2020年7月7日(火)~21日(火)は、二十四節気の「小暑(しょうしょ)」にあたります。二十四節気とは、古代中国から伝わった、1年間を約15日間に分けて24等分した暦です。
前回の「夏至(げし)」は、二十四節気の10番目の節気で、北半球では1年で昼が最も長く、夜が最も短くなる日であり、陽気が盛んな頃で、田んぼでは根付いた稲がすくすくと育つ季節でした。今回ご紹介する「小暑」は、夏至の次の節気で、二十四節気の11番目にあたります。小暑とは、どのような時期で、どんな食べものが旬を迎えるのか、小暑に迎える七夕とはどのようなものでどんな行事食があるのかを解説します。
また、小暑にピッタリの発酵レシピとして、発酵玄米とかつおぶし、醤油麹を使った「薬味たっぷり発酵冷汁」、スプーンで食べる「カリフラワーの発酵レモン塩サラダ」、ピリ辛でご飯が進む「さやいんげんと赤ピーマンの海老オイル炒め」の作り方をご紹介します。
小暑(しょうしょ)とは
小暑(しょうしょ)とは
小暑は、そろそろ梅雨が明け、少しずつ暑くなってきて、本格的な夏の到来を迎える時期です。セミの鳴き声もあちこちで聞こえ始めますよ。
また、小暑から次の節句である大暑までの約1か月間を、1年でいちばん暑い期間として「暑中」と呼びます。暑さをねぎらう便りとして、暑中見舞いを出す季節です。
2020年の小暑1日目は、7月7日の七夕
2020年の小暑は、7月7日(火)の七夕からはじまります。七夕は、織姫と彦星が1年に1度だけ会える七夕伝説が有名です。
中国では、旧暦の7月7日に最も光り輝く「こと座のベガ(織姫)」と、「わし座のアルタイル(彦星)」の伝説があり、ベガは裁縫を司る星、アルタイルは農業を司る星と考えられていました。
そのような伝説にもとづいて7月7日に中国で行われていた行事「乞巧奠(きっこうでん)」では、裁縫が上達するよう裁縫道具をお供えしてお祈りをしていました。その乞巧奠が日本に伝わり、もともと日本で行われていた「棚機(たなばた)」という行事と結びついて、日本の七夕ができあがっていったそうです。「棚機」とは、乙女が神様のために着物を織る行事であり、乞巧奠とも親和性のある行事でした。
七夕(しちせき)の節句
江戸時代には、端午の節句や桃の節句などと共に、七夕の節句が五節句として式日になります。当初は、「七夕(しちせき)の節句」と呼ばれていましたが、「棚機(たなばた)」との結びつきや、七夕の節句の行事が広く庶民にも伝わっていったことから、次第に「七夕(たなばた)」といわれるようになったそうです。
七夕には、なぜ竹に願い事を書いた短冊を飾るのか?
笹竹は成長が早く、生命力に満ち、中の空洞に神様が宿っていると考えられていたため、神聖なものとして扱われていました。また、上にまっすぐに伸びるので、願い事が天に届きやすいとして、短冊をかけるようになったようです。
七夕の行事食
七夕の日に食べられる行事食や伝統食には、どのようなものがあるのでしょうか?
素麺(そうめん)
素麺(そうめん)
七夕の行事食としては、白く細い麺を天の川に見立てた「素麺(そうめん)」が挙げられます。また、中国の「乞巧奠(きっこうでん)」も日本の「棚機(たなばた)」も、裁縫や機織りの上達を祈る日であったことから、素麺を白い糸に見立てたともいわれています。ちなみに、7月7日は全国乾麺協同組合連合会が制定した「そうめんの日」でもあります。
索餅(さくべい)
中国では、7月7日に、練った小麦粉を縄のようにねじったお菓子「索餅(さくべい)」食べて無病息災を祈っていました。それが日本に伝わった際に、同じく小麦粉を使った素麺に変化していったという説もあります。また、索餅が素麺ではなくかりんとうとして日本に広まったとも言われているようです。
小暑に旬を迎えるおすすめの養生野菜
モロヘイヤ じゅんさい さやいんげん オクラ ゴーヤー つるむらさき 唐辛子 ズッキーニ ピーマン とうもろこし キャベツ にんにく きゅうり みょうが なす とうがん
発酵玄米とかつおぶし、醤油麹を使った「薬味たっぷり発酵冷汁」の作り方・レシピ
発酵玄米とかつおぶし、醤油麹を使った「薬味たっぷり発酵冷汁」の作り方・レシピ
蒸し暑い日でも、サラサラ食べられる冷汁のレシピです。余り物のご飯でも作れるのでぜひお試しください!
材料
・発酵玄米(白米でもOK) お茶碗一杯ほど
・ネギ 細かい小口切り
・きゅうり 1/2本 千切り
・梅 一粒 たたき梅にする
・小松菜茎の佃煮 少々
・かつおぶし ひとつかみ
・のり 少々
だし汁
・かつおぶし ひとつまみ
・お水 250ml
・醤油麹 大さじ2〜
作り方
1.だし汁を作る。水250mlを鍋に沸かして、沸騰したら火を止め、かつおぶしをひとつまみ入れる
2.かつおぶしが沈んで5分ほどおいたら、ザルですくう。醤油麹を入れ、だし汁は完成。冷蔵庫で冷やしておく
3.ご飯をボウルにあけて、冷水で洗う。ザルでよく水切りする
4.小松菜の佃煮の茎の部分を、しょうがと醤油麹でサッと炒める
5.お皿にご飯をよそい、冷やしただし汁を回しかけ、上からネギ、たたき梅、かつおぶし、小松菜の佃煮、のり、きゅうり、ゴマをあしらって完成
スプーンで食べる「カリフラワーの発酵レモン塩サラダ」の作り方・レシピ
スプーンで食べる「カリフラワーの発酵レモン塩サラダ」の作り方・レシピ
カリフラワーを細かくミンチにして、スプーンで食べるサラダ。塩レモンを使った夏にぴったりの一皿です。
材料
・カリフラワー 1/2房
・ケール 1/2枚 千切り
ドレッシング
・生にんにく 1/2片 すりおろし
・発酵レモン塩 大さじ1〜
・塩麹 大さじ1〜
・オリーブオイル 大さじ2
・ガラムマサラ ひとつまみ
作り方
1.カリフラワーを下茹でして5分ほどの固茹でにする。
2.フードプロセッサーで粗いミンチにする。
3.ケールは茎の固い部分をとって、細かく千切りにする
4.ドレッシングをつくる。小さなボールに材料全て入れよく混ぜる
5.大きめのボウルの中でカリフラワーとケールとドレッシングを和えてしんなりしたらお皿によそう
「さやいんげんと赤ピーマンの海老生姜オイル炒め」の作り方・レシピ
「さやいんげんと赤ピーマンの海老生姜オイル炒め」の作り方・レシピ
ピリ辛でご飯もすすむ一品です!
材料
・乾燥海老 8個〜
・しょうが 1片 千切り
・鷹の爪 4つ〜
・インゲン ひとつかみ ななめ切り
・赤ピーマン 1/2個 細切り
・なたね油 大さじ1〜
・ごま油 ひとまわし〜
・醤油麹 大さじ1〜
・ごま 少々
作り方
1.フライパンに乾燥海老としょうが、鷹の爪となたね油を入れ、弱火で香りを出す
2.香りが立ったらインゲンと赤ピーマンを炒める。
3.醤油麹で味付けをして、火を止めて、ごま油をひとまわし、ごまをちらして完成。
ごま油は高温で香りが飛ぶため、最後に回しかけると良いです^ ^
海老しょうがオイルはどんなお野菜にも合うので、覚えておくと便利です!
小暑には、夏を迎える準備を
梅雨の時期で、気圧の変化や湿気などで体調を崩す方が多いと思います。毎日の食事で、にんにく、しょうが、複数のスパイスを組み合わせて使うことで、血がきれいになり、代謝も上がり体調を整えることができます。発酵食品と組み合わせてさらに体を強くして、本格的に始まる夏を元気に迎えましょう!