて冷凍するとニオイが減少。気温が上昇した時は酵母が繁殖しやすいので要注意

「混ぜ不足や塩分不足、水分が多くなりすぎたぬか床は過剰に発酵してしまい、雑菌が増殖してセメダインのような臭いがします。こうなってしまったら、ポリ袋に入れて冷凍してみてください。臭いを抑えることができます。

それから、発酵しすぎるとアルコールのような刺激臭がしますね。酵母が繁殖し、酸素が少なくなってしまうとアルコール発酵が起きるんです。塩分が少なく気温が上昇した時は酵母が繁殖しやすいので要注意です」(舘野先生)。

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何より大事なのは普段のお手入れ

様子がおかしいと感じたら、余分な水を吸い取ったり、塩を足したり、殺菌作用のあるもので調整しましょう

ぬか床にありがちな6つの“困った”の解決法を教えていただきましたが参考になりましたか? でも、何より大事なのは普段のお手入れ。舘野先生もこう教えてくださいました。

「毎日ぬか床の様子を確認し、すくうようにかき混ぜてあげてください。様子がおかしいなと思ったら、ぬか床の状態に合わせて余分な水を吸い取ったり、塩を足したり、鷹の爪や粉からしなど殺菌作用のあるものを足して調整します。

例えば、水分が多い場合は取り除いて、漬けている野菜を取り出してぬか床に塩を足してしっかりと混ると発酵が安定します」(舘野先生)。

ぬか床のお手入れは奥が深いですね! ぬか漬けについて、もっと詳しく知りたい方は、舘野先生の著書『きちんとおいしく作れる漬け物』を読んでみるのをオススメします。

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『きちんとおいしく作れる漬け物』

舘野真知子著『きちんとおいしく作れる漬け物』 成美堂出版 定価:本体価格 1,200円+税

漬け物は塩を利用した食材の保存法ですが、発酵することによって栄養価が高くなり、深い味わいとうまみを作り出します。基本は野菜と塩。そして大気中に漂う微生物の力をお借りして、時間がおいしくしてくれる究極のスローフードです。この本では特別な道具が無くても、マンション暮らしでも、気軽に作れる漬け物129品をご紹介。梅干しやぬか漬け、らっきょう漬けなどの定番から、季節の味を手軽に楽しめる即席漬けまで、漬け物づくしの決定版。

舘野真知子著『きちんとおいしく作れる漬け物』 成美堂出版 定価:本体価格 1,200円+税

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