忘年会シーズン真っただ中ですね! みなさまは忘年会などで飲むお酒の種類を気になさっていらっしゃいますか?
「おいしい、飲む美容」ともうたわれるマッコリは、お米からつくられる、韓国に古くから伝わる伝統のにごり酒。自然の発酵による、ほのかな甘みと酸味が飲みやすく、どんなお料理にも合うおいしいお酒です。しかも、酵母菌や乳酸菌から生まれた発酵飲料で、食物繊維やビタミン類も豊富。美容や健康に気遣うヘルスコンシャスな方から、熱い視線が集まっています。
日本でもその人気は広まり、流通の利便性から定着していた火入れマッコリに加え、最近では加熱処理をしない“生”マッコリが話題です。今回は、韓国農水産食品流通公社(aT)さんに、マッコリの成分分析の研究から分かったマッコリの魅力と、生マッコリが飲めるお店5選を教えていただきました。
マッコリと生マッコリの違いは?
マッコリは、米を主原料とするアルコール発酵飲料(醸造酒)
マッコリとは、韓国の伝統的なお酒で、米を主に、麦、あわ、サツマイモ、ジャガイモなどを原料にした醸造酒です。
100mlあたり44kcalと低カロリーで、アルコール度数は6~8%ほど。加熱処理をした保存性の高い「マッコリ」と、加熱されておらず乳酸菌が生きたままの「生マッコリ」の2種類に分けられます。
生マッコリは、発酵し続けるため保管中にも味の変化があり2度おいしい
生マッコリは、製品化された後も発酵し続けるため賞味期限は短く、冷蔵庫での保管が必要です。保管中にも味の変化があり、2度おいしいのが“生”マッコリなのです。乳酸のほんのりした甘みと酸味、炭酸のシュワシュワ感を楽しめます。一方、加熱殺菌されているマッコリは、長期保存が可能で味も一定です。
本場韓国ではあまり加熱処理をしないため、韓国で一般的に飲まれているのは“生”のマッコリの方です。
日本初の取り組みとなる、マッコリの成分分析
「なんとなくおいしい」や「美容や健康によさそう」といった漠然としたイメージはあるマッコリですが、具体的にどういいのか、実はあまり知られていないのが現状です。
そこで、科学的な知識と理解を日本に広め、マッコリの魅力を伝えたいと、韓国政府機関の韓国農水産食品流通公社(aT)が、発酵の研究で優れた実績のある東京農業大学(醸造科学科)と共同で、日本初の取り組みとなる、マッコリの成分分析の研究を行いました。
生きた「酵母」と「乳酸菌」を含む珍しいお酒「生マッコリ」
今回、aTと東農大が分析したマッコリは、日本で一般的に流通している韓国酒造会社の銘柄11社11種類。そのうち、生マッコリは4種類です。
研究の結果分かったのは、マッコリは生きた「酵母」と「乳酸菌」の両方を含む珍しいお酒であること。そもそも酵母(※)が含まれている食品は意外と少ないのですが、加熱殺菌処理しないタイプの生醤油や生味噌よりも、マッコリの方が酵母を多く含んでいます。
また乳酸菌(※)も、ヨーグルトなどの乳製品と同量か若干少ないぐらい含まれています。
(※)生醤油や生味噌に含まれる酵母や、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる乳酸菌と、生マッコリに含まれるそれらの種類は異なる
マッコリに含まれる「クエン酸」はワインの1.2倍以上、「乳酸」は日本酒の1.2~1.9倍以上
ワインの酸味の特長である「クエン酸」と「リンゴ酸」の量をマッコリと比較した研究では、クエン酸の量はマッコリ(生マッコリを含む平均値)が1.2倍という結果に。一方、リンゴ酸はワインの方が高いとのこと。
日本酒との比較では、クエン酸はマッコリの方が4倍以上多く、リンゴ酸は日本酒の方が2.1倍以上多く含むようです。
また、日本酒に多く含まれる乳酸はマッコリ(生マッコリを含む平均値)の方が1.2~1.9倍多く含むことがわかりました。マッコリのおいしさのひとつであるまろやかな酸味は、この乳酸由来によると考えられます。
タンパク質に食物繊維、葉酸。マッコリに含まれる抱負な栄養素
マッコリはろ過をせず、すりつぶした米などがそのまま入っているため、通常の酒類にはほとんど含まれない「食物繊維」が豊富です。マッコリを飲むと「翌日の便通が良い」といった声もよく聞かれますが、これは食物繊維(0.2%~0.5%、平均値0.35%)が理由の一つと考えられそうです。
また、身体を構成する三大栄養素のひとつである「タンパク質」は、マッコリ(生マッコリを含む平均値)が日本酒の2.8倍、ワインの5.5~11倍。
DNAの生合成や赤血球の形成等に必要な要素である葉酸は、マッコリ(生マッコリを含む平均値)が日本酒の11倍、ワインの5.5倍多く含むこともわかっています。
また、他のお酒と同様に、マッコリにも必須アミノ酸が含まれており、なかでも「ヒスチジン」と「フェニルアラニン」は日本酒やワインより多い傾向に。マッコリの特徴である甘味の要因は、フェニルアラニンの豊富さもひとつの理由です。
