小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた

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千葉県北部、利根川を挟んで茨城との県境に位置する神崎町(こうざきまち)は今、「発酵の里 こうざき」として話題です。人口6,300人という“千葉県でいちばん小さな町”に、どんな発酵が集まっているのか聞いてきました。

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商品数は400種類以上!厳選された地元&各地の発酵食品

都心からは車で約1時間30分。神崎インターチェンジを降りると見えてくる「道の駅 発酵の里 こうざき」の文字。
そうです、ここは“道の駅”。
広大な駐車スペースとショップ&レストランを兼ね備え、ドライバー達への休息と、地元情報や特産品を提供する場所として2015年にオープンしました。

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まずは早速、大きな「酵」の一文字と、木製の大樽を看板とした発酵食品の販売スペース、「発酵市場」を見てみましょう。

かつての「当たり前」を内外に発信!良いものを知ってもらいたい

お話をお伺いしたのは、株式会社発酵の里の東川さん。

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「たまたま休憩でお立ち寄りになって買い物される方のほか、発酵食品を求めてくる純粋な発酵ファンの方など、様々な方がお越しくださっています。」

一歩店内に足を踏み入れれば、発酵ファンであってもなくても、この品揃えの充実さに感動するのではないでしょうか。
地元の神崎や千葉の名産のほか、全国各地から厳選された発酵食品が所狭しと並べられています。

「せっかくここまでお越しくださる方のためにも、なるべく他とは違う品揃えを心掛けています」とおっしゃる通り、初めて見聞きする商品も多く、思わず一つひとつ手にとって眺めてしまいます。
丁寧に添えられた説明のポップカードや商品リーフレットなども拝見していると、東川さんたちが細やかに配慮しながらセレクトされたことが伝わってきます。

東川さんオススメ! 地元の発酵食品たち

甘酒の種類も豊富! 地元の酒蔵「鍋店」コーナー

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当記事後半で鍋店さんの商品を紹介しています!

もう一つ、地元 神崎町の酒蔵「寺田本家」コーナーも

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都内では売り切れ店続出の「マイグルト」は、寺田本家がお届けする100%植物性、乳酸菌が働いた発酵甘酒。(160ml/330円)
※価格はすべて税込

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同じく寺田本家さんの「酒粕ちいず(100g/750円)」は、自然酒酒粕に米粉と油、塩を合わせた粉チーズ風の調味料。旨みとコクがあり、軽やかな味わいが人気なんだとか。また、「発酵バーニャカウダ(75g/890円)」は、自然酒酒粕とまいたけ・にんにくをじっくり炒めた旨みたっぷりのベジ・バーニャカウダ。ディップやパスタソースにもピッタリです。

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初のプライベートブランド「神崎納豆」

「道の駅 発酵の里こうざき」がプロデュースした初のプライベートブランド商品「神崎納豆(50g×2パック/150円)」。

神崎納豆:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

地元・神崎産の大豆を、天然発酵させて作られたこだわりの納豆。しっかりとした糸引きは力強く、東川さん曰く「指が疲れるほど」。たれは付いていないので、お好みの調味料で楽しめるのもうれしいですね!

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人気コーナー、鈴木糀店さんのお味噌食べ比べ

また、「発酵市場」の密かな人気コーナーはこちら。

鈴木糀店:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

地元の「鈴木糀店」、「平甚商店」、「こうざき自然塾」のお味噌各種がずらりと並んでいます。
スライスされたキュウリまで用意されている配慮に感動しました。たくさんのお味噌も、試食することで、好みの逸品が選びやすくなりますね。

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神崎で生まれた発酵化粧品「はっこうこまち」

発酵の里、神崎発の発酵化粧品「はっこうこまち」のトライアルセット(化粧水と美容液ジェル/600円)。食品だけではなく、さまざまなプロダクトが作られているのですね!

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東川さんオススメ! 各地の発酵食品たち

創業160年の名家、「ちば醤油」の醤油

嘉永7年(1854年)に創業した老舗、千葉県香取市にある「ちば醤油」のお醤油もズラリ。NHK BSプレミアム「イッピン」でも紹介されたという名品を手に取ってみては?

