超贅沢系調味料!手間ひまかけたい自家製お醤油にチャレンジ

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三大発酵調味料といえば、味噌、酢、そしてなんといっても「醤油」。
使われる料理によって陰に隠れたり、逆に思い切り前面に出たり、実にいろんな表情を持つ万能調味料。醤油が作られる過程や、近年チャレンジされる方が増えてきたという自家製醤油のことなどなど…。今回はお醤油についてお伝えします。

まずはおさらい。お醤油ってどうやって作られる?

醤油を注ぐ

お醤油は、大豆・小麦・塩を原材料とします。基本的な製造過程として、まず大豆と小麦を蒸煮してから麹菌を混ぜ込み「醤油麹」を作ります。そこに塩と水分を足して「もろみ」にし、十分に熟成されたのちに圧搾。ここで絞られた液体が「生醤油(きじょうゆ)」となり、保存目的のために加熱された生醤油がお醤油です。

と、言葉にするのは簡単ですが、仕込みから完成まで実はけっこうエネルギーを必要とするのも事実。
例えば、大豆と小麦を麹にするのにも3〜4日間は温度管理が必須ですし、もろみの塩をなじませるためには定期的なお手入れも欠かせません。また、もろみから生醤油を搾るまでの熟成期間も1年弱ほど掛かります。

お味噌だけでなくお醤油も、完成までに長期間を要する超贅沢系調味料だと感じますね。

素朴な疑問:値段の違いはなんの違い?

ペットボトルに入った日本の醤油

スーパーなどで見かける醤油の中には、100円前後の安価な醤油から、1000円超えまで幅広くありますが、その違いは主に原材料、もしくは製造過程の違いと言えるでしょう。

原材料で言えば、現在国内で流通する大豆の90%以上が輸入品であるため(農林水産省調べ)醤油の原材料となる大豆が国産品か輸入品かは大きな違いとなります。もちろん国産でも有機大豆ならさらに希少価値に。

製造方法についても、前途のように大豆・小麦・塩から作られる「本醸造仕込み」に対して、それ以外の「混合醸造方式」等と呼ばれる作り方の場合、大豆の代わりに「脱脂加工大豆」が用いられていたり、アミノ酸液を使って原材料を熟成させたり、熟成期間短縮のためにアルコール添加、色や保存を目的としてカラメルや甘味料を用いるなどといった、本醸造とは異なる手法が使われています。

原材料や手間ひまを惜しまずに作られたものは、流通価格にも違いが出て当然というわけですね。

本醸造を、自分の手で作ってみる。<農家の場合>

これまでもhaccolaにて「女将のぬか床クリニック」や「味噌作りの会」でご紹介した、相模原市の大豆農家おだやか家でも醤油作りを開始されました。
それもなんと、醤油の原材料となる大豆と小麦を前年から栽培したという、生産農家ならではのダイナミックな取り組みです!
編集部がお邪魔したのは2月初旬。麹が作られもろみになるまでの様子をお届けしましょう。

蒸した大豆と焙煎した小麦に麹を合わせ麹室におさめる「引込み」後、麹の温度管理は4日間続きます。
蒸した大豆と焙煎した小麦に麹を合わせ麹室におさめる「引込み」後、麹の温度管理は4日間続きます。

4日後、丁寧な管理の甲斐もあり美しい緑色の醤油麹が完成。お見事!
4日後、丁寧な管理の甲斐もあり美しい緑色の醤油麹が完成。お見事!

完成した麹を「出麹(でこうじ)」したあと手早くほぐし、塩を混ぜ合わせたら樽へ移動。井戸水を足して「もろみ」へと進化させます。
完成した麹を「出麹(でこうじ)」したあと手早くほぐし、塩を混ぜ合わせたら樽へ移動。井戸水を足して「もろみ」へと進化させます。

現在は定期的にもろみのお手入れが行われており、その様子はおだやか家で更新予定とのこと。こちらもまた楽しみですね!

もっと手軽に、家庭ではじめる本醸造仕込み。

近年自然食品ショップなどでは、お味噌と同様にお醤油仕込みのキットを見かけるようになりました。醤油麹や大豆など、必要な材料が全て用意されたキットは、手軽に本醸造仕込みにチャレンジするのに最適です。

短時間で簡単に仕込めますので、お子さんとご一緒や、週末のイベントとして手軽に始められますよ。

家庭の味だからこそ、普段使いの調味料にはこだわりたい。買うにしても作るにしても、希少と言われる本醸造仕込みを選び、日常の食事からより豊かにしたいものですね。

関連リンク

農林水産省 大豆のまめ知識:http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/daizu/d_tisiki/
おだやか家:http://odayakaya.com/

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