年末年始はやっぱり日本酒♡クリスマスやお正月にピッタリな日本酒の選び方・飲み方 │マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.3

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東京・東中野にある、少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」。本格的な和食とのペアリングで日本酒の提供してくれる同店のマダム・下宮みどりさんによる、ビギナーのためのやさしい日本酒講座、好評開講中です♪

「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」とはどんなお店? くわしくはこちら≫

クリスマスやお正月、忘年会、新年会などで華やかになるこの時期。また、ホームパーティを開いたり、お呼ばれする機会も多いのではないでしょうか? 第3回目は、年末年始の日本酒の飲み方、選び方や贈り方について、マダム下宮に聞きました。

年末年始はやっぱり日本酒♡クリスマスやお正月にピッタリな日本酒の選び方・飲み方 │マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.3
年末年始はやっぱり日本酒♡クリスマスやお正月にピッタリな日本酒の選び方・飲み方 │マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.3

ハッコラ編集部:「やっぱり年末年始は日本酒を飲みたくなっちゃいますよねっ(勢)!」
マダム下宮:「あら、年末年始だけじゃなく、いつも飲んでないかしら(笑)? さておき、たしかにこの季節は日本酒がいちばん売れる時期だけど、酒蔵さんは、それはそれは忙しい時期なのよ…(慈)」

「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」のマダム下宮
「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」のマダム下宮

わたしたちがもっとも日本酒を飲んでいる時期、酒蔵さんはてんやわんや。これは、ただ「おいしい、おいしい」と日本酒を飲むだけでは申し訳ない…。作り手さんのことも理解しながらいただくと、より一層、おいしい日本酒が飲めることへのありがたみも感じるというもの。
パーティフードやおせち料理にどう日本酒を合わせるのか、ホームパーティで日本酒をどう振る舞えばいいのか、どう贈ればいいのかなども、酒蔵さんへの感謝の気持ちや理解が添えられると、日本酒のお味もグッと違ってくるのではないでしょうか。
心から日本酒を「おいしい!」と思えるようになる、マダム下宮のやさしい日本酒講座、第3回目の始まり始まり…!

日本酒がもっとも売れる年末年始は、酒蔵がいちばん忙しい時期

新酒の杉玉
酒蔵がいちばん忙しい時期は、日本酒がもっとも売れる年末年始

秋に収穫された米で仕込まれた新酒が店頭に並ぶのは、12月から3月頃まで

いよいよ師走、12月ですね。私たち日本酒好きにとって待ちに待った新酒の季節を迎えます。今年の秋に収穫されたお米が酒蔵に入り、仕込まれて、新酒として店頭に並ぶのが12月から3月頃まで。

12月だけが新酒の季節ではない

12月だけが新酒の季節だと思っている人も多いかもしれませんが、実は12月から様々なタイプの新酒が次々と店頭に並びます。その事をわかっている人は意外と少ないかも知れませんね。

12月から1月までが、日本酒がもっとも良く売れる季節

話は少し逸れましたが、年末の12月から年始の1月までが、日本酒がもっとも良く売れる季節になります。新酒の季節と年末年始の大切な行事が重なる事が大きいのでしょうね。酒蔵もそれを見込んで、12月から1月に出荷される新酒に対してはラベルも工夫して、新酒であることを強調します。

12月から2月までが、酒蔵がいちばん忙しい時期

一方酒蔵は、12月から様々なタイプの新酒を仕込んでは出荷する作業が、翌年2月頃まで続きます。その間に新酒以外のコンテスト用の日本酒や季節酒の仕込みも同時に行われるため、大変忙しい季節になるんです。そしてやっと3月になると、あちこちの蔵で「仕込みが終わったよ」という報告が聞かれるようになります。
わたしたちが新酒を楽しんでいる間、酒蔵は大忙し。年末年始もこうやっておいしい日本酒がいただけることは、本当にありがたいことなんですよね。

クリスマスやお正月にもピッタリ!贅沢で華やか、ちょっぴり個性的な日本酒ってどんなもの?

スパークリング日本酒
クリスマスやお正月にもピッタリな日本酒は?

発泡タイプの日本酒はおめでたい季節にぴったり

クリスマスやお正月におすすめする日本酒としては、発泡タイプでしょうね。ここ数年造る蔵が増えてきました。
透明なタイプや濁りタイプなど、造りで仕上がりは違ってきますが、酒蔵の努力は年々すごいです。おめでたい季節、乾杯にピッタリではないでしょうか。

古代米で造られた赤い色の日本酒も!

かなり個性的なのが、赤い色をした日本酒。原料は日本酒と同じなんですが、使っているお米が違う。古代米を使って造られている為、出来上がったお酒が美しい赤色! 味もどことなくワインに近く、場合によっては日本酒と気づかないかもしれませんね。

「十二六(どぶろく)」は消費期限20日間という貴重なお酒

これは日本酒ではないんですが、前回の記事もご紹介しましたどぶろく。私たちのお店でも、お客さまにもっとも期待されるお酒で、「十二六」と書いて「どぶろく」と読ませる濁酒です。製造は約5ヶ月とちょっとで、注文を受けた分だけ造ります。アルコール度数5度前後、消費期限が何と20日間! かなり珍しい1本ですよ。

ホームパーティのホストやゲストになったら、日本酒でどうもてなす?日本酒をどう贈る?

日本酒でのもてなし方

日本酒でのもてなし方
日本酒でどうおもてなしすればいいの?

日本酒はあくまでも趣向品。自分の好みで揃えるのは失敗しがち

季節柄、パーティーや宴席が多くなる時期ですね。お客さまを招いておもてなしする時に気をつけたいことは、どんな人が来るのかということ。日本酒はあくまでも趣向品なので、自分の好みで揃えるのはやりがちな失敗です。

食中酒としての日本酒をいくつか準備することが大事

それと、どんな料理を準備するのか。つまり料理と日本酒の組み合わせがとっても大切です。そこはワインに似ているところがあって、お料理を邪魔しない、でも日本酒が強すぎてもいけないですしね。食中酒としての日本酒をいくつか準備することが大事ではないでしょうか。

パーティーの4~5日前に開栓し、再び冷蔵庫に入れておく

そこまで出来たら、発泡タイプの日本酒以外は、パーティーの4~5日前に開栓し、再び冷蔵庫に入れておきます。冷蔵庫に入らない場合、寒い季節ですので、暖房を使っていない北側の部屋に置いておくといいでしょう。

日本酒は、開けたてより数日経った方がおいしくなる

日本酒は空気と馴染ませることが大事。開けたてより数日経った方がおいしくなっているので、私たちのお店でもそうしています。

日本酒の贈り方

日本酒の贈り方
日本酒をどう贈ればいいの?

自分が飲んでおいしかった日本酒が、相手もおいしいとは限らない

もうひとつ。相手に日本酒を送ったり、ホームパーティへ持っていったりする場合。
よくやりがちなのは、先ほども言いましたが、自分の好みで選んでしまう事。「自分はこれを飲んでおいしかったから、相手に贈る」という事は避けた方がいいかもしれませんね。

相手の好みがわからない場合は、日本酒を贈る・持ち込むのは避けたほうがベター

趣向品である日本酒を相手に贈る、または、持っていく場合は、しっかり相手の好みを把握することがいちばん大事ですよ。相手が日本酒をよく飲む人だからといって、自分がおいしいと思った物をお贈りしても、もしかしたら失礼にあたってしまう場合も…。そのくらい難しいことだと思っておいていただいたほうが安心ですね。

クリスマスのパーティフードに合う日本酒の選び方・飲み方

クリスマスのレストラン
クリスマスのパーティフードに合う日本酒とは?

低アルコール、キリっとした酸味、さっぱりした喉越しの日本酒がおすすめ

クリスマスパーティーの料理は、やはり油料理やお肉を使ったしっかりした味の料理が多くなるので、アルコール度数がやや低めで、酸味がキリッときいていて、喉ごしがサッパリしたタイプが良いはず。油のしつこさを酸味がカットしてくれるし、食事も長く楽しめるのではないかしら。クリスマスケーキには、甘いデザート酒が合うと思いますが、日本酒にもそんなタイプがあるんですよ。日本酒には色んなタイプのお酒があるので、料理に合わせて楽しんでほしいな。

お正月のおせち料理に合う日本酒の選び方・飲み方

お正月のおせち料理
お正月のおせち料理に合う日本酒とは?

様々なタイプの日本酒を数種類揃えて、おせち料理の味の濃淡で飲み分ける

おせち料理は、箸休めのようなお酢を使ったさっぱりした料理から、味が濃い目のものが多いのが特徴です。
最初はさっぱりしたタイプの日本酒から楽しんではどうでしょう。そして、味の濃い料理を楽しむころにはお酒も変えて、味のはっきりしたものや、濃い目の日本酒を料理に合わせると良いのではないかしら。おせちの中にはお酒のつまみ、つまり珍味的な物もあるので、最後はしっかり味わいながら飲むお酒もあっていいと思います。
相乗効果が楽しい日本酒。とくにお正月は、このように様々なタイプの日本酒を数種類準備しておくと良いのではないでしょうか。

マダムおすすめ!年末に飲みたい日本酒はこれ!

スパークリングタイプの日本酒
福島県郡山市の「仁井田本家」による『穏スパークリング』

福島県郡山市の「仁井田本家」による『穏スパークリング』
福島県郡山市の「仁井田本家」による『穏スパークリング』

透明タイプの発泡酒ですが、後で炭酸ガスを入れた訳ではないんです。瓶内発酵後に火入れをし、開封も普通のスパークリングに慣れている人は安心。透明感のある辛口タイプできめ細やかな泡が美しい、この季節の乾杯にピッタリの1本です

仁井田本家
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デザートに合わせる日本酒
京都府与謝郡の「向井酒造」による『伊根満開』

京都府与謝郡の「向井酒造」による『伊根満開』
京都府与謝郡の「向井酒造」による『伊根満開』

美しい赤色をした日本酒。赤色は古代米を使ったことで誕生した新時代の日本酒。やや甘く、後を引かないスッキリした味はデザートに合わせて楽しんでみて下さい。技術指導に農大が関わっています。

向井酒造

写真非公開の日本酒

お楽しみの日本酒
お楽しみの日本酒

非常に数量が少ないため公開できませんが、私たちのお店のご常連さまが待っているのが、この日本酒です。数量は、何とこの世に30本あまり! 詳しいことはお伝えできませんが、12月になると入ってきます。


日本酒でのおもてなしの方法や、料理への合わせ方など、知っているのと知らないとでは、日本酒のお味も変わってきます。年末年始の日本酒を上手に楽しみましょう。

美酒和膳 ひがし中野 しもみや

しもみやさんの投稿 2016年10月6日木曜日

小泉武夫先生の教え子だったご主人とマダム下宮が営む、少量生産日本酒の専門店「しもみや」

東京農大醸造学科の卒業生で、小泉武夫先生の教え子だったご主人の下宮龍児さんと、マダムの下宮みどりさんが営む、少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」。意識して珍しい日本酒だけを置いている訳ではなく、「小さな蔵が伝統を引き継ぎ、自分たちの手で丁寧に作り上げる少量生産の日本酒を楽しんでほしい」、「大量生産では決して出せない本物の日本酒の味を味わってほしい」という想いからセレクトされた日本酒と、季節の発酵料理が味わえるお店です。

しもみやさんの投稿 2016年11月25日金曜日

日本酒と季節の発酵料理のペアリングは、マダム下宮におまかせで安心

旬の食材を活かした、体に優しくて日本酒に合う発酵料理の数々は、まさに“日本酒を楽しむための料理”。ご主人による発酵料理が次々と出されますが、日本酒とのペアリングはマダムにおまかせで安心。料理が出されるタイミングで、その料理と合う日本酒をマダムが出してくれます。
日本酒に詳しくない方も、いろんな日本酒の飲んできた方も、ともに大満足すること間違いなし! 東中野の醸し場「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」にぜひ足を運んでみてくださいね。

「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」店舗情報

店名:美酒和膳 ひがし中野 しもみや
URL:オフィシャルサイト食べログFacebookページTwitterInstagram
住所:東京都中野区東中野1-52-18 クワハウス1階(Google Map
営業時間:PM6:00~AM1:00/LO.12:00
定休日:毎週月曜日
電話/FAX・メールアドレス:TEL&FAX:03-3363-7878 ※ご予約は4名様まで/e-mail:sake-shimomiya@sirius.ocn.ne.jp

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