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千葉県産の材料にこだわった万能うまだれ「味禅」

販売本数13万本という人気の万能うまだれ「味禅(660円)」。県内のサービスエリアでも大人気なのだとか。

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良縁に恵まれる!? 出雲の「結び甘酒」

出雲大社の御神酒「八千矛」の酒粕と万九千神社に献上している出雲生姜を使用した、出雲生姜屋さんの「結び甘酒(粉末タイプの甘酒5個/650円)」。

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パッケージもかわいらしく、おみやげにもピッタリです。

色白になれる!? 宮崎の「百白糀」

宮崎にある老舗の乳業メーカー、白水舎乳業さんの「百白糀[ひゃくびゃくこうじ](150ml/350円)」は、牛乳と糀から生まれた全国初の発酵乳飲料。

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色白になっちゃうの?とネットでも話題になったという「百白糀」、牛乳と米糀だけで作られたミルキーでやさしい甘みにオドロキです。

宮城県のソウルフード「しそ巻きくるみ揚げ」

常温で1ヶ月、伝統の保存食と言われる「しそ巻きくるみ揚げ(650円)」は、秘伝の仙台味噌に山くるみと砂糖などを合わせて鉄火で練り、じっくり寝かせたものをしその葉で巻いて揚げたという宮城県のソウルフード。

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しそのサクサク感とお味噌の甘み、くるみの歯触りとコクが白いご飯にもお酒にもマッチします。

道の駅として「安全安心」、そして「地元の魅力」発信も充実!

発酵市場の隣には、地元の野菜や果物が購入できる「新鮮市場」が併設。
さらには24時間営業のコンビニ、広々としたお手洗いや休憩施設も、もちろんどなたでもご利用可能です。
そして、発酵食が堪能できる「Cafe& Restaurant オリゼ」も忘れずにチェックしてください。

Cafe&Restaurant オリゼ[Oryzae]:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

ここでは発酵食材を生かした定食メニューが充実しています。ワンプレートに綺麗に盛られた定食は、お腹をしっかり満たしてくれるボリュームが男性にも嬉しいところ。ランチタイムもたくさんの方で賑わっていました。

女性には、パスタメニューや、軽食として気軽に食べられるものも人気だそうで、早速チェックします!

編集部が食べました!オリゼの人気メニューたち

とろ~りあったか、酒粕入りクリームパスタセット

やさしいお味の「酒粕入りクリームパスタセット(850円)」は、ここならではの人気メニューです。

酒粕クリームパスタ,Cafe&Restaurant オリゼ[Oryzae]:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

クリーミーな味わいの中にほんのりとした甘みが感じられて、お腹の中からじんわりキレイになれそうです。ドリンクには甘酒をチョイスしたら完璧かも!?

ふっくらモチモチ、とうふ豚まん

豆乳入りのもちもち生地とお豆腐入りの具でヘルシーな「とうふ豚まん(350円)」。

豆腐豚まん,Cafe&Restaurant オリゼ[Oryzae]:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

ドライブの途中に立ち寄って、車内で食べてもよさそうですね!

食べ応えアリ!の調理パン

品ぞろえが豊富なパン、悩みながらも以下3つをいただきました!

コロッケサンド,Cafe&Restaurant オリゼ[Oryzae]:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)
↑大きいサイズと、しっかりと効いたソース味が大人気のコロッケサンドは店頭で作られています。

さつまいもカスタードクリームパン,酒粕あんぱん,Cafe&Restaurant オリゼ[Oryzae]:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)
↑程よい甘さがうれしい「さつまいもカスタードクリームパン(200円)」と、酒粕を含んだ生地の「酒粕あんぱん(130円)」。ずっしりと重みがあって食べ応え十分です!

”発酵の里”は、実は江戸時代から始まっていた?

神崎が「発酵の里」となったのは一体いつ頃からのでしょうか? 東川さんに、町の歴史についても教えていただきました。

「江戸時代、利根川は野田から銚子まで物流ラインとして活かされていて、ちょうど中間地点の神崎は宿場町として栄えていました。今は酒蔵が2軒ですが、当時は6〜7件あったと記録されています」
なんと!
江戸時代はすでに”発酵の里”だったんですね。

もちろん今でも地元の酒蔵は大変な人気です。文字通り地元の発酵文化をリードする2つの酒蔵についても教えていただきました。

地元素材を世界へ発信!

「できるだけ地元に貢献できたら嬉しいです」とおっしゃっていたのは、地元 神崎町にある酒蔵「鍋店(なべだな)」の佐藤さん。

鍋店,佐藤:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

神崎で作られたお米から作られたお酒はもちろん、日本酒と酒粕入りのチョコレート、さらに地元の大豆を使った納豆など、まさに「ローカル」な発酵食品の魅力を存分に味わえる豊富な品揃えを紹介くださいました。

酒粕と日本酒が入った、おとなの「日本酒トリュフ」

鍋店さんがプロデュースする蔵元スイーツシリーズの筆頭「日本酒トリュフ」。

鍋店,日本酒トリュフ:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

10年ものの古酒と酒粕をガナッシュに練りこみ仕上げた大人の贅沢なスイーツ。アルコールを含みますので、運転予定のないリラックスタイムに最適です。

鍋店,日本酒トリュフ:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

お酒はもちろん、甘酒も◎!

鍋店,日本酒:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)
↑地元 神崎町で採れたお米で、地元の酒蔵で作られたというまさに生粋の神崎産。

鍋店,甘酒:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)
↑鍋店の代表的な日本酒「仁勇」の甘酒も。

現在、神崎町にはこちらの鍋店と、もうひとつ「寺田本家」という、同じく300年以上の歴史を持つ老舗の酒蔵があり、実はこの2つの酒蔵こそが、”発酵の里 こうざき”が誕生するのに貢献したそうで、先ほどの東川さんにお話をうかがいました。

「それぞれ別々の日に開催していた蔵開きを一緒の日にして、官民一体となって開催した“酒蔵まつり”で町自体が注目されるようになりました。小さな町にとって大きな成功体験になったんです」

その後、町が「発酵の里 こうざき」と商標登録。
さらに放送メディアで特集されたことも手伝って、酒蔵まつりは現在、なんと5万人もの来場者を記録する巨大イベントにまで成長しています。

3月は神崎へ集まろう!2017年の「酒蔵まつり」は3月12日!

鍋店、寺田本家という地元の酒蔵を中心として、2つの酒蔵周辺を会場に開催される「発酵の里こうざき 酒蔵まつり」。(次回開催予定:2017年3月12日)

発酵の里こうざき 酒蔵まつり:小さな町の大きな”醸し場” 「発酵の里 こうざき」に行ってみた:発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)

両蔵の沿道を歩行者天国として開放し、全国から5万人もの日本酒ファン&発酵ファンが来場するという大規模なお祭りです。酒蔵見学、試飲(無料)、各商品の販売、200を超える出店やステージで行われる様々なパフォーマンスなど、大盛り上がり間違いなしの1日。

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”小さくて大きな町” 神崎。まだまだ楽しいことが目白押しで、しばらく目が離せそうもありませんね!

店舗情報

道の駅 発酵の里こうざき
住所:千葉県香取郡神崎町松崎855
営業時間:発酵市場、新鮮市場9:00-18:00、
Cafe&Restaurantオリゼ10:00-18:00(レストランのみ平日10:00-15:30)
http://www.hakkounosato.com/

関連リンク、データ

鍋店株式会社
http://www.nabedana.co.jp/

寺田本家
http://www.teradahonke.co.jp/

鈴木糀店
〒289-0202 千葉県香取郡神崎町郡651

平甚商店
http://hirajin.la.coocan.jp/

こうざき自然塾
http://www.kozaki-shizenjyuku.jp/

ちば醤油株式会社
https://www.chibashoyu.com/

味禅
http://www.mizen.jp/

出雲生姜
http://izumosyogaya.com/

白水舎乳業
http://hakusuisha.jp/

八福 狩野食品株式会社
http://www.8-fuku.com/

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