日本酒の酸味、うま味を判断する酸度は日本酒の1.6~2.2倍
さらに日本酒の酸味、旨味を判断する指標となる酸度(有機酸の量を相対的に表します)は、マッコリ(生マッコリを含む平均値)の方が日本酒より1.6~2.3倍高い結果となりました。果実由来の有機酸が多いワインよりは少ないものの、十分な酸味を感じられる量を含んでいます。
マッコリで、忘年会をもっとおいしく、ヘルシーに♪
おいしくて、ヘルシーだからというなんとなくのイメージで飲んでいたマッコリも、事実こんなに栄養素が豊富だと分かれば、よりおいしく感じられそうですね。ブームで終わらず、健康志向が高まる昨今の定番アルコール発酵飲料(醸造酒)として定着していきそうです。
もちろん、日本でも本場韓国の「生マッコリ」の味を楽しめます! ぜひ今年の忘年会で試してみてくださいね。
生マッコリが飲める!都内のお店5選
韓国料理専門店 はんあり 新大久保本店:新大久保
日本と韓国で30年以上の調理経験のオーナーシェフが経営する韓国料理店。厳選した材料で作った韓国料理と多種のマッコリカクテルが取り揃えています。すべての料理が自家製。落ち着いた雰囲気で韓国本場の味を楽しめる店です。
生マッコリについて
マッコリは韓国ではかつては、家庭や地域ごとに醸造され消費されてきました。だから出来たらすぐ飲まれ、ながく保存されることはありませんでした。本来マッコリとは生のものをいっていたのです。ところが技術の発展によって加熱し、ながく保存できるものが流通するようになりました。生マッコリは、マッコリ本来のうまさを味わえます。
韓さんの生マッコリ:1500円(税抜)
写真:韓国料理専門店 はんあり 新大久保本店
魅惑のシャーベットマッコリ:1900円(税抜)
写真:韓国料理専門店 はんあり 新大久保本店
焼肉・薬膳 雑草家(ザッソウヤ):外苑前
雑草家では、“韓国薬膳料理”に和のテイストを取り入れ、身体がよろこぶ、本格的な韓国薬膳料理が食べられます。韓国の寺院をイメージした店内はゆったりとした趣があり、ゆっくり寛ぎながらおいしい料理を存分に味わえる、心も体も大満足のお店です。
生マッコリ:グラス 600円(税抜)、1000cc 3,100円(税抜)
トマト:新大久保
写真:トマト
ビタミンB1が豊富な豚肉で、おいしく、元気に! 木目を生かした暖かく落ち着いた店内では韓国語が飛び交い、韓国の雰囲気満点。おすすめは厚さ1cmの豚ばら肉を豪快に焼き上げる焼き豚料理。もちろん自家製キムチや鍋料理など、韓国ならではの料理もあり、どれもオススメの逸品。カジュアルに韓国を楽しみたいという方にはぴったりのお店です。
生マッコリ:1,640円(税込)
写真:トマト
アレンモク:上野
写真:アレンモク
アレンモクという店名は、韓国語で「オンドル(床暖房)の一番温かい場所」という意味です。韓国ではお客さまにはオンドルで一番温かい場所をすすめて座ってもらう風習があります。料理の海鮮材料はアメ横市場で仕入れているので、海の幸は新鮮、お肉もいいものを安く手に入れています。そのためメニューは80種類以上、値段もリーズナブルです。
ロッジ風の店舗の2階は、韓国から持ち込んだ電気オンドルの部屋になっているので、家庭的でくつろげる雰囲気が堪能できます。
写真:アレンモク
生マッコリ
グッスンダン生マッコリ(緑)750ml 1,790円(税抜)
純生 生マッコリ(黒)750ml 1,790円(税抜)
二東 生マッコリ(緑)750ml 1,790円(税抜)
二東 生マッコリ(青)1000ml 1,990円(税抜)
写真:アレンモク
李南河(リナンハ):代官山
写真:李南河(リナンハ)
厳選された食材を使った創作韓国料理。オーナーが自ら足を運び、食材を全国各地から集め、料理をお届けしています。加賀野菜、産地直送鮮魚、特撰黒毛和牛、どれも自信のある食材ばかり。旬の食材を扱い、季節の恵みを感じ、新しい韓国料理が発見できます。
写真:李南河(リナンハ)
特製マッコリ:360ml 2,200円(税別)、180ml 1,500円(税別)
写真:李南河(リナンハ)
全国にもたくさん!本場韓国の生マッコリ&マッコリが楽しめるお店
今回は、都内の5店をご紹介させていただきましたが、日本全国にも本場韓国の生マッコリ&マッコリが楽しめるお店がたくさんあります。
お近くのお店へぜひ足を運んでみてくださいね!
韓国農水産食品流通公社(aT)飲食店紹介
韓国農水産食品流通公社(aT)オフィシャルサイトに掲載されている飲食店紹介ページをご利用ください。
韓国農水産食品流通公社(aT)飲食店紹介ページ
関連リンク
韓国農水産食品流通公社(aT):http://www.atcenter.or.jp/