発酵×薬膳パワーで夏バテ知らず♪発酵食を使った薬膳料理が“良い事尽くし”な理由とは?

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暑い日が続いています。「もうすでに夏バテ…」という方も多いのではないでしょうか? 「夏バテの予防・回復は、夏を元気に過ごすためだけではなく、秋を健やかに迎えるためにも大切です」と語るのは、ハッコラで『諸国菌食紀行』を連載中の料理人、安田花織さん。安田さんは、料理人兼発酵トラベラーとして各国の発酵食を探訪しながら、ライフワークとして「発酵×薬膳」の世界を研究し続けています。発酵と薬膳って組み合わせるとどういいの? 夏バテにも効くの? などなど、興味津々です。

『夏バテ防止de秋のからだが決まる!夏の発酵薬膳講座』が7/17(火)に開催
『夏バテ防止de秋のからだが決まる!夏の発酵薬膳講座』が7/17(火)に開催

今回は、7月17日(火)に開催される『夏バテ防止de秋のからだが決まる!夏の発酵薬膳講座』を主催する安田さんと、同講座で薬膳について教えてくれる「だしな薬膳 美くらびと」主宰、石丸由美子さんのお二人に、「発酵×薬膳」のパワーについてお聞きしました。


「発酵×薬膳」のタッグが体と心にいい理由とは?

安田さんが作った「サツマイモ薬膳レモンシロップ煮×焼きリンゴのケーキ」
安田さんが作った「サツマイモ薬膳レモンシロップ煮×焼きリンゴのケーキ」

“人間も自然の一部”という、薬膳の考え方

薬膳のベースにあるのは、“人間も自然の一部”という考え方。よって、人間の体と心は、季節ごとの気候に影響を受けやすいとされています。薬膳には、それぞれの季節に起こりがちな不調を日常の過ごし方で改善したり、健康であればそれを維持させるための、いくつかのポイントがあります。

食べ方次第でどんな食材でも立派な薬膳料理になる

薬膳の考えの元である中医学では、“食べることは生きること”などと言われる通り、薬膳にとって“食”は特に大事なポイントです。また、薬膳では“この世にある食材は全て薬効がある”とも言われ、スーパーなどで売っているお馴染みの食材ですら、組み合わせや適切なタイミングを知って食べれば、立派な薬膳料理になります。

薬膳料理を取り入れても、それを消化・吸収し、体に巡らせなければ意味がない

しかし、毎日のくらしに薬膳料理を取り入れることができたとしても、それを消化・吸収し、体に巡らせることができなければ、せっかくの効能も、ただ体を通過してしまうだけだったり、老廃物や余分な水分となって体の不調を招いてしまいます。
そこで登場するのが、発酵の力!

消化吸収がいい発酵食は、薬膳料理にピッタリ!

過去に開催された「黒」をテーマにした発酵薬膳講座
過去に開催された「黒」をテーマにした発酵薬膳講座

発酵食を使った薬膳料理は、腸内環境を整え、血液の質と流れも良くなる

発酵食に含まれる微生物たちが事前に栄養素を分解してくれるおかげで、消化吸収がとってもスムーズに行われます。また、発酵食を取り入れることで腸内環境が整い、腸の動きがスムーズになるため、栄養の吸収力や、血液の質と流れも良くなり、体中の新陳代謝が上がります。
また、発酵食は、元々はなかった栄養素が付加されたり、おいしさが増したり、保存もできて、良い事尽くめ。そんな発酵食を使った薬膳料理は、無駄なく、おいしく、日々のくらしに取り入れやすくなります。

薬膳料理の中で発酵の力を発揮すると、体と心を健康に保てる

“健康に良い”という理由で、闇雲にを食べ物を取り入れるのではなく、まずは自分の体調や季節の移ろいを読み取り、そこに必要なものを効率良く選び取ることが大切です。春夏秋冬一年を通じて、微生物がもたらす発酵の力を、薬膳料理の中で発揮させることで、くらしの中でおいしく楽しみながら、体と心を健康に保つことができます。

夏バテ予防・回復のためにすべきこと(発酵編)

夏バテの予防・回復を助ける発酵食
夏バテの予防・回復を助ける発酵食

スタミナ源となる肉は、発酵食品で醸して食べると、消化がよくなり、旨みも出る

まずはスタミナをつけるために、疲労回復効果のある豚肉などの肉をしっかり食べるのがおすすめです。しかし、内臓の力(消化力)が衰える夏場は、肉をそのままいただくと、ちょっと食べ疲れしてしまいます。
また、よく噛むことも大切ですが、肉の主成分であるタンパク質は、どんなに細かく噛み砕いても腸から吸収されません。タンパク質は、アミノ酸に分解されたのち、ようやく腸壁から吸収されます。肉を味噌やヨーグルトなどの発酵食品に漬け込んだり、一緒に食べたりなどすると、発酵食品に含まれる菌たちによって肉のタンパク質がアミノ酸に分解され、消化がよくなります。アミノ酸といえば旨味成分。おいしく食べることができて、体も元気になります。

発酵食品を摂ることで腸内環境が改善し、自律神経が整う

またこの季節は、クーラーによる冷えで腸内細菌の働きが弱まり、室内外の温度差により自律神経が乱れることで、体温管理が難しくなり、更なる不調を招きます。
そんなときは、発酵食品を摂って腸内環境を改善し、自律神経を整えましょう。

熱帯夜には、安眠作用が期待できる漬物を

発酵食で腸内環境を整えて、夏バテを予防しよう
発酵食で腸内環境を整えて、夏バテを予防しよう

ぬか漬けや水キムチなどの漬物は、アミノ酸の一種である「ギャバ」と言う成分を含み、リラックス効果や安眠作用が期待できます。自律神経が乱れて落ち着かない人や、暑くて眠れない人にもおすすめです。

夏野菜の水キムチやぬか漬けで紫外線に負けない肌を作る

色の濃い夏野菜は、日差し(紫外線)に負けないような栄養素を持っています。夏野菜を乳酸菌たっぷりの水キムチやぬか漬けなどにして食べると、腸内環境が整い、紫外線にも負けない若々しい肌が作れます。
また、食欲がなくても効率よく栄養補給ができる甘酒などを適度に取ることもオススメです。

夏バテ予防・回復のためにすべきこと(薬膳編)

過去に開催された「白」をテーマにした発酵薬膳講座
過去に開催された「白」をテーマにした発酵薬膳講座

高温多湿な気候や冷房の冷えなどが、夏バテを引き起こす

日本は四方海で囲まれた島国のため、夏は南国並みに高温多湿です。
この季節は、湿気がたまってむくみやすくなったり、体内に熱がこもりやすく寝つけなくなったり、汗のかきすぎによって血液がドロドロになりやすいのです。
一方で、冷たいものの飲食や冷房の冷えにより、消化機能が低下したり、体がだるくなったりと、自律神経のバランスが崩れ、いわゆる“夏バテ状態”になる人がいます。

夏バテの予防・回復には、体にこもった熱を冷まし、汗をキチンとかける体に

夏バテの予防・回復には、体にこもった熱を冷まし、潤い不足を解消することが大切です。そして汗をキチンとかける体にしておくことも重要です。
その他にも様々な対策がありますが、あとは講座の中でのお楽しみといたしましょう。

夏バテに“赤い食材”が良いのはなぜ?

安田さんが作った、南瓜、陳皮、枸杞の実などを使った薬膳ケーキ
安田さんが作った、南瓜、陳皮、枸杞の実などを使った薬膳ケーキ

薬膳の柱となる考え方「五行説」では、夏の属性の色は「赤」

薬膳の柱になる考え方のひとつに「五行説」というものさしがあります。五行説では、自然界のものや、人間の体も、全て5つの要素に分類されます。
色も、青・赤・黄・白・黒と5つに分類され、夏の属性の色は「赤」になります。

赤い食材は、体のほてりを取り除き、熱中症予防にも最適

赤い食材は、夏の体にこもった熱によるほてりを取り除き、暑さによる心臓への負担を軽くしてくれます。また、汗で失われがちな潤いを補給して、血液をサラサラにしてくれたりと、赤い食材は熱中症予防にも最適です。
またこの時期は、精神活動にも影響を受けやすくなったりします。暑さで眠れなくなったり、夢ばかり見て熟睡できずに寝不足になると、精神的に弱ってしまうことも少なくありません。

『夏ばて防止de秋のからだが決まる!夏の発酵薬膳講座』の見どころは?

過去に開催された「黄」をテーマにした発酵薬膳講座
過去に開催された「黄」をテーマにした発酵薬膳講座

“季節に応じて、自分の体の声に耳を傾ける生活”を提案する発酵薬膳講座

この発酵薬膳講座は継続的に開催していて、“その時々の季節にフォーカスし、自分の体の声に耳を傾ける生活”を提案しています。食生活だけではなく、個々のライフスタイルに合った運動や睡眠、時間の使い方なども含めての過ごし方をお伝えする内容となっています。

夏バテを予防すると秋も元気でいられる!その理由と方法を学ぶ発酵薬膳講座

今回の講座で学ぶことは、「夏を元気に過ごすための夏バテ対策」だけではありません。夏バテをしないことが、次の季節の「秋」へ向けて体がスムーズにシフトできる、ということを覚えていただきます。同時に、二十四節気に沿った薬膳茶や薬膳素材の試食、夏バテ予防に役立つ食材をたっぷり使った料理などを体感いただき、ご自宅でも実践しやすい“薬膳のあるくらし”を提案します。

薬膳講座に出てきた食材を使い、料理のデモンストレーションを行う

過去に開催された「腎」について掘り下げた発酵薬膳講座
過去に開催された「腎」について掘り下げた発酵薬膳講座

料理は、薬膳の講座の後にデモンストレーションで行います。講座の中に出てきた食材の使い方や食べ合わせを、自宅に戻っても繰り返し実践できるように、途中の大事なポイントは味を見てもらい、完成までの道のりをしっかり体感していただきます。

食材や調理法はシンプルで簡単、かつ、様々なアレンジができるレシピ

食は毎日のくらしの中にあるものです。発酵と薬膳をくらしの中に取り入れて、日々ご自身の体と向き合っていただきたいので、食材や調理法はシンプルで簡単、かつ、様々なアレンジができるようにしています。「調味料×季節の食材」をベースに、スパイスや香草を使って発酵と薬膳の効果を上げながら旨味を出したり、旅で見聞きした面白い料理や旅のエピソードもご紹介しています。

夏バテを防ぐ食材の選び方、体調に添った調理方法なども覚えることができる

また、夏の養生に適した食材の選び方、体調に添った調理方法、料理のバリエーションの増やし方なども覚えることができます。合わせて、食にまつわる歴史・文化など、「食と風景」を意識した内容を通じて、個々の食卓の楽しみ方を学んでいただきます。

7月17日(火)の発酵薬膳講座に行こう!

体にいいと思って薬膳料理を取り入れても、それを消化吸収し、体に巡らせなければ、薬膳の効能を存分に受け取ることができません。そこで、発酵の力を活用して食材を醸したり、発酵食品を取り入れてみましょう。すると、消化吸収がスムーズになったり、腸内環境が整ったりと、発酵と薬膳のいいところが余すところなく発揮されます。
具体的な方法を学びたい方、発酵と薬膳の関係に興味のある方、夏バテを予防したい方は、ぜひ7月17日(火)の『夏バテ防止de秋のからだが決まる!夏の発酵薬膳講座』に参加してみませんか?


『夏バテ防止de秋のからだが決まる!夏の発酵薬膳講座』詳細

第1回目の発酵薬膳講座の資料
第1回目の発酵薬膳講座の資料

日時│夏の発酵薬膳講座

2018年7月17日(火)11:00~15:00

場所│夏の発酵薬膳講座

心和居(みわい)工房
埼玉県所沢市松葉町18-5 西武新宿線新所沢駅東口徒歩3分

定員│夏の発酵薬膳講座

14名

参加費│夏の発酵薬膳講座

¥8000

その他│夏の発酵薬膳講座

お子様と一緒のご参加も大歓迎です。お子様も食事をされる場合は用意いたします(食材費として別途500円をいただいております)。ご予約の際お伝えください。

お申し込み・お問い合わせ│夏の発酵薬膳講座

Facebookイベントページ、および、以下メールアドレスへお願い申し上げます。
info@yasuda-shikutan.com

講師プロフィール│夏の発酵薬膳講座

石丸由美子(いしまる ゆみこ)

だしな薬膳 美くらびと主宰/国際中医師 国際薬膳調理師/全日本薬膳食医情報協会会員/だしソムリエ認定講師
アトピー・喘息とアレルギー総合商社のような体質を漢方により完治した事をきっかけに中国伝統医学の道に入る。日本の気候や人の体質にあった薬膳の智恵を活かした食事をプロデュース。産前産後の養生講座・離乳食、アレルギー(花粉症)講座などを中心に活動。薬膳料理講座・企業内美容セミナー・講演会など活動は多岐にわたる。
冷蔵庫は我が家のくすり箱 ー薬膳塾「美暮びと」ー

安田花織(やすだ かおり)

「ヤスダ屋」主宰/料理人
在日韓国人のおばあちゃんと農家の日本の母の味、2つの豊かな食文化に触れながら育つ。高校卒業後食の世界へ。懐石料理店、オーガニックコミュニティカフェなどを経て2012年独立。繋がりを大切に、出来る限り食材の産地に足を運び食材の育った風景、作り手の思いを込めて料理を作る。「ヤスダ屋」として、各種イベントケータリング、出店、お弁当ケータリング、料理教室など行う。
ヤスダ屋
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