発酵と腐敗の違いは?【教えて!小泉武夫先生】

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発酵食品やその食文化における第一人者として日本でもっとも有名な小泉武夫先生。月光仮面ならぬ「発酵仮面」という異名も持つ小泉先生に、発酵食品について教えていただきました!

4.発酵と腐敗の違いは?

Assortment of dairy products

善玉菌の働きである発酵と、悪玉菌の働きである腐敗は、どこが違うのでしょうか。簡単な事例で説明します。
牛乳をコップに入れて置いておきます。温かい季節なら24時間程度で悪臭が出始めます。空気中の腐敗菌が侵入して牛乳を腐らせたからです。腐敗菌の働きは、悪臭だけではありません。牛乳の中は腐敗菌が作り出した毒素でいっぱいになっています。こんな牛乳を飲んでしまうと、嘔吐や下痢に苦しむことになります。
ときどき「腐ったものでも火を通せば大丈夫」などと考える人がいますが、それは大きな間違い。毒素は火を通しても壊れません。大変危険なのです。
しかし、同じ牛乳でも善玉菌である乳酸菌が入り込むと、牛乳はおいしいヨーグルトに変身します。乳酸菌を使って牛乳からチーズを作ることもできます。
しかも、牛乳が発酵してヨーグルトやチーズになると、腐りにくくなります。乳酸菌が牛乳を腐りにくい保存食にしたわけです。さらに風味の面でも、栄養の面でも、元の牛乳よりも優れた食品に変化させたのです。
大豆でも同じことが起こります。大豆を煮て、そのまま放置しておくと、腐敗菌が侵入し腐ってしまいます。しかし善玉菌である乳酸菌で発酵させると味噌や醤油になり、納豆菌で発酵させると納豆になります。
発酵も腐敗も、どちらも菌が引き起こす現象ですが、もうおわかりのように私たちにとって、その効能はまったく違うのです。

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