東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さん。「麹菌に“大”いに“使”われています(笑)」という鈴木さんによる二十四節気に沿った発酵料理のレシピをご紹介します。
清明とは?
春分という上半期のスタート地点を越えた地球は、夏に向けて太陽の光を浴び、万物の気が満ちていきます。
これからは日に日に、日が延びていき、空も心も明るくなり、
芽吹いた草花も本葉が開き、その個性的な姿も明らかになっていきます。
秋分の次の時節が寒露であり、
春分の次の時節が清明です。
夜露が降りて寒いという寒露に比べ、
明るく清々しい清明は、
活動的な上半期の始まりにふさわしい、
気分が上がる時報ですね。
春分の号令で上がってくる桜前線も、
清明にもなると関東地方ではまさに満開の時候。
街を歩いていると、桜吹雪と柔らかな太陽の光が私たちを祝福してくれているようです。
さあ、清く明るく朗らかに、春の陽気を楽しみましょう!
そんな陽気な気分を演出してくれる献立を紹介します。
桜甘酒
材料・分量
・桜の塩漬け 30g
・お湯 400g
・炊いたごはん 400g
・糀 200g
作り方
1.桜の塩漬けは塩抜きするために、まずは表面の塩を洗い流し、その後ボウルに水とともにいれ30分の間に、2回ほど水を入れ変えます。
2.塩を抜いた桜の水を軽く切り、お湯を注ぎ桜茶を作る。この桜茶で甘酒をしこんでいきます。
3.炊飯器に材料をすべていれて良く混ぜます。
4.保温スイッチを入れ、炊飯器の蓋はせずに、別のフタをします。
保温温度が高い炊飯器なら濡れ布巾をかけ、低い炊飯器ならチョコンと乗っける程度のフタで大丈夫です。
炊飯器の無い方は、ヨーグルトメーカーや魔法瓶、鍋で湯煎などを駆使して、60℃で8〜12時間を保ってください。
発酵わくわく大使・鈴木さんのワンポイントアドバイス
お米のでんぷんを甘くするアミラーゼ酵素は50〜60℃で活発に働いてくれます。
(低温で一カ月かけて発酵させる乳酸菌たっぷりの甘酒もあるのですが、それはまた別の時候にご紹介します。)
酒粕パン
材料・分量
・強力粉 200g
・水 140g
・酒粕 50g
・砂糖 30g
・塩 5g
・オリーブオイル 30g
作り方
1.酒粕と水、砂糖をフードプロセッサーやすり鉢で、ペースト状にします。
2.ボウルに半量の強力粉、酒粕水を入れてヘラ等でよく混ぜ合わせます。
3.よく混ざり、粉のすみずみまで酒粕の酵母菌が回ったと感じたら、残りの粉、塩、油を入れよく混ぜ合わせます。
4.まとまったら手で捏ねます。
この粉の量なら10分ほど捏ねます。
陶芸の菊練りの要領で、生地をキノコの傘のように成形しします。
5.生地が乾かないようにオイルを塗り、ボウルにラップをかけて密閉します。
時間が経ち、発酵が進むと胞子が増え、キノコののようにふくらんでいきます。
このまま、倍くらいの大きさに一次発酵してもらうのですが、酒粕の銘柄、保管温度によっても時間は変わります。
6.一次発酵が終わったら、ハサミやヘラなどで100gほどの大きさに生地を切り分け、好みの形に成形し、ぬれ布巾をかけて一次発酵を待ちます。
7.可愛らしくふくらんだら、160℃のオーブンで蒸気を多めにして20〜30分ほど焼きます。
発酵わくわく大使・鈴木さんのワンポイントアドバイス
練った後の生地の温度と時間を計ると、次に作るときにためになるので、計っておくと良いでしょう。温かいと発酵が早く進み、冷たいと発酵が遅くなるのは発酵食全般にいえることです。
発酵居酒屋5
鈴木さんが料理長を務める「発酵居酒屋5(ゴ)」は、発酵をテーマに、無添加であること、手作りであること、そして、気兼ねなく毎日通えることにこだわった居酒屋です。全てに発酵食材を用いたお酒が進むお料理をラインアップ、また、創り手の思いが伝わるワイン、日本酒、マッコリ、国産レモンの酵素シロップを使った薬膳レモンサワーやオリジナルブレンドの漢方茶なども取り揃えています。
・発酵居酒屋5:http://www.cafecompany.co.jp/brands/hakko5/
・発酵居酒屋5 Facebookページ:https://www.facebook.com/hakkoizakaya5/