ここ最近よく耳にするようになった「発酵鍋」。「発酵鍋」と言うまでもなく、普段から発酵食品を食べている方にとっては、酒粕やキムチなどを入れたり、つけダレに発酵調味料を使ったりなど、鍋料理と発酵食品の相性が抜群なことはご存知の通りだと思います。
しかし、「発酵鍋」としてトレンド鍋になるのは、とてもうれしいですね! 今回は、発酵鍋の代表格、台湾の“酸っぱ鍋”としても有名な、「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」のレシピをご紹介します。また、酸菜白肉鍋に入れる酸っぱい白菜の漬け物「酸菜(サンサイ)」の簡単な作り方や、おすすめのつけダレや〆、酸菜白肉鍋の健康作用や作る時や食べる時の注意点もチェックしてみました。
台湾の台北にある名店「長白小館」の酸菜白肉鍋
発酵鍋はトレンド鍋!
レストラン予約と宴会・グルメ情報検索サイト「ぐるなび」では、2009年から、その年に流行しそうな鍋を「トレンド鍋」として発表しています。
2019年のトレンド鍋には「発酵鍋」が選出されました。その理由は、昨今の発酵ブームも相まってか、ぐるなびユーザが「発酵」というキーワードで検索する数が、ここ2年間で4.5倍になっていたからだそう。
そして2020年1月、275店の飲食店がエントリーした「2019年 発酵鍋グランプリ」の受賞メニューが発表されました。
沖縄の「ラムとモッツァレラチーズの自家発酵しゃぶしゃぶ鍋~焦がし甘酒とカブのすり流しスープ、いしるポン酢~」や、大阪の「徳島ミルクティー鍋」、宮城の「仙臺八宝発酵鍋」など、魅力的な発酵鍋の数々が選ばれているようです。
結果と詳細は「発酵鍋グランプリ結果発表サイト」をご覧ください!
さまざまな種類の発酵鍋がありますが、今回は「元祖発酵鍋」とも言われ、比較的お手軽に作れる「酸菜白肉鍋」レシピに挑戦してみたいと思います。
発酵鍋「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」とは?
「長白小館」の酸菜白肉鍋
酸菜白肉鍋とは、「酸菜(サンサイ)」という酸っぱい白菜の漬け物を使った台湾で人気の鍋料理です。
うす切りの豚バラ肉と一緒に鍋で煮て、好みのタレをつけていただきます。酸菜の酸っぱさで豚バラ肉もさっぱりと食べることができますし、ラム肉や牛肉を入れて楽しんでも◎。
酸菜の旨みが染み出したつゆでも、発酵食品ならではの深い味わいを堪能することができるため、まさに「発酵鍋の王様」とも呼んでもいいのではないでしょうか。
「長白小館」のメニュー
「長白小館」のメニュー
発酵鍋「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」に欠かせない「酸菜(サンサイ)」の作り方
本格的な「酸菜」を作るには、長い期間をかけてじっくりと白菜を乳酸発酵させることが必要です。
本場台湾の台中に本店を構える、酸菜白肉鍋専門店「老舅的家郷味」では、粗塩をかけて20分ほど置いた白菜を塩ゆでし、その後、粒子の細かい塩を使って甕(かめ)に仕込み、夏は21日間、冬は28日間ほど漬けているのだそう。白菜を漬け込んだ発酵液を鍋のスープに加えることで、いい隠し味にもなるようです。
参照:第38回 台湾・前篇|全国漬物探訪|漬物機能研究所 – 東海漬物
今回のレシピでは、より手軽に楽しめるよう、簡単にできる酸菜風漬物を使ったレシピをご紹介しますね。
「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」の健康作用
発酵とは、発酵菌がたんぱく質やでんぷん質を分解することで、新たに糖分やアミノ酸を作り出す働きがあり、もとの食材にはなかった旨味や味わいが生まれると同時に、栄養価もアップします。
発酵食品を使った発酵鍋は、腸内環境を整える働きがあり、デトックス効果や免疫力アップの効果があるとされているほか、腸内の善玉菌が増えることで、便秘の解消や吹き出物予防、美肌効果も期待できます。
発酵鍋は、味わい深いうまみ、芳醇な香りやコクが楽しめるうえ、代謝の促進や腸内環境を整えてくれるため、おいしいのみならず、体にもいい鍋料理として、人気が出るのもうなづけますね。
発酵鍋の代表格、台湾の「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」のレシピ・作り方
発酵鍋の代表格、台湾の「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」のレシピ・作り方
自宅で簡単に味わえる酸菜白肉鍋のレシピをご紹介します。
酸菜の材料
・白菜 1/4株
・塩 白菜の重量の2%
・酢 大さじ1程度
酸菜の作り方
酸菜の作り方
1. ざく切りした白菜をビニール袋に入れて塩を加えてよくもみます。
2. 1に酢を加え、2~3日間冷蔵庫で保存してできあがりです。
酸菜白肉鍋の材料
酸菜白肉鍋の材料
・酸菜
・干しシイタケ 2~3枚(500ccの水に戻し、千切りしておく)
・干しいたけの戻し汁 500cc
・にんにくスライス 1片分
・すりおろししょうが 適量
・チキンスープの素 1個
・出汁昆布 5cm
おすすめの具材
・薄くスライスした豚バラ肉
・きのこ類 しめじ、しいたけなど
・水菜 1束ほど
・豆腐 適量
酸菜白肉鍋の作り方
酸菜白肉鍋の作り方
1. 干しいたけの戻し汁を、戻したしいたけごと鍋に入れ、昆布とチキンコンソメの素、にんにく、しょうが、酸菜を加えて、酸菜がとろりとするぐらいまで煮込みます。
酸菜白肉鍋の作り方
2. 豚バラ肉を表面に敷き詰め、きのこなどの具材を添えて、具材に火が通ったら、食べごろです。鍋の下の方にある酸菜と一緒にいただきます。
酸菜白肉鍋の作り方のポイント
お好みで瓶詰めなどのザーサイを入れると、さらに味わい深くなっておすすめです。
「酸菜白肉鍋」のつけダレは、市販のポン酢やゴマダレなどで美味しくいただけますが、手作りのタレもおすすめです。
酸菜白肉鍋の手作りつけダレレシピ
ニラだれ
みじん切りにしたニラに、酢としょうゆを1対1の割合で混ぜ、豆板醤を少々加えます。
オイマヨだれ
オイスターソースとマヨネーズを混ぜたもの。こっくりとした味わいが、途中の味変に役立ちます。
手軽に作れる “すっぱ旨い”発酵鍋を、ぜひ試してみませんか?
酸菜白肉鍋の〆におすすめなのは?
発酵鍋のシメは、うどんやおじやがおすすめです。
お酒にもよく合うのお鍋なので、お酒を召し上がる方は、うどんやご飯の代わりに改めて酸菜を加えて、さっぱりとシメるのもいいですね。
発酵鍋「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」の注意点
大人気の発酵鍋ですが、長く沸騰させたり、高い温度のまま放置してしまうと、発酵菌などの作用が減ってしてしまいます。
出来立ての美味しいうちに召し上がってください。
発酵鍋の代表格、台湾の「酸菜白肉鍋(スワァンツァイ パイロウグゥオ)」をお家で楽しもう!
寒い時期でも、暖かい時期でも、いつでも食べたくなる酸菜白肉鍋は、クセになること間違いなしです! ぜひ、ご自宅で作ってみてくださいね。また、機会があったら、本場の台湾で酸菜白肉鍋を味わってみるのもおすすめです。