微生物・菌

2016年10月24日

発酵菌は生きた状態で取り入れないと効果がない?【教えて!小泉武夫先生】

発酵食品やその食文化における第一人者として日本でもっとも有名な小泉武夫先生。月光仮面ならぬ「発酵仮面」という異名も持つ小泉先生に、発酵食品について教えていただきました!

9.発酵菌は生きた状態で取り入れないと効果がない?

発酵菌は生きた状態で取り入れないと効果がない?【教えて!小泉武夫先生】:haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」

発酵食品の中には、生きた発酵菌がたくさんいます。例えば納豆1グラムには何十億という納豆菌がいます。納豆菌は熱耐性胞子を持っているので熱に強く、100度でも死にません。炒めて食べたり、「納豆ライスカレー」を作ったとしても生きた状態で腸まで届きます。
ヨーグルトには1グラムの中に乳酸菌が数億個います。乳酸菌やその一種であるビフィズス菌は、腸の中で、消化・吸収を助けてくれる働きがあります。ですから熱を加えないで、そのまま食べるのが良いですね。
乳酸菌は納豆菌のように熱に強くなく、70度ぐらいになると死んでしまいます。しかし、死んでしまったからといって健康に役立たないわけではありません。発酵菌のカラダは約70%がタンパク質です。タンパク質はカラダの中に入ると、分解されてアミノ酸になります。
アミノ酸は人間にとって活力源です。カラダの中で細胞を新しく作るもとになります。もうひとつは皮膚に良い効果を与えます。ツヤツヤした肌になります。ほかにもアミノ酸の効果はたくさんあります。つまり、発酵菌は生きた状態はもちろん、死んだ状態でも食べた人のために役に立つのです。
さらに最近の研究では、発酵菌は死んだ状態でも腸の中で免疫細胞を作るもとになることがわかっています。免疫力がアップするのです。

小泉武夫

小泉武夫

1943年福島県の酒造家に生まれる。 東京農業大学名誉教授。農学博士。専攻は食文化論、発酵学、醸造学。 現在、鹿児島大学、琉球大学、広島大学大学院医学研究科、石川県立大学ほかの客員教授を務める。 特定非営利活動法人発酵文化推進機構理事長。全国発酵のまちづくり協議会長。全国地産地消推移新協議会会長(農水省)、「和食」文化保護・継承国民会議委員(農水省大臣官房)、食料自給率向上協議会会長(農水省大臣官房)など、食に関わる様々な活動を展開し、和食の魅力を広く伝えている。 著書に、『食あれば楽あり』(日本経済新聞社)、『発酵食品礼賛』(文春新書)、『食と日本人の知恵』(岩波現代文庫)、『食の世界遺産』(講談社)、『江戸の健康食』(河出書房新社)、小説『夕焼け小焼けで陽が昇る』(講談社文庫)、『猟師の肉は腐らない』(新潮社)、『幻の料亭・日本橋「百川」黒船を饗した江戸料理』(新潮社)など単著は140冊を超える。日本経済新聞に連載の「食あれば楽あり」は現在24年間にわたり連載中。丸ごと小泉武夫 食マガジン  NPO法人発酵文化推進機構

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