東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(ゴ)」。連載『発酵居酒屋5の発酵イタリアンレシピ』第7回目は、現在、発酵居酒屋5で提供されているシーズナルメニューの中から、おもてなし料理にもピッタリな「蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット」のレシピをご紹介します。
「蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット」は、発酵居酒屋5でも食べることができます
鮒鮓の「飯(いい)※鮒と一緒に発酵させた米」を使ったリゾットの発酵感のある酸味を、蝦夷鹿のやわらかな赤身肉で包んだ、ゴージャスな一皿をお楽しみください!
やわらかな酸味のある鮒鮓のリゾットを、滋味あふれる蝦夷鹿肉で包みました
教えて頂くのは、発酵居酒屋5で副料理長を務める、野呂将(のろ ひとし)さん。また、今回ご紹介させていただく「蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット」は、発酵居酒屋5でもお楽しみいただけます。ぜひ足を運んでみてくださいね!
※仕入れなどの状況により、同メニューがご提供できない場合がございます。ご了承いただけますと幸いでございます
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滋賀県の発酵料理「鮒鮓(ふなずし)」
お皿の手前にあるのが、鮒鮓の「飯(いい)※鮒と一緒に発酵させた米」
古くから発酵文化が育まれてきた滋賀県。豊かな自然、そして、年間を通じて高湿度という発酵に最適な環境ゆえ、滋賀県では様々な発酵食品が受け継がれており、まさに「発酵県」と呼ぶにふさわしい地域です。琵琶湖に流れ込む比良山系の清らかな水で育った鮒と米で仕込まれた「鮒鮓」は、滋賀県代表する発酵料理、そして郷土料理としても有名です。
滋賀県指定無形民俗文化財になっている「鮒鮓(ふなずし)」
「ニゴロブナ」という琵琶湖の固有種を使って作る鮒鮓。昨今、ニゴロブナは減ってきており、鮒鮓は高級な珍味となっています。また、滋賀県の大切な食文化を守るため、鮒鮓は県指定無形民俗文化財に指定されています。
「鮒鮓(ふなずし)」は「熟鮓(なれずし)」の一種
鮒鮓は、魚に米飯や米麹、塩を混ぜて重石をし、長期間乳酸発酵させた「熟鮓」のひとつ。日本各地には、熟鮓が郷土料理として残っている地域も多く、滋賀県の鮒鮓を始め、石川県のかぶら鮓、和歌山県のサバの熟鮓、岐阜県のアユの熟鮓、秋田県のハタハタ鮓、北海道のサケの飯鮓(いずし)などがあります。
「鮒鮓(ふなずし)」や「かぶら鮓(かぶらずし)」に代表される、「熟鮓(なれずし)」の歴史・健康効果
石川県の「かぶら鮓」も「熟鮓(なれずし)」の一種
現在の寿司の原型とも言われる「熟鮓(なれずし)」
熟鮓は寿司の起源とも言われ、縄文時代に中国南部や東南アジアから伝わったと考えられています。現在の寿司は酢飯を作って手で握りますが、熟鮓は乳酸発酵により酸味を生じさせています。
「熟鮓(なれずし)」の健康美容効果
乳酸発酵で魚の長期保存が可能になるうえに、微生物がさまざまなビタミン群を多量に生成してくれる熟鮓。タンパク質、アミノ酸類、ビタミン類、ミネラル類に富み、整腸作用、疲労回復、免疫力アップ、肌荒れの改善をサポートします。
ジビエの代表格、鹿肉
イノシシやハト、カモ、野ウサギなどと並んで、ジビエとして食されている鹿肉。最近はジビエ料理を提供するレストランも多いですよね。輸入食材を扱うスーパーや精肉店などでも、鹿肉を手に入れられるようになっています。
鹿肉の健康美容効果
ジビエとして食されている鹿肉
鹿肉は鉄分が豊富
鹿肉は、おいしいだけでなく、女性にとってうれしい効果がたくさんあります。低コレステロールで高タンパク質、そして、鉄分も豊富なのです。月経によって鉄分が失われるため、女性は鉄分不足による貧血や冷え性になりがち。シカ肉には、その不足しがちな鉄分が100gあたり3.4mgも含まれているのです。これは、牛サーロイン肉と比べると約1.7倍、ほうれん草と比べてると約1.3倍の含有量です。
鹿肉の「ヘム鉄」は吸収されやすい
鹿肉などの肉類に含まれる「ヘム鉄」は、植物性の「非ヘム鉄」より体に吸収されやすいため、より効率的に鉄分を摂取できます。ダイエット中の方や、ヘルスコンシャスな生活を送る方にはピッタリの食材ですね。
蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット│発酵イタリアンレシピ
里山をイメージして盛り付けられた「蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット」
今回は、栄養豊富な鮒鮓の「飯(いい)※鮒と一緒に発酵させた米」を使ったリゾットを、これまた栄養価の高い蝦夷鹿肉で巻いた、豪華なレシピをご紹介します。
リゾットには、鮒鮓の飯に加え、シュレッドチーズ(柵状に細かく切られたチーズ)を使用。また、赤ワインソースには麹も入っており、発酵尽くしの一皿になっています。
麹の入った赤ワインソース
材料:蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット│発酵イタリアンレシピ
・蝦夷鹿のもも肉 500g
・たもぎ茸 1パック
リゾット
・水 135g
・鮒鮓の飯 35g
・ご飯 110g
・オリーブオイル 18g
・ブラックオリーブ 3粒 (粗みじん切り)
・シュレッドチーズ 45g
・ドライトマト 12g(粗みじん切り)
・根三ツ葉の茎 3本(輪切り)
赤ワインソース
・赤ワイン 250g
・根三ツ葉の根 48g
・麹 45g
・炒った松の実 15g
松の葉のオイル
・松の葉 25g
・グレープシードオイル 40g
「蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット」レシピ
作り方:蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット│発酵イタリアンレシピ
1. 鍋に鮒鮓の飯と水を入れて中火にし、湧いたらご飯とブラックオリーブを入れる。そこに、まだ水分があるタイミングでシュレッドチーズを入れてとろみが出るまで混ぜ、その後オリーブオイルを入れて再度よく混ぜる。ご飯一粒一粒にオイルが絡んだら、火から外してボールに入れ、粗熱を取ってドライトマト、根三ツ葉の茎を入れて混ぜる。
2. 鍋に赤ワインソースの材料を入れて強火にし、湧いたら弱火で10分煮てから、ミキサーでペースト状にして塩で味を整える。
3. 松の葉をお湯でさっと洗い、グレープシードオイルを36℃に温め、ミキサーに松の葉とグレープシードオイルを入れて1分間まわし、濾す。
4. 蝦夷鹿肉のブロックを2mmにスライスして、長方形の一枚の布状にし、肉叩きでたたく。
蝦夷鹿肉をスライスする時は、肉の奥と手前に菜箸を横に置き、その上に包丁を乗せて切ると均等に切れる。
5. 4に1を棒状に乗せて巻いていき、塩をして、たもぎ茸と一緒に焼く。
6. 赤ワインソースをお皿に敷いて、カットした5を乗せ、上から松の葉のオイルをかける。
合うお酒:蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾット│発酵イタリアンレシピ
ボジョレーヌーボー(Beaujolais Nouveau)
蝦夷鹿(エゾシカ)肉で巻いた鮒鮓(ふなずし)のリゾットと合わせるお酒は「ボジョレーヌーボー(Beaujolais Nouveau)」がおすすめ。毎年11月の第3木曜日が解禁日となっているボジョレーヌーボーとは、フランスのブルゴーニュ地方、ボジョレー地区で造られている赤ワインのことです。通常のワインのように熟成させず、その年にとれたブドウですばやく作る、いわば日本酒でいう「新酒」のようなワインです。
ボジョレーヌーヴォーは、出来立てのフレッシュで軽快な口当たりとフルーティーな酸味が魅力のワインなので、あまり時間をおかず、早めに飲みたいところですね!
「発酵居酒屋5」とは
野呂さんが副料理長を務める「発酵居酒屋5(ゴ)」は、発酵をテーマに、無添加であること、手作りであること、そして、気兼ねなく毎日通えることにこだわった居酒屋です。全てに発酵食材を用いたお酒が進むお料理をラインアップ、また、創り手の思いが伝わるワイン、日本酒、マッコリ、国産レモンの酵素シロップを使った薬膳レモンサワーやオリジナルブレンドの漢方茶なども取り揃えています。
「発酵居酒屋5」関連リンク
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