さわやかな苦み×ねっとりとした甘みがたまらない!『わらびと甘エビの生春巻き 木の芽味噌添え』│二十四節気の啓蟄レシピ

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東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」の料理長を務める発酵料理人であり、“発酵わくわく大使”として発酵文化を伝える活動を行っている鈴木大輝さんによる二十四節気に沿った発酵料理のレシピをご紹介します。

今回のレシピ、『わらびと甘エビの生春巻き 木の芽味噌添え』は、3月6日(火)の「啓蟄(けいちつ)」以降からの先付けとして「発酵居酒屋5」さんで召し上がることができます! ぜひ足を運んでみてくださいね!

✔「啓蟄(けいちつ)」は、地中の生き物が目覚め、命が芽吹き始める時候
いよいよ始動!“エピソード0(ゼロ)”の時候『啓蟄(けいちつ)』:発酵ワクワク大使の二十四節気のお話


啓蟄(けいちつ)の時候、虫だけではなく、芽吹いてきた植物たちも小さな命

ハーブガーデンのモンシロチョウ

啓蟄。春が近づき地中で冬眠していた虫たちが目覚め、命が芽吹き始める時候です。
「来たる食糧難にそなえて、虫を食するという食文化を見直してみる」という事も考えたのですが、虫だけではなく、芽吹いてきた植物たちももちろん、小さな命と考えられますね。

種麹の呼び名は「もやし」。これぞ、元祖「萌え」系

米麹

ちなみに、種麹のことを「もやし」と言いますが、元祖「萌え」系でございます。
「萌え出ずる若葉」という言葉の通り、「萌え」とは新しい命が芽吹くかわいらしい様子を表しています。
よって、「もやし」とは「萌やす」ものであります。緑豆もやしも、緑豆の命を芽吹かせているから、“緑豆萌やし”なのですね。

生長点に込められた栄養。萌えた新芽をありがたくいただきましょう

わらび

植物は、生長点(せいちょうてん)という、これから伸びていくポイントに栄養がこめられていると農家さんに伺いました。
これから伸びていく春分からの上半期にむけて、萌えた新芽をありがたくいただきましょう。
この時期には山菜が芽吹きはじめます。前節の雨水でもお話しましたが、山菜の苦味が、冬のこわばりから浮き足立つ春の体に潤滑油を与えてくれます。

山菜を春巻きと洒落こむのも乙なもの。半透明のライスペーパーでわらびを包むと、卵に包まれた命のよう

ライスペーパー

春なので、山菜を春巻きと洒落こむのも乙なものかと。半透明のライスペーパーでわらびを包むと、卵に包まれた命のようにも見えますね。

甘えび

今回は、わらびの清冽な風味と甘エビのねっとりとした甘みを、生春巻きとしてライスペーパーで巻きました。去年作って大事に保存していた山椒の木の芽味噌。新しく仕込む前にすべて使いきり、山の香気を楽しみます。

『わらびと甘エビの生春巻き 木の芽味噌添え』レシピ

わらびと甘エビの生春巻き 木の芽味噌添え

『わらびと甘エビの生春巻き 木の芽味噌添え』の材料

わらびと甘エビの生春巻き
・わらび 一把(わらびの重さの倍の水に、1%の重曹もしくは3%の草木灰を用意します)
・甘エビ わらび1本につき3匹
・生春巻きの皮(ライスペーパー) 10枚

木の芽味噌
・木の芽 1パック(約20〜30g)
・味噌 200g
・みりん 100ml
・塩麹 30g(無くても大丈夫です。あると発酵力が増します)

『わらびと甘エビの生春巻き 木の芽味噌添え』の作り方

わらびと甘エビの生春巻き

1: わらびを鍋にしきつめ、重曹、または草木灰と熱湯を注ぎ込み、一晩置きます。一晩たったら1時間ほど流水にあて、アクをぬきます。

2: 甘エビの殻をむいておきます。

3: ボウルにぬるま湯を張り、生春巻きの皮を水に漬け、やわらかくなったらまな板の上にとり、三分割します。

4: 生春巻きの皮の上にワラビを2本置き、甘エビをワラビに添えるように並べ、巻いていきます。

5: 巻きが落ち着いたら、一口大に切り、木の芽味噌を添えて出来上がり。

木の芽味噌

1: 木の芽にサッと熱湯をかけます。

2: 木の芽を良く刻みすり鉢でよくする。少なくとも20分はすります。

3: よくすれたら味噌とお好みのみりんを加えてできあがり。

4: 空気にふれないようにラップで中蓋をして密閉容器に保存します。

※その他、木の芽味噌を使ったレシピはこちらから

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