4月4日は「あんぱんの日」。フライパンで作る、簡単で焼き立てが楽しめるあんぱんレシピをご紹介します。また、パンの発酵に深く関わる「イースト菌」についても、レシピと共にお勉強してみませんか?
4月4日は、なぜ「あんぱんの日」?
あんぱんと言えば、明治2年創業の老舗パンメーカー「木村屋總本店」さんが考案されたことでも有名です。
明治8年(1875年)の4月4日、天皇皇后両陛下がお花見をする際のお茶菓子として、木村屋總本店さんのあんぱんを明治天皇へ献上することになりました。天皇皇后両陛下は木村屋總本店さんのあんぱんを大変気に入られ、4月4日は「あんぱんの日」として記念日に認定されているそうです。
参考資料:あんぱんの日とは?(株式会社 木村屋總本店ウェブサイトより)
あんぱんはもちろん、パンの発酵に関わる「イースト菌」とは?
パンといえば発酵を思い浮かべる方も多いと思いますが、パンの発酵にはイースト菌が深くかかわっています。イースト菌が行うアルコール発酵によって、パンのおいしそうな香りやふんわりした食感を作ることができます。
イーストは微生物から構成されている
「yeast(イースト)」とは「酵母」のことです。酵母とは単細胞の生きている菌の塊で、繁殖力と発酵力が強く、パンの製造やビール、ワインの醸造などに用いられます。タンパク質を多く含み、ビタミン類に富んでいるので、栄養価が高いとされています。
イーストは微生物から構成されていて、生きている天然の素材です。イースト菌の増殖には空気が必要で、空気がないと発酵が妨げられます。
「出芽酵母」のイーストは、発酵スピードが速い
イースト細胞は「出芽酵母」とも言われ、『サッカロミセスセレビシエ』をいう学名を持ちます。出芽酵母とは、細胞分裂ではなく出芽で娘細胞を作り増殖するタイプの酵母です。
イーストは、20分あれば新しく出芽して細胞を作るそうで、母細胞が20分で娘細胞を作り、娘細胞も20分で孫細胞を形成します。40分であっという間におばあちゃんになってしまうくらい、発酵スピードが速いのです。
イースト1gの中には、100億もの生きた細胞がいる
イースト1gの中に100億もの生きた細胞がおり、そのサイズは6~8mm/1000という大きさでしかありません。しかし、生イーストは、1kgブロックの細胞を繋ぎ合わせると地球を1周するほどの大きさになり、インスタントドライイーストではその3倍になるそうです。
イーストの量を少なくして長時間発酵させ、味や風味を良く仕上げる作り方が流行中
発酵中には、イーストが小麦中のタンパク質やでんぷんを分解し、香りや熱を出します。
発酵が早いとふくらみだけで風味が少ないので、最近はイーストの量を少なくして長時間発酵させ、味や風味を良く仕上げる作り方が流行っています。
イーストは、ビタミンやミネラル、脂質や酵素を含み、人体の代謝や免疫系に不可欠な要素を持っています。発酵の手段はいろいろありますが、イーストも発酵を語るには外せないものです。
簡単焼き立て!フライパンで作るあんぱん
ちょっと不格好ではありますが、簡単に焼き立てあんぱんがいただけるレシピをご紹介します。
材料(6個分):フライパンで作るあんぱん
・強力粉 150g
・砂糖 15g
・塩 2g
・イースト 3g
・水 100cc
・油 5g
・こしあん 180g(1個に30g)
・サクラの花の塩漬け 6個
作り方:フライパンで作るあんぱん
1. 強力粉・砂糖・塩・イーストをビニール袋に入れ、風船のように空気を入れて膨らませ、よく振り混ぜます。
2. 水を加え、さらによくふり混ぜます。
3. 袋の中でポロポロの粒になったら、油を加えビニール袋の上から、伸ばしたり揉んだりしながら5分捏ねます。(油を加えるとビニール袋から生地が離れやすくなります)
4. 捏ね上げたら、生地を丸くまとめてボウルに移し、上からラップをします。
5. 5合炊きの炊飯器の1合のメモリまでぬるま湯(40℃位)を入れ、4のボウルを置き、スイッチは入れずに蓋を閉めて密封状態にしたまま30分置き、1次発酵させます。(炊飯器を使うと温度が下がらず発酵できます)
6. 発酵している間に桜の花の塩抜きをし、こしあんを30gに分け、6個分丸めておきます。
7. 5の1次発酵が終わり、生地が2倍くらいの大きさになったら、台に取り出して6等分にします。
8. 6等分した生地を押し広げ、餡を真ん中に置き、四角をつまんで餡を包んで丸めます。
9. 8を手のひらで軽くつぶし、平たくして桜の花を乗せます。
10. フライパンにクッキングシートを敷き、9のあんぱん生地を隙間をあけて並べ、蓋をしてとろ火で1分加熱します。
11. 火を止めてそのまま蓋をして20分蒸らし、2次発酵させます。
12. 11が1.5倍位に膨らんだら、蓋をしてとろ火で両面8分ずつ焦げないように焼きます。