2020年6月21日(日)~7月6日(月)は、二十四節気の「夏至(げし)」にあたります。二十四節気とは、古代中国から伝わった、1年間を約15日間に分けて24等分した暦です。
前回の「芒種(ほうしゅ)」は、二十四節気の9番目の節気で、穂の出るイネや麦などの穀物の種をまき、大きく成長させる季節でした。今回ご紹介する「夏至(げし)」は、芒種の次の節気で、二十四節気の10番目にあたります。夏至とは、どのような時期で、どんな食べものが旬を迎えるのか、また、夏至の間に迎える半夏生の行事食にはどのようなものがあるのかを解説します。
また、夏至にピッタリの発酵レシピとして、マヨネーズ不使用の「発酵たまごのオープンサンド」の作り方や、塩麹とごま油で作るやみつき「無限ナムル」、豆乳ヨーグルトで簡単にできる「ヨーグルトチーズディップ」のレシピをご紹介しましょう。
≪目次≫
●夏至(げし)とは
○半夏生(はんげしょう)とは
●夏至や半夏生の風習や行事食
○タコ
○小麦餅・半夏生餅
○うどん
○無花果田楽(いちじくでんがく)
○焼き鯖
○水無月
●夏至の七十二候(二十四節気をさらに3等分したもの)
●夏至に旬を迎えるおすすめの養生野菜
●マヨネーズを使わない「発酵たまごオープンサンド」の作り方・レシピ
●塩麴とごま油の「無限ナムル」の作り方・レシピ
●豆乳ヨーグルトの「ヨーグルトチーズのディップ」の作り方・レシピ
●夏の暑さは夏至からが本番! 発酵食でエネルギーチャージを
夏至(げし)とは
夏至(げし)とは
夏至とは、北半球では1年で昼が最も長く、夜が最も短くなる日です。冬至と比べると、昼の長さが約5時間も長くなるところもあります。
日本はの夏至は、梅雨の真っ最中に訪れます。夏至のころは最も陽気に恵まれる時期で、田んぼでは根付いた稲がすくすくと育ちます。このころになると、どの農家でも田植えは終了し、ようやく一息つける季節でもあります。
半夏生(はんげしょう)とは
夏至の間に迎える雑節に「半夏生」があります。2020年は、夏至から数えて11日目にあたる7月1日(水)が半夏生です。農家にとっては、農作物を育てる上でのひとつの区切りでもあるため、各地では様々な行事や習慣があります。
夏至や半夏生の風習や行事食
日本では、三重県伊勢市の二見興玉神社で行われる「夏至祭」が有名ですね。世界各国も夏至の風習やイベントがあります。
たとえば中国では、小麦の収穫にあたる夏至の時期に、冷たい麺料理を食べたり、スウェーデンやフィンランド、ノルウェーなどの北欧では、夏の期間が短いため、夏至に盛大なお祭りが行われます。代表的なのは、スウェーデンの「夏至祭(ミッドサマー)」で、クリスマスやイースターと同様、大事な行事となっています。
それでは、夏至や半夏生に食べる日本の行事食や伝統食には、どのようなものがあるのでしょうか。
タコ
タコ
関西では「稲がタコの足のように八方に力強く根付きますように」という願いを込めてタコを食べる習慣があります。
小麦餅・半夏生餅
関東・河内地方や奈良では、次の豊作を願うため、夏至の時期に収穫した小麦を餅にして食べていたそう。また、その小麦餅は、「半夏生餅」とも呼ばれています。
うどん
香川県でも、夏至から半夏生の頃に収穫された小麦をうどんにして、人々に振る舞ったり、自分たちで食べていたそうです。
無花果田楽(いちじくでんがく)
愛知県には、夏至の伝統食として、イチジクを田楽味噌とともに食べる「無花果田楽」があります。由来には明確なものはないようですが、不老不死の果物といわれるイチジクを夏至の暑い時期に食して、夏バテを予防したり健康や長寿を願ったのかもしれません。
焼き鯖
福井県大野市では、半夏生にさばを丸焼きにして食べる「半夏生鯖(はげっしょさば)」という行事食があります。無花果田楽同様、サバの豊富な栄養を享受して、夏を元気に乗り切るために食べられていたのだと考えられます。
水無月
水無月
京都には、夏至に食べる和菓子「水無月」が有名です。三角形の白いういろうの上に小豆を乗せた水無月は、その形が氷を模されているとも言われ、見た目にも涼やかな印象です。乗せられた小豆には邪気払いの意味合いも含まれているそうで、夏至という節目が大切にされていたことがうかがえますね。
夏至の七十二候(二十四節気をさらに3等分したもの)
乃東枯(なつかれくさかるる)
冬に芽を出した夏枯草(がごそう)が枯れていくころ。夏の花が咲く時期に、枯れてゆく花を思う意味。
菖蒲華(あやめはなさく)
アヤメは梅雨の到来を告げる花。
半夏生(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生えると田植えを終える目安とされている。
夏至に旬を迎えるおすすめの養生野菜
モロヘイヤ、空心菜、ミョウガ、三つ葉、じゅんさい、アスパラ、ルバーブ、さやいんげん、ソラマメ、スナップエンドウ、ズッキーニ、キュウリ、ナス、おくら、ピーマン、ヤングコーン、ごぼう
マヨネーズを使わない「発酵たまごオープンサンド」の作り方・レシピ
マヨネーズを使わない「発酵たまごオープンサンド」の作り方・レシピ
半熟の卵とオリーブオイル・酢・塩麹で作る、マヨネーズを使わない「たまごサンド」です。焼いたバゲットにたっぷり乗せていただきましょう!
材料
・卵 4つ
・にんにく 1/2 すりおろし
・塩麴 大さじ1
・純米酢 大さじ2
・オリーブオイル 大さじ2
・きゅうり 1本 みじんぎり
・カレー粉 小さじ1
・新玉ねぎ(水にさらした玉ねぎでも) 1/4玉 みじん切り
・ブラックペッパー 少々
作り方
1. まず半熟卵を作ります。お湯を沸かし、沸騰したら卵をやさしく入れます。L玉なら7分、M玉なら6分間、中火で火を入れます。
2. 時間が経ったら、卵を氷水に入れます。冷めたら殻を剥いておきます。
3. ボウルに卵以外の材料を全部混ぜます。
4. 卵を入れフォークでつぶします。
5. 味見をして塩で味を整えたら発酵たまごの完成!
6. 焼いたバケットにたっぷり乗せてオープンサンドにしたり、パンに挟んでサンドイッチにしても◎!
塩麴とごま油の「無限ナムル」の作り方・レシピ
塩麴とごま油の「無限ナムル」の作り方・レシピ
たくさん作り置きしてもすぐになくなってしまう、ファミリーにも人気のレシピ。野菜がたっぷり食べられる一品です!
材料
・コリンキー(生でも食べられる黄色いカボチャ) 1/4玉 千切り
・にんじん 1本 千切り
・ズッキーニ 1本 千切り
・にんにく 1片 みじん切り
・塩麴 大さじ1.5~
・ごま油 大さじ2
・純米酢 大さじ2
・唐辛子 少々
・ごま 少々
作り方
1. 大きめのボウルに千切りにした野菜を入れる。
※手で切るのは大変なので千切り器を使いました。とっても便利なのでオススメです!
2. その他の調味料を全てボウルに入れ和える
3. 味見をして塩で味を整えたら完成
ポイント
塩麹の塩味でしんなりした状態が美味しいです。また、他の野菜でも代用できます。トマトや、新玉ねぎ、レタス、ゆでたもやし、春雨などをいれても美味しいです!
豆乳ヨーグルトの「ヨーグルトチーズのディップ」の作り方・レシピ
豆乳ヨーグルトの「ヨーグルトチーズのディップ」の作り方・レシピ
水切りヨーグルトで作るチーズ風のディップです。ヤングコーンやズッキーニ、ジャガイモなどグリルした野菜に添えても、パンやサラダの付け合わせにしても喜ばれます。
ヤングコーンのグリルに添えて
材料
・豆乳ヨーグルト 300g~
・にんにく 1/2 すりおろし
・塩 少々
・オリーブオイル 少々
・エルブドプロヴァンス(南フランス・プロバンス地方のハーブミックス) 少々 または好きなハーブ
・ピンクペッパー 少々
作り方
1. ザルにキッチンペーパーをしいて、豆乳ヨーグルトを入れ、1晩水切りしておく。
2. ボウルに水切りしたヨーグルトを入れ、他の調味料を加えてよく混ぜる
3. 味見をして塩で味を整えたら完成
ポイント
塩麴で作ると、塩麴の酵素がヨーグルトを分解してドロドロになってしまうので、今回は塩で作っています。
夏の暑さは夏至からが本番! 発酵食でエネルギーチャージを
今回は、発酵たまごオープンサンド、ナムル、ヨーグルトチーズなどをご紹介しました。家にあるもので混ぜるだけ、和えるだけのシンプルなレシピなので、常備菜としてはもちろん、もう1品ほしいときにも、ぜひ作ってみてください!
夏至を迎え、これからは少しずつ日の長さが短くなっていきますが、夏の暑さはここからが本番! 日常食の中で発酵食や、香味野菜(にんにく、しょうが、ねぎ、たまねぎなど)をたっぷりいただき、体の免疫と巡りを良くしていきましょう^^