2022年4日~18日、二十四節気の「立春」にあたります。二十四節気(にじゅうしせっき)とは古代中国から伝わったもので、春夏秋冬の季節をさらに約15日間ずつ分けた暦です。
前回の節気である「大寒(だいかん)」では、本格的に寒くなり、また新しい年を迎えました。 今回紹介する「立春(りっしゅん)」は、暦の上では春が始まる節気となりますが、実際にはどのような季節を迎えるのでしょうか?
この記事では、立春に旬を迎える野菜を使った、発酵保存食の作り
びんで手作りする、季節の発酵保存食シリーズ【立春編】
「菜の花味噌」と「しその葉醤油漬け」
簡単に作れて2週間以上保存可能な2種類のおかずです。
「菜の花みそ」の作り方・レシピ
材料
(小さめのびん1瓶の量)
・菜の花 1束 200g
・味噌 大さじ6
・みりん 大さじ3
・塩麹 大さじ1.5
・菜種オイル(オリーブオイルでも) 大さじ3
下準備
菜の花はよく洗い水気をとり、5㎜ほどのみじん切りにする。
味噌とみりんをよく混ぜておく。(味噌は2種類以上を混ぜると美味しくなります)
作り方
1、フライパンに油をしき、菜の花を塩麴と一緒に中火で炒める。(そうすることで素早く火が通り、菜の花の香りが飛ぶのを防ぎます)
2、まぜておいた調味料を加える。ヘラで練るように菜の花と合わせていく。
3、菜の花全体に味噌がなじんできたら完成。瓶(またはタッパー)に入れ、冷蔵保存で2週間ほど持ちます。
「菜の花みそ」のアレンジいろいろ
・ごはんのお供に
・耐熱の皿に塗り付け、ガスバーナーで直接炙って、ご飯やお酒のお供に
・野菜をスティック状に切ってディップ味噌として
・味噌汁の旨味足しに
菜の花みそのアレンジレシピ「菜の花の和風パスタ」
材料
(2人分)
・菜の花味噌 大さじ4
・にんにく 1片
・アンチョビフィレ 2尾
・唐辛子 1㎝程
・しいたけ 4つ
・パスタ 2人分
・オリーブオイル 適量
・刻みのり 少々
下準備
・にんにくの皮をむいて、薄い輪切りにしておく
・唐辛子は種をとり、1㎝程度にちぎっておく
・しいたけは軽く汚れをとり、軸の部分は輪切りに、傘の部分は5㎜薄切りにしておく
作り方
1、フライパンにニンニク、アンチョビフィレ、唐辛子とオイル(分量外、大さじ3)を入れ弱火で香りを出す。ヘラでアンチョビをくずして香りがオイルにうつりやすいようにする。(同時にパスタを茹で始める)
2、香りが立ったら、菜の花味噌としいたけをいれ炒める。少し差し水(分量外、30ml程度)しながら炒めるとよい。
3、パスタのゆで汁をお玉一杯分入れ、少し水分を飛ばすように煮立たせる。(そうすることでパスタに絡みやすくなります。)
4、ゆであがったパスタをフライパンに入れ、手早くよくまぜ合わせる。パスタを味見し、塩で味を整える。
5、お皿に盛り付け、オリーブオイルをまわしかけ、きざみのりをかけて完成。
「しその葉醤油漬け」の作り方・レシピ
材料
(作りやすい分量)
・しその葉 10枚
・醤油麹(または醤油) 大さじ2
・みりん 大さじ1
・ごま油 大さじ1
・七味唐辛子 少々
・にんにく 1/2片
下準備
・しその葉は軽く洗い、水気を取っておく
・にんにくは皮をむき、3㎜程度の輪切りにしておく
作り方
1、シソ以外のすべての材料を小さい瓶(またはタッパーなど)に入れる
2、シソがひたるように入れ、瓶を振りよく混ぜてなじませる。翌日から美味しくいただけて、2週間ほど保存可能です。
「しその葉醤油漬け」のアレンジいろいろ
・ごはんに乗せていただく
・おにぎりを包んでいただく
・みじん切りにしてお豆腐の上にのせて
・みじん切りにして、ニンニクオイルで炒めたパスタと和えて和風パスタに
・シソを使い切って余ったものも、冷ややっこにかけたり、ふたたびしそを漬けたりして美味しくいただきましょう
立春(りっしゅん)とは
2022年4日~18日の期間は立春、いよいよ春の到来です!旧暦では、立春からいちばん近い新月の日が元旦で、昔の人は今ごろお正月を迎えていました。現代の暦と1か月ほど遅れていますが、「新春」「迎春」にその名残があります。またあらゆる節目の最初の日とされ、「八十八夜」や荒れる日に備える「二百十日(にひゃくとおか)」などの雑節は「立春」を基準日にし、農業の目安にしていました。
これから成長を始める大切な季節です。冬の間は動いていないように見えていた植物が、つぼみをつけ花を咲かせます。私たちも自然のエネルギーに乗って、冬の間に蓄えたエネルギー(経験や学んだことなど)を解き放ちましょう!
二十四節気 春の暦
初春:立春(←今ここ)、雨水(桃の節句)
仲春:啓蟄、春分
晩春:清明、穀雨(八十八夜)
立春の旬野菜
はしり(市場に出回りはじめたもの、初物)
うるい、明日葉、つくし、タラの芽、アスパラ
さかり(おいしくて栄養価も高く、価格も安定)
菜の花、ふきのとう、からしな、ブロッコリー、カリフラワー、水菜、小松菜、ソラマメ、さやえんどう
なごり(旬の終わりかけ、コクや深みを楽しむ)
下仁田ネギ、ねぎ、かぶ、さつまいも、春菊、白菜
立春の旬食材
くだもの
りんご、いちご、キウイ、はっさく、きんかん、いよかん、レモン
魚介
牡蠣、ホタテ、つぶ、ハマグリ、ヤリイカ、イイダコ、しまえび、イセエビ、ヒラメ、白魚、キンメダイ、ぶり、ニシン
立春の行事食
初午(はつうま)のおいなりさん
初午とは2月の最初の午の日。各地の稲荷神社で豊作、商売繁盛の祭礼が行われます。稲荷(いなり)さんは稲作、農業の神様です。この日はその神さまに仕えていたキツネの大好物であるお揚げを使った料理がお供えされます。代表的なものには、油揚げの中に酢飯を詰めた「おいなりさん」がありますね。ご家庭でもこの日にお稲荷さんをいただいてみてはいかがでしょうか?(2022年の初午は2月10日です。)
立春には、春の食材を積極的に楽しみましょう!
今回は立春の発酵保存食をご紹介しました。冷蔵庫に、すぐに食べられる作り置きのおかずがいくつかあれば安心ですね。体調を崩しやすく養生が特に必要だった土用を過ぎ(立春前の18日間)、また新しい季節を迎えました。陰から陽に転換する春分の日まで、陽のエネルギーが徐々に強くなっていきます。
立春は、冬に溜めた余分なものを外に出してくれる効果のある、渋みや苦味を含む野菜たちが旬を迎えます。菜の花、ふきのとう、タラの芽やうるいなどの山菜の春の食材を積極的にいただきましょう。体が全ての土台です!毎日の食事を大切にしていきたいですね。