「お手軽金山寺味噌風のおかず味噌」の作り方│瓶で仕込む発酵保存食レシピ【大雪編】

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2022年12月7日~12月21日、二十四節気の「大雪(だいせつ)」にあたります。二十四節気(にじゅうしせっき)とは古代中国から伝わったもので、春夏秋冬をさらに約15日間ずつ分けた暦です。

前回の節気である「小雪(しょうせつ)」では、日中と夕方の寒暖差はそこまでなく、小春日和のような温かな日もありました。今回ご紹介する「大雪(だいせつ)」はどのような季節を迎えるのでしょうか?

この記事では、今時期の養生にうれしい発酵保存食の作り方・レシピとともに、大雪について解説します。今回は、手軽に仕込める金山寺味噌、またそのアレンジレシピ「出汁大根金山寺味噌のせ」をご紹介します。

季節の発酵保存食シリーズ【大雪】お手軽金山寺味噌風のおかず味噌とは?

季節の発酵保存食シリーズ【大雪】お手軽金山寺味噌風のおかず味噌とは?
季節の発酵保存食シリーズ【大雪】お手軽金山寺味噌風のおかず味噌とは?

金山寺味噌とは大豆、麦、米を麹にし、塩と砂糖と瓜、茄子、生姜、しそなどを合わせ発酵熟成させたおかず(なめ)味噌の一種です。千葉県東金市の特産品であり、他にも和歌山、静岡、愛知で郷土料理として食されてきました。その昔、空海が唐へ遣唐使として渡った際、金山寺で修行し日本へ戻ったときにその作り方が伝えられたとされています(諸説あり)。

金山寺味噌の上澄みが醤油の起源となったともいわれています。今回は醤油麹からつくる、お手軽な金山寺味噌風のおかず味噌をご紹介します。

「金山寺味噌風のおかず味噌」の作り方・レシピ

材料(作りやすい量)

・麹 200g
・みりん 60g
・水 乾燥麹の場合麹の半量のぬるま湯、生麹の場合は必要なし
・しょうゆ 150g
・はちみつ 大さじ2

塩漬け野菜、水切りした総量300gほど
・生姜 1かけ みじん切り
・にんじん 1/3本 細かくいちょう切り、短冊切り
・ごぼう 1/2本 みじん切り 
・れんこん 5㎝ほど みじん切り 
・野菜の総量の3%の塩

作り方

全体の流れとして、甘めの醤油麹を作り、同じ日に塩もみ野菜を仕込み、醤油麹の麹が柔らかくなったら塩もみ野菜を水切りして合わせて熟成させます。

下準備
ごぼうとれんこんは沸騰したお湯で2分ほど軽く茹でて水切りしておく

①【甘い醤油麹をつくる】(乾燥麹の場合)ボウルに麹とぬるま湯を入れよくまぜて置いておく。数時間ごとにまぜる。麹がふっくらしたら(生麹の場合はここから)煮沸消毒かアルコール消毒をした瓶に麹を入れ、みりん、しょうゆ、はちみつを加えよく混ぜる。もし水分が足りないようであれば醤油を足す。ふたをして常温で真夏なら2日、真冬なら3日ほど熟成発酵させる。

甘い醤油麹をつくる
甘い醤油麹をつくる

②【野菜の塩もみをつくる】ボウルに切った材料を全て入れ、総量を測り、3%の塩を入れよく混ぜる。袋に入れてきっちりしめておく。冷蔵保存で3日おく。

野菜の塩もみをつくる
野菜の塩もみをつくる

③醤油麹が柔らかくなったら、塩もみした野菜の水をぎゅっと固く絞り瓶のなかで合わせる。さらに常温で真夏なら2日ほど、真冬なら3日ほど熟成発酵させる。それ以降は冷蔵保存に切り替え、3か月ほど保存可能。

食べ方アレンジ

・そのままごはんのお供に
・スティック野菜に添えて
・お揚げに塗って軽く焼いても
・お豆腐にのせて
・クリームチーズと合わせても
いろいろな食べ方で楽しんでみてください!

アレンジレシピ「出汁大根の金山寺味噌がけ」の作り方・レシピ

「出汁大根の金山寺味噌がけ」の作り方・レシピ
「出汁大根の金山寺味噌がけ」の作り方・レシピ

材料(2人分)

・大根 6㎝ 1㎝ほどの半月切り
・昆布 1枚
・塩 少々
・金山寺味噌風 適量

作り方

①鍋に水を入れ昆布を1日入れて置く
②昆布を取り出し、大根を入れ柔らかくなるまで煮る
③大根のあら熱をとり、金山寺味噌をかけて完成

大雪(たいせつ)とは

大雪の七十二候「水沢腹堅(きわみずこおりつめる)」
大雪の七十二候「水沢腹堅(きわみずこおりつめる)」

2022年12月7日~12月21日は大雪です。山の峰に雪がかぶり、いよいよ本格的に雪が降りだす季節。雪国では雪の重さで木々が折れたりしないように雪吊りをします。

12月8日は事八日(ことようか)、いつもお世話になっている道具をねぎらい感謝する日です。代表的なのは針供養で、昔は針仕事が女性の大切な仕事であったため、この日に傷んだりさびてしまった針をこんにゃくや豆腐に刺して大切な道具に休んでもらい、裁縫の上達を祈りました。針ではなくても、日常で使っている道具の整理整頓をしたり磨いたりして、日ごろの感謝を伝えてみては?

二十四節気 冬の暦

初冬:立冬、小雪
仲冬:大雪(←今ここ)、冬至
晩冬:小寒、大寒

大雪の旬野菜

大雪の旬野菜
大雪の旬野菜

はしり(市場に出回りはじめたもの、初物)

水菜、せり、セロリ

さかり(おいしくて栄養価も高く、価格も安定)

カリフラワー、きゃべつ、くわい、ごぼう、春菊、大根、ながいも、長ねぎ、野沢菜、白菜、ブロッコリー、ほうれん草、芽キャベツ、ゆりね、れんこん

なごり(旬の終わりかけ、コクや深みを楽しむ)

えりんぎ、かぼちゃ、こまつな、さつまいも、さといも、ちんげんさい、にんじん、マッシュルーム、ルッコラ、レタス

大雪の旬食材

大雪の旬食材
大雪の旬食材

くだもの

きうい、シークワーサー、みかん、ゆず、りんご、れもん

魚介

あんこう、はまち、うなぎ、かます、きんき、きんめだい、こはだ、さば、さわら、ししゃも、たら、にしん、はたはた、ひらめ、ふぐ、ぶり、ぼら、あかがい、いいだこ、やりいか、いせえび、かき、たらばがに、毛ガニ、たらこ、のり

次節はいよいよ冬至です!

1年でもっとも陰を極める冬至を12月22日に迎えます。いよいよ新年の準備を始める頃になりました。お正月の事始めは12月13日です。年神様を迎えるために、すす払いや門松や正月飾りなどを揃えましょう。門松や正月飾りはクリスマスが終わった26日から飾るのが一般的です。(29日以降に飾ると縁起が悪いとされています。)

12月、1年を締めくくる最後の月、あわただしい日も多いかと思いますが、一日一日大切に過ごしてまいりましょう。

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