みりん(味醂)の製法・選び方・使い方、その効果とレシピ

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「みりん(味醂)」とは

「みりん(味醂)」とは

調味料としてはもちろん、アルコール飲料としても用いられる「みりん(味醂)」

スーパーの調味料コーナーには、色々な種類のみりんが並んでおり、どれを買ったら良いのか迷ってしまいますね。
実は、みりんは、日本料理の調味料という用途だけではなく、飲用にも用いられるアルコール飲料のひとつでもあります。
調味料なのにちょっとお値段の高いイメージがあるのは、酒税がかかっているからなんですね。

「みりん(味醂)」の分類と定義

分類としては、混成酒に分類されるので、果実酒とかリキュールの分類になります。海外では、和のリキュールとして売り出している蔵さんもあります。
みりんの定義としては、甘味のある黄色い液体で、約40~50%の糖分と、約14%のアルコール分を含んだものがみりんとされています。

みりんの製法

「みりん(味醂)」の原料はもち米

「みりん(味醂)」の原料はもち米

みりんの原料はもち米で、蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎や醸造用アルコールを加えて2~3ヵ月熟成したものを、圧搾し、濾過して作ります。

「みりん(味醂)」の価格の違い

使う焼酎の種類が、本格焼酎なのか、ホワイトリカーなのかによっても味やお値段に差が出てきますし、海外の醸造用アルコールを使用する場合もあるようです。もち米も国産か外国産などでも価格が変わってきますので、購入する時に、裏の表示を確認して購入するのもいいかもしれません。

「みりん(味醂)」が甘いのはなぜ?

みりんは、熟成の間に、麹の酵素アミラーゼの作用によりもち米のデンプンが糖化され、甘みを生じます。お酒より甘いのは、もち米が使われているからと熟成開始時から焼酎の約14%程度のアルコール分があり、酵母菌によるアルコール発酵の際に糖の消費が減るので日本酒よりも甘くなります。

江戸時代の甘口高級酒「みりん(味醂)」

江戸時代には、女性でも飲むことが出来る『甘口の高級なお酒』として親しまれていましたが、戦争の米不足で「贅沢品」と位置付けられ極端に高い酒税をかけられたため、みりん業界は転廃業する方が多くなり、酒税法を逃れるために「みりん風調味料」が誕生したそうです。

「みりん(味醂)」と「みりん(味醂)風調味料」の違い

「みりん(味醂)」と「みりん(味醂)風調味料」の違い

みりんは、焼酎の中にもち米と米麹を仕込んで作る甘いお酒で、酒販免許がないと売れませんが、お手頃価格で売られている「みりん風調味料」というのは、どのように出来ているのでしょう?

「新みりん(味醂)」とは

昔は、「新みりん」とか「塩みりん」と言われていたそうで、「新みりん」は、もち米ではなく穀物を原料として糖化させた液体に化学調味料や添加物を加えた調味料で、アルコール分を含まず「煮切りみりん」と称されました。

「塩みりん(味醂)」とは

「塩みりん」は、塩水の中でアルコール発酵させた後に甘みを加えた物なので、塩分があり飲用にはならないということで、酒税法外で酒販免許がなくてもお店で売れるものになりました。
それが現在、「みりん風調味料」というカテゴリで整理され、20歳未満では「みりん」は買えませんが、「みりん風調味料」は買えるという、おかしな便利さにもつながっているように思います。

本物の「みりん(味醂)」とは

結局、本物の「みりん」は、もち米と米麹と本格焼酎が使われており、「みりん風調味料」は、アルコール発酵で作られていなかったり、もち米が使われていなかったり、塩分が添加されているようです。
「本みりん」といえども、数倍に薄め増量されたものもあるようですので、購入する時は、裏ラベルを確認して購入するといいですね。

「みりん(味醂)」の5つの効果

「みりん(味醂)」の5つの効果

1:照り・つやを出す

みりんの複雑な甘み成分が、加熱されることで膜を作り、砂糖の倍近い照りやつやを出します。

2:こく・うまみを引き出す

アルコール分子が素材に浸透する時に、他の味も一緒に引き込み、素材の旨みが引き立ちます。

3:香り・マスキング効果

アルコールが蒸発する時、材料の生臭みの成分まで一緒に抱えて蒸発します。消臭の効果もあります。

4:煮くずれを防ぐ

材料にアルコールが浸透し、身(組織)を引き締めます。

5:上品でまろやかな甘み

砂糖の甘み成分がショ糖1種類であるのに対して、みりんにはブドウ糖など何種類もの糖が含まれており、上品な甘みに仕上がります。

魚の照り焼きやスイートポテトの艶出しに「みりん(味醂)」を

魚の照り焼きやスイートポテトの艶出しに「みりん(味醂)」を

発酵や熟成により、砂糖では出せない多種で上品な甘みを表現できるのが、みりんなんだと思います。
お魚の照り焼きやスイートポテトの艶出しの照り卵の代わりに使うと、ツヤツヤになります。

「みりん(味醂)」を使ったレシピ

みりんのコンポート

みりんのコンポート

季節のフルーツやトマトなどの野菜をみりんで柔らかくなるまで煮ると、贅沢なコンポートになります。

材料
・りんご 1個
・レモン汁 1/2個分
・みりん 200cc
・水 100ccc

作り方
1: 鍋にみりんと水を入れる。
2: りんごは、皮付きのまま、芯を取って半分に切り、レモン汁をかける。
3: 1に2を入れ、30分ほど煮て、粗熱を取り冷蔵庫で冷ます。